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講演会は「伝える」のトレーニング

最近、講演会に招かれて、ADXや森での活動について話す機会がある。
数百人に向けて話すこともあるし、建築業界や林業関係の方々に向けて。
ときには、一般の方々や、子供たちに向けて話すこともあった。
 
誰が聞き手であろうと、僕が伝えたいことは基本的には変わらない。
だけど、同じ業界のプロに向けて話すほうが圧倒的に話やすい。
建築や森を取り巻く環境や課題をある程度把握しているし、専門用語もそのまま通じる。
 
反対に、一般の方々や子供に話そうとすると、誰にでも分かる言葉に変換して説明したり、たとえ話に置き換えたり、イメージを補足したりする必要が出てくる。
午後のいい時間の授業に立つときは、学生たちが退屈しないよう、話の中にスパイスを散りばめておきたい。
 
これがけっこう難しくておもしろい。
 
分かりやすさ、キャッチーさを優先して例え話を持ち出しても、ポイントがズレてしまっていたり、説明を丁寧に付け足しながら話していると、与えられた時間内に収まらなかったりする。
はっきり言って苦戦することも多い。
 
僕は講演会が決まると必ず、どんな相手にどんな話を伝えるか、紙に書き出して台本を作る。
そこで、「どんな例え話なら伝わりそうか?」「最近話題になったニュースに関連付けられるか?」など、聞き手にとって身近な話題から考えて、少しでも伝わる内容について頭の中で考える。
 
講演会で話した内容の良し悪しは、終わるとすぐに分かる。
伝えたいことが伝われば、名刺交換を求める行列ができるが、いまいちならそそくさと会場を後にすることになる。
 
森にはたくさんの可能性がある。
僕が伝えたいのはいつもそれだけ。だけど、上手に伝えるのは意外と大変なのだ。

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