古本屋の古書

大学1年生のPN古本屋の古書です! noteでは主に自分語りや考察をしたり、自分の思い…

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大学1年生のPN古本屋の古書です! noteでは主に自分語りや考察をしたり、自分の思い出メモをします。 お見知りおきを。

マガジン

  • 古書のこしょこしょ話 2024

    2024年毎月更新分です。

  • 思春期日記

    不定期更新ですが、自分の中でシリーズ化している思春期日記です。 自分なりに、今だから考えるのだろうなと思うことを綴っています。垣間見える闇の部分や性に対する認識を意識しながら書いています。

  • 夏休み分

    夏休みに書いてみたコラム集です。 拙いですが、ぜひ…

最近の記事

古書のこしょこしょ話④ 〜思い出と気づき〜

 期待の新生活が始まった。しかし大学生活に気持ちが昂っていたのは最初の数日だけ。今では行きも帰りも座席を取り合う電車内で眼をこすっている▶︎その日は図書館で資料を読み漁っていた。気付けば21時。閉館を知らせるアナウンスが鳴る。僕は江古田から西武線で池袋に向かう。池袋では埼京線で赤羽に、赤羽で宇都宮線に乗り換える。2号車のクロスシートで、乗り換え時に自販機で買った熱いコーヒーを啜りながら、車窓に目をやる。隣を並列走行するのは湘南新宿ライン。逗子や鎌倉、横浜から渋谷、新宿を走行し

    • 古書のこしょこしょ話③ 〜語るなら未来を…〜

       歳の離れた人と会えば必ず「これからじゃん!羨ましいな」と言われる。私は返答に困り、「そうですね。頑張ります」とざっくり決意の言葉を口にする▶︎「昔は〜、私の頃は〜」という話もよく耳にする。その話の末尾には「恥ずかしいけど」がつく。その言葉を意識するようになったのがここ2年ほどのことだ。意識してみると、自分も後輩に使っていたことに気づいた。齢18の自分が発するその言葉に座りの悪さを感じた。そこで自分なりに、この言葉の隠された意味を読み解いてみようと思った▶︎人に自分のことを話

      • 思春期日記⑦「新古品」

        バイト先で、久々に中学時代の同級生に会った。僕の家族とも仲が良く、僕にとっても気の置けない友人である彼は、中学卒業後、県内でも有数の進学校に進学した。春からは関東の国立大に進学することが決まっている。 バイト終わりも話し足りなかったので、スーパーのイートインスペースで近況を報告しあった。 彼は、あの頃とは違う柔らかい口調で「進学校では恋を知った」と言う。部活でハーレム状態だった彼は、同じ部活の子に恋をしたという(ヤバい、僕も同じだ)。僕と違うのは、二人は両思いで付き合ったと

        • 悩みが個性に変わる時

          〜15歳〜 母は僕が愚痴をこぼす度に言う。 「5年前の話だけどさ。(いじめられた)って帰宅後に開口一番愚痴るから、担任に相談したんだよ。そしたらね、(古書くんは普通の10歳です。周りの子たちの精神年齢が低すぎるんです。私も困るぐらい)って。」 15歳の僕は、教室の後ろ端の席で斜に構えているような生徒だ。10歳の頃から話が周りの人と合わないという悩みを抱えている。ゲームや流行り物の話はできるが、その話の終着点が合わないのだ。 流行りのドラマのキャストにメロメロの友人と、当て

        古書のこしょこしょ話④ 〜思い出と気づき〜

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        • 古書のこしょこしょ話 2024
          2本
        • 思春期日記
          7本
        • 夏休み分
          8本

        記事

          古書のこしょこしょ話①

           大地震、飛行機の接触事故、JAXAの月面着陸、指名手配犯の自白後の病死。歴史の一コマになるであろうこれらの出来事がたった一月で起こったことだとはいまだに信じられない▶︎今月は政治や芸能界、スポーツ界の多くのスキャンダルが世間を賑わせた。プロ野球オタクの私としては、埼玉西武ライオンズからFA権を行使していた山川選手を獲得する補償として福岡ソフトバンクホークスの甲斐野選手が放出されたものの、その過程で情報が錯綜したのは見逃せない▶︎11日の未明に、日刊スポーツが42歳の和田選手

          古書のこしょこしょ話①

          小旅行で思ったこと

          今年の5月3日、僕は自宅から100kmほど離れた足利市にいた。 1月末に放送された「ブラタモリ」を観ていて、足利に興味を持ったのだ。 訪れたのは織姫神社と足利学校。 自宅の近所にはない空気感、街並みに心は躍った。 織姫神社は社殿がとても美しい。鮮やかな赤は息を呑むほど。標高100メートル程度に位置しているので、後ろを振り返れば足利の街が一望できる。高い建物がほとんど存在しないため、遠くの山まで見渡すことができる。 足利学校は、教科書にも出てくる日本で最も古いとされる学校。当

          小旅行で思ったこと

          光と影

          国道409号線を行く。 通りに面した格式ばった2人用のテーブル席。座る男の胸元には議員バッチが光る。隣の男は秘書だろうか。 ポスターの中に男性アイドルがいる。 劇場の公演案内だ。 入口には"推し"のアクリルスタンドを持った女の子がたむろしている。 右目を赤色灯がかすった。 その車の中には大柄の男に囲まれた小柄な男がいる。伏し目がちにこっちを見ている。 劇場入口がステージのように、眩しい。 (今日の日記) 最近、鉄道の株主優待券を買ったのでよく都内に出ている。 閣僚の辞任

          気怠

          最近、どうもやる気がでない。 ここ1ヶ月少々。 ここ1ヶ月であったことといえば、大学に受かったことぐらい。 これが大事なことなのかもしれない。あと60年は見込まれる人生において。 でもなんだかわからん。 実感が湧かないというより、わからないのだ。 親は祝いだとお頭付きの舟盛りを買ってきたり、祝儀に数万円をくれたが、よくわからんと口座に入れたきりである。 僕が来年から通う学校は、かなり有名な学校ではある。今色々と世間を騒がせてはいるが(苦笑) その大学の芸術学部の放送学

          思春期日記⑥「溝」

          「あなたは読める?」 「あなたはこの言葉の意味を知ってる?」 軋轢(あつれき)、出生率(しゅっしょうりつ、しゅっせいりつ)… 確かめるように2つ開いたが、新たな発見はない。いわば常識チェックのような問題が並ぶトップニュースに辟易としてそっとスマホと同時に瞼を閉じた。 前には近隣高校の制服を着た青年がいる。 平日の真昼間から制服を隠すようにスマホを見る彼は何かやましいことでもありそうだ。どうせ早退きして遊ぶとかそんなところだろう。 俺が学生の頃は、(もう半世紀前になるのか)

          思春期日記⑥「溝」

          夢と思い出

          キンコーンカンコーン 昼休みを告げるチャイムが鳴った。 急いで靴を履いて駆け出す。瞬足を持った他クラスの子に負けたくない。先にサッカーゴールを取るんだ! 無事にゴールを取り、後からくるクラスメイトを待つ。一人、一人とやってくる。ざっと10人集まると、グーとパーで分かれてボールを蹴り出した。僕はスキルがないけど、周りを見るのが得意なのでよくパスが回ってくる。みんなとボールに触れるのがとにかく楽しく、とにかく走り回ったものだ。 大学生になった僕はサイクリングがてら、久々に地元

          神宮外苑再開発に疑問を投げかけるサザンオールスターズの新曲「Relay〜杜の詩」がリリースされて1ヶ月が経つ。 リリース後、計画の見直しを求める声が集まり、樹木の伐採は延期が決まった。 神宮の景観は100年前から大切に受け継がれてきた。特にいちょう並木。その景観を守ってほしい。そのためには生態系を守らなくてはいけない。というのが反対派の意見の一つだ。 一方、神宮の景観は人によって作られたもので、果たして守るべきものなのかという疑問の声もあがっている。そして僕も、神宮の景観が

          英語教師であった夏目漱石は「I love you.」を"月がきれいですね"と訳したという。 さわやかな風が吹く夏の夜、散歩に出ていた漱石は一人の女性とすれ違った。その女性は近所で見ない顔だった。漱石はその女性に一目惚れした。 「こんばんは」 不意に声をかけられた漱石は動揺した。もしかして、目を奪われていたのがバレたのか。焦った素振りも悟られないように振る舞いたい。同じくこんばんはと返せばいいのだろうがと一瞬のうちに考える。なにより話すときにどこを見ればいいのだろうか。目のや

          毎日、8キロの道のりを自転車で30分かけて学校へ通っている。 朝8時、開店前のスーパーや飲食店が並ぶ国道4号は車が行き交う。パンを運ぶトラックが忙しない。朝から頑張っている人たちを見て、僕もスイッチを入れる。 帰りは道を変えて、川沿いの住宅街を進む。 緑も多く、水も綺麗なのでなかなか気持ちが良いものだ。時折、川沿いの階段を下って遊んでいる子供を見る。木の棒で水をかき混ぜて遊んでいる。苔を剥いで遊んでいる。川に浮かぶ草(川菜草と呼ぶらしい)をとって遊んでいる。 落ちる子供もい

          父は地域猫を愛でている。便宜上、地域猫と表しているが、父が野良猫を餌付けしただけである。 僕は父のこの行為に苦しめられた。 動物病院でその猫に避妊手術を受けさせたり、近所に理解を求めて回ったりもした。何より、猫餌代は家計を圧迫している。 父への恨みは尽きないが、その猫にも恨みがある。 勝手口にあるつっかけは糞尿まみれにされ、干している合羽は毛だらけなのである。傘に至っては爪研ぎにされている。外にあるだけで穴をあけられてしまうので、外に干すのもままならない。猫は夜もうるさい。

          思春期日記⑤ 「童貞作」

          「処女作」という言葉が書店の新刊から消えつつある。 「処女作」とは作家や芸術家のデビュー作のことを指す。主に本に用いる。 この言葉が最近めっきり使われなくなった。 ネットで調べてみると、この「処女作」という言葉は放送禁止用語とされているらしい。 ランクはCランクだそうだ。 (その用語を使用する背景や状況、文脈の前後関係に注意して使用しないと、不快な思いをする人がいるということ。Cランクの放送禁止用語には、他にも家柄・家系・血統・毛並み・血筋など結婚や就職の際注意した方がよ

          思春期日記⑤ 「童貞作」

          思春期日記④ 「感情」

          本を読んでも、映画を観ても、泣けない。 人と会っても作り笑いばかりしている。 課外活動中も、楽しいや嬉しいという感情は働かない。ただ、淡々と。勉強になるなぁと思いながら進めている。 すごく刺激的なことをしているはずなのだ。 そうそう会えない方からお話を聞くことは貴重だ。それが続きすぎているのか。 ー「古書くん、最近心が動いてなくない?」 と周りの大人から言われることが多くなっている。 以前は、楽しいや嬉しいといった感情が表れにくいという悩みを持っていた。しかし今はその感情

          思春期日記④ 「感情」