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悩みが個性に変わる時

〜15歳〜

母は僕が愚痴をこぼす度に言う。
「5年前の話だけどさ。(いじめられた)って帰宅後に開口一番愚痴るから、担任に相談したんだよ。そしたらね、(古書くんは普通の10歳です。周りの子たちの精神年齢が低すぎるんです。私も困るぐらい)って。」

15歳の僕は、教室の後ろ端の席で斜に構えているような生徒だ。10歳の頃から話が周りの人と合わないという悩みを抱えている。ゲームや流行り物の話はできるが、その話の終着点が合わないのだ。
流行りのドラマのキャストにメロメロの友人と、当てがきされたストーリーを語りたい僕。
流行りの音楽の歌手を追っかける友人と、つくられた背景を語りたい僕。
同じコミュニティに居られるわけもない
友人はそれが気に入らないのか僕を仲間はずれにすることが増えた。それから僕は斜に構えるようになった。誰にも話しかけられなければいい、人と話すなんて僕には無理なのだ。


〜18歳〜

それから2年。僕の態度は変わらない。
そんな僕にもいつも話しかけてくれるひろくんという友人ができた。
同じような経験を持つ人だ。そして、僕とひろくんは…話が噛み合わない
僕とひろくんもやはりというべきか着眼点や興味を持つ方向が違う。
でも、8年前と違うことがある。それは、互いに理解しようとすることだ。

悩みは今も持ち続けている。
でも何年も持ちつづけると悩みを個性として認めてくれる人が現れるようになるようだ。

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