見出し画像

【米国の研究】楽器の演奏スキルを学ぶことで子供の脳にどんな影響が起こるでしょうか?!

本日は精神医学の教授でありバーモント子供センターの所長ジェームズ・ハジアック氏とアメリカ・バーモンド大学医学部の研究者によって実施された研究をシェアします。

ジェームズ・ハジアック氏はこの研究よりも前に米国国立衛生研究所と協力し、6 歳から 18 歳まで計 232 人の子供の脳の発達を観察しており、今回の研究はその研究の続きになっています。

4ヶ月〜14ヶ月の音楽レッスンの結果

対象のこどもたちは4ヶ月〜14ヶ月にわたって研究に参加。

これらの期間に音楽レッスンを受けた子供と、音楽レッスンを受けていない子供の脳の活動を測定しました。

結果、音楽レッスンを受けた子どもたちは、音楽的レッスンを受けていない子どもたちと比較して、音楽的感覚と言語能力を含む脳の様々な領域がより活発になっていることが明らかになりました。

この研究から音楽を演奏することは、脳内の神経回路を発達させるために重要であり、子供たちはより優れた数学的能力、空間認識能力、記憶力や集中力を獲得できることがわかりました。

実はストレスを感じるこどもの脳

子供の脳は順応性が非常に高いため、成長するにつれて、脳の外側の層である皮質の厚さが極端に変化していきます。

ジェームズ・ハジアック氏の過去の研究チームでは、この皮質の特定の領域の厚さによって、表面上は健康的に見える子供であっても、不安やうつ病、注意持続時間の問題、攻撃性やその他行動上の問題に関連している可能性があることを指摘しました。

元気いっぱいに見えるニコニコ笑っている子供でも実は大きなストレスを抱えている可能性があるわけですね。

米国では4分の3が・・・

米国の高校生の4分の3が音楽や芸術に関する趣味や時間をほとんどまたは、全くとらないという統計があります。

ジェームズ・ハジアック氏は子供の時期から音楽や芸術に触れることの重要性を発信しています。

「このような統計は、現在の神経画像の結果と照らし合わせると、音楽トレーニングを子供の頃から若者がより広く利用できるようにするための新しく革新的な方法を見つけることが極めて重要であることを強調しています。」

ジェームズ・ハジアック氏:翻訳『Google翻訳』

格差社会と音楽教育の敷居

米国の高校生の4分の3が音楽や芸術に関する趣味や時間をほとんどまたは、全くとらないというのは驚きの数字でした。

そこはやはり日本とは違い、格差の度合いがかなり開いているためと考えられます。

やはり音楽を学ぶにはお金が非常にかかります。

楽器の購入代、楽譜の購入代、レッスン代に楽器のメンテナンス代。

例えばドイツなどでは日常的に週末は教会で無料の音楽会が開かれたり、楽器と身近に触れ合う機会が多いのですが、やはり日本だと楽器に触れる機会というのも少ないですし、音楽会といってもかなり敷居が高かったりします。

音楽鑑賞のお値段もやはり全然違っていて、筆者の知っている時代で2014年あたりだとオーケストラのコンサートも10ユーロ前後。

学割だと5ユーロなんて当たり前にあります。

アムステルダムのコンセルトヘボウにふらっと立ち寄った際にも2公演通しのチケットで12ユーロでした。

そういった価格の違いも敷居の高さにつながってくるかと思います。

筆者の大きな目標の一つには誰でも無料で学べる音楽教室を作りたいというものがあります。
詳しくはプロフィールを見てもらえたら泣いて喜びます!

これはやはり経済的な理由をふくめ、家庭の事情で音楽を学びたくても学べない環境にある子供に音楽を身近に感じてほしい、人類が共有して持っている音、音楽の力をしっかり感じて、受け取ってほしいという想いがあります。

今回のジェームズ・ハジアック氏の研究結果はこれらの目標に対して俄然やる気が出る結果となりました。