わからないこと、わかりたくないこと

気持ちに余裕がない彼は早くも白旗を揚げ、
「別れたい。」
そう私に言った。

私からすれば、顔に水をかけられたような気分で、到底Yesとは言えなかった。とにかく自分が悪いというばかりで、逆にそれが私の存在を否定しているように聞こえた。連絡されるのも苦痛ならば時間を置きましょう、そう返すことで精いっぱいだった。それに対する答えは、もう一度考えてみる、だった。


私の周りの人達は、男女ともにこの件について
「無理だろう…」
と答える。
どれだけ忙しくてもこれだけ情報通信が発達した世の中で、連絡ができない状況が理解できないと、みんな口を揃えて言うのだ。

かく言う私も理解できない。
でも、「別れよう。」に対して、
「こんな終わりは耐えられない!それぐらいなら耐えてみせる!」
半ば意地のような形で宣言したため、とりあえずの体裁は保っている状況だ。


彼の状況がわからない。
彼の気持ちもわからない。

私のことが好きかどうかもわからなくなった彼。
私にまた会いたいかどうかもわからなくなった彼。

そんな人のことをまだ好きなのかどうかわからない。
何故、待つ必要があるのかも自分自身わからない。


「週末は連絡できたらするつもり。」
そう一週間前に彼は言っていた。
連絡は無い。
忙しかったのだろう。
あくまで「できたら」の話。
彼としては「できない」からしないだけだ。


私はと言えば、元々彼氏なんていなかったかのように生活をしている。仕事も年末進行で忙しいし、体調もさほど良くない。とにかく毎日、色々なことを考えて、彼のことを頭から追い出すように日々の生活をしている。


「彼は一瞬でも私のことを考えるだろうか?」


そんなことを考えながら。



きっとこのまま音信不通になるんだろうな。
そんな気持ちになっている。



先週、個人的なことで、とても悲しい出来事があった。
本当ならば彼と分かち合いたかった話だ。
でも、分かち合って励ましてくれたのは別の人だ。
とにかくタイミングが合わない。

もし、これがもっと身近な事で、もっともっと悲しことだったら、と考えると、どうしようもない気持ちになった。分かち合いたい人はいても、それを拒絶される状態で、どうやって相手を愛していると思い続ければ良いのか。


普段、ベタベタしていなくても本当に大事な時に連絡が取れてほしい。でも、私が約束したのだからそこを破ることはできなかった。まだ、嫌われたくないんだと思う。



この話の結末はきっと決まっているんだろうと思う。
わからないことが多すぎて目をつぶっていたけれど、それは単に見ないようにしているだけで、見なくてはいけないことなんだろう。


とりあえず、あと1週間。
激務に追われて、何も考えず、日々を過ごしたい。

約束の期日を過ぎても連絡をしたくない…
何故ならそこで「やぱり別れる」と相手から言われたくないからだ。かと言って、私からカッコよく「別れましょう」と今はまだ言えない。それが何故なのかもわからない。


そんな自分のくだらないプライドが嫌いだ。

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