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昨シーズン振り返り アルビレックス新潟編

今回はアルビレックス新潟編です。

J1に戻ってきてからも臆することなく自分たちのサッカーを貫き通す姿にアッパレです。
昇格二年目のシーズンを迎える前にその戦いぶりを振り返ってみましょう。

昨シーズン振り返り

ボールは恋人

J1リーグ全体でポゼッション回避の傾向が強くなっていくなかで、それと逆行するように果敢にポゼッションを極めようとしたのが松橋力蔵監督率いるアルビレックス新潟でした。

Sofascoreを参考に独自にデータを加工して作成  

パスに関するスタッツは川崎フロンターレや横浜Fマリノスと比べても遜色のない数字です。
新潟は日本一の「ボールを大切にするチーム」であると言えます。

それではこの強豪2チームと比べて足りない部分はどこにあるかと言うと以下の通りです。

Sofascoreを参考に独自にデータを加工して作成

やはり新潟にとって得点力が一番の課題です。
ペナルティボックス内でのシュート数は254本と充分な数字なのですが、精度が低いのかゴール数が足りていません。それから頭G(ヘッドゴール)も少ないです。これを見ると、新潟はきちんと相手エリアに侵入できているだけに、シュートを決めきる大型の外国人ストライカーがいたらなあ、と思ってしまいます。そこはもうフロントが頑張ってお金をかけていくしかないのかもしれません。

逆にペナルティボックス外でのロングシュートによるゴール数は10本と好成績ですが、その半分は伊藤涼太郎によるものでした。
ドリブル数が多いのも新潟の特徴です。ポゼッションでボールを届けたあとは伊藤や三戸舜介などの突破によってチャンスメイクすることが多いことがうかがえます。

二年目の洗礼

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

これは、それぞれの選手がシーズンをまたいでどれだけリーグ戦の出場時間を増減させたかを表にしたものです。
J2の場合、試合数が多いためJ1の試合数に比率を合わせて数字を調整しています。
(※基本的に増減が500分以上の選手のみを抜粋)
(※オレンジ色の枠は、シーズン中を含めたその年の新加入選手)
(※紫色の枠は、前シーズン中を含めた退団選手)

さて、昇格組である新潟はほとんど選手を入れ替えることなくJ1に挑んでいたことがわかります。
興味深いのは、CBに新戦力を入れたわけではないのにレギュラーが千葉和彦舞行龍ジェームズから渡邊泰基トーマスデンに替わっている点です。守備の強度よりもボールコントロールを優先した選考になっていて、ここにも松橋監督のサッカーに対する哲学がうかがい知れます。

今シーズンはそのサッカーにさらなる磨きをかけたい新潟ですが、「二年目の洗礼」(=選手の引き抜き)を受けています。
ビルドアップの担い役だった高宇洋や渡邊を抜かれ、前線の方も質の高いプレーヤーである伊藤や三戸が海外に旅立ってしまい、新潟はかなりの戦力ダウンを強いられています。

それを穴埋めする選手として前線の何でも屋である小野裕二を引き抜いたのは見事でした。
あとは既存の前線選手のさらなる奮起に期待するほかありません。個人的には今年ブレイクの兆しのあるドリブラーの小見洋太に期待です。

天敵は走る奴ら

最後に、新潟が昨シーズンに勝ち越したチームと負け越したチームを見てみましょう。

FootballLABを参考に独自にデータを加工して作成

勝点に併せてその試合における移動距離差(km)を載せています。
プラスなら新潟の方が多く動いていることになり、マイナスなら相手チームの方が動いていることになります。

これは新潟に限らず全てのチームに共通していますが、その試合内で相手よりも移動距離が上回ったチームの方が勝率も高いという傾向があります。ただし、それは戦術面での噛み合わせの結果として現れるものであり、ただ闇雲に走ればいいというわけではないのがサッカーの難しさでもあります。

さて、新潟の成績を見てみましょう。
(なお、レッドカードが出た試合の相手に関しては移動距離差に大きく影響が出るため今回は除外しています)
まず川崎とマリノスに勝ち越しているのは流石と言うしかありません。
注目したいのは広島と福岡にダブルを喰らわしていることです。それぞれ固い守備で相手の良さを殺す戦術を得意としていますが、新潟は効果的にボールを動かすことでその守備を打ち破っていることがわかります。

逆に負け越した相手を見てみると、特に試合だけでなく移動距離差でも激しく負けてしまったのが鳥栖と鹿島です。
鳥栖は日本一走るチームであり、新潟のポゼッションをとにかく走ることで封じてきたのだろうと想像できます。
鹿島は移動距離だけでなくスプリント数にも優れたチームです。こちらも走力を絡めたフィジカルの部分で新潟は圧倒されてしまった可能性があります。

さて、今年の開幕戦はまさにその天敵であるサガン鳥栖が相手です。
昨年のリベンジなるか、松橋監督の手腕が注目されます。

以上です。


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※記事内データ引用元サイト紹介

FootballLABさん

Sofascoreさん
https://www.sofascore.com/tournament/football/japan/j1-league/196







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