古書のこしょこしょ話④ 〜思い出と気づき〜
期待の新生活が始まった。しかし大学生活に気持ちが昂っていたのは最初の数日だけ。今では行きも帰りも座席を取り合う電車内で眼をこすっている▶︎その日は図書館で資料を読み漁っていた。気付けば21時。閉館を知らせるアナウンスが鳴る。僕は江古田から西武線で池袋に向かう。池袋では埼京線で赤羽に、赤羽で宇都宮線に乗り換える。2号車のクロスシートで、乗り換え時に自販機で買った熱いコーヒーを啜りながら、車窓に目をやる。隣を並列走行するのは湘南新宿ライン。逗子や鎌倉、横浜から渋谷、新宿を走行し