見出し画像

【広告業界】僕たちデザイナーはどこを目指せばいいのか?【一生報われない社畜たち】

こんにちは。社畜デザイナーの小鉄です。
僕は日々社畜として勤務しています。

年末に差し掛かると飲みの誘いも多くあり、12月は同世代のデザイナー(アートディレクター)や若い世代のデザイナーたちと飲み明かす日々を送っていました。

飲み会では浅い話をしたり、深い話をしたり、楽しみながらお互いの近況を語り合いました。
それぞれ熱い思いを持っていたり、思うようにいかず悩んでいたりと様々でした。

何人ものデザイナーと話していく中で、広告業界のデザイナー(アートディレクター)は苦悩が多いことを再認識しました。
僕自身も自分の行く末に悩みながら日々仕事に向き合っています。

そこで今日は年内の内にこのモヤモヤを晴らすべく、noteを書くことにしました。(結局年内にギリギリ間に合いませんでした…)
お暇な時に見ていただけると幸いです。

本日話したい内容はこちらです↓



社畜デザイナーとして歩んできた人生

僕自身も広告業界で何年も働き続けてきました。
苦しいことも多いですが、仕事はとても好きなのでなんとか毎日生き延びることができています。
広告の仕事はとてもやりがいが大きいです。他の仕事をしていたら経験できていないようなことも数多く経験させていただきました。

そして年の瀬になると今までの実績を見返してポートフォリオにまとめたりします。
そこで気づきます。アウトプットの物足りなさに。

1年間血反吐を吐く思いで取り組んだ割には自分の納得するものはできてなかったな。と思うことが増えました。
そして年々その傾向は強まっていきました。

「この仕事をこのまま続けて行った先に自分はどうなるんだろうか…」
実績を積んで行った先に2倍4倍8倍と指数関数的に上昇し続けていけると考えていましたが、それは難しいことを悟り始めます。

みんな悩むが糸口は見出せない=(見出さない)

飲みの席で話したデザイナー陣も似たような悩みを抱えていました。
「デザインを突き詰めていきたい。でも今の職場では実現できない。」
「クライアントの規模や制作費が年々縮小している」
「やっている業務に対して、激務すぎる」
などなど。
悩みのレベルは大小様々ですが、何かしらキャリアに対しての悩みを持っています。

しかしそこまで深刻に悩む人は少なく、「なるようになる」といったような楽観的なスタンスの人も多いです。
真剣に思い悩んでいる人は広告業界を去って別業界に行ってしまうので身近に少ないのかもしれません。

デザイナーはどこまでいってもサラリーマン

このようにデザイナーたちが悩んでしまうのは「デザイナーはどこまでいってもサラリーマン」であるからです。

広告の仕事はクライアントが広告費を出して依頼してくれることで成り立っています。
そしてクライアントワークである以上、お金を出しているクライアントが全ての権力を握っています。

年々広告費も減っているので、クライアント側は少ない広告費で大きな成果を出すために細かい箇所や些細な表現にまでこだわり尽くそうとします。
そうなると意味のない箇所にまでこだわり始めます。

このクライアントの無駄なこだわりによって、多くの広告会社は何度も続く修正作業や、費用対効果の極めて低い検証作業に陥いります。
この修正や検証の行程は増えますが、適切な対価が支払われておらず、社員の労働時間も多くなります。
そして広告会社は規定の労働時間を超えて、違法な残業を社員に強いることになります。

このような根深い原因があるため、個人が仕事でどれだけ全力で取り組もうと成果が出づらいです。
しかし、仕事である以上このルールの中で闘っていくしかありません。
そうなるとクリエイティブな仕事というよりも「サラリーマン」としてのコミュニケーション能力・周囲との調整力の方が重要になってきます。
広告の仕事をやっていく中で、この仕事の醍醐味は「遂行能力」にあるということも知りました。

しかし、それは僕が目指すクリエイター像からはズレていてこの道を突き詰めていきたいとは心から思えなくなっていきました。

なぜみんな広告業界にしがみ付くのか?

「これほどに過酷な環境なのに皆どうして働き続けられるんだろう?」と疑問が湧くことがあります。

多くの人が広告のデザイナーを続けている理由としては、
広告が好きだから」「デザインが好きだから」
ということに行き着きます。
みんなこの仕事が好きなのが話していて伝わってきます。

そして、そういった人の多くは仕事が人生の中心のため、仕事以外に誇れるものや大切なもの(家族や子ども)を持ち合わせていないことが多いです。
(中には家庭を持っていて順風満帆な方もいます)

自分に足りないものを埋めるために広告やデザインにすがっていることもあります。
よく陥るのが、仕事の規模や関わったタレントさんを自分の価値だと思い込んでしまう方がいます。
「規模の大きい仕事に関わっている自分は輝いている。」「有名な広告に携わってる自分たちはイケている。」
広告に携わる人の多くはこの道を通ると思います。

しかし予算が数千万規模の案件に携わったところで、制作会社のデザイナーには1円たりとも還元されません。
毎月決まった安月給が支払われるのみです。

資本主義のこの国ではどれだけ稼いでいるか。が仕事の満足度に直結しているように思います。

そして利益の上げ方も長時間労働で得るのでなく、短い時間で心身の負担なく利益を得ているかが重要です。

しかし、「金のためだけに働こう。」ということを言いたいわけではありません。

(僕が思う)デザイナーの目指すべき場所

これらのことを広告業界で働き続けて考えていました。
デザイナーとしてどんな場所を目指すと幸せになれるのか。
最近、自分なりの答えが出せるようになりました。

それは「自分の能力を必要としてくれて、尊重してくれる組織や業界に行く」ことです。

そう考えることで広告業界にこだわる必要はなくなり、一気に選択肢と自分の可能性が広がりました。

誰かに必要とされる場所に行くことで、デザイナーやクリエイターは豊かに充実した人生を歩めるようになると思います。

僕自身は最近転職をして充実感が高く日々働けています。
それは組織から自分の能力が必要とされているからだと思います。
必要とされているからこそ、待遇面も良く勤務時間もコンパクトにすることができています。
デザイナーとして尊重してもらえて、気持ちよく労働することができています。

以前はクライアントや社内の人たちに振り回され、土日撮影や平日夜に打ち合わせなどを行うことが大量にありました。
それは会社が社内のクリエイターを軽んじていたからだと思います。会社からするとただの兵隊の都合などどうでも良いです。

その関係がクライアントと広告会社の間でも発生していました。
クライアントは無理な予算をタイトなスケジュールで要求してきます。
それはクライアントからすると広告会社を軽んじており、こちらの都合など微塵も気にしません。

無茶なことを要求するクライアント、それを引き受ける広告会社。
無茶なことを要求する上司たち、それを引き受けるクリエイター。

この関係が出来上がっていました。

社内のクリエイターがぞんざいに扱われるのも当然です。
担当しているクライアントが横柄なので、それに対応するために社内のクリエイターも雑に扱うしかありません。
(でもクライアントの担当者も上から成果を上げなければいけないという重圧を受けているので仕方ないです。)
業界全体で負のスパイラルに陥っています。

そのため、どれだけ広告業界でひたむきに努力していい仕事をして賞を獲って価値を上げても、会社自体がその姿勢だと大きく変えることは難しかったです。
自分なりに必死に足掻いた結果壁にぶち当たり続けました。
その経験も経て、自分の能力を必要としてくれて、尊重してくれる組織や業界に移ることが大事だと思い知りました。

目指すために何をすればいいのか

会社員として

組織に必要とされる人材となるために日々鍛錬が必要です。

デザインスキルはもちろんのこと、ディレクション・遂行力・コミュニケーション能力など幅広いスキルが必要とされます。
当たり前のことですが相手の期待に応えていくことが大事なんだなと日々働きながら思っています。

そして、業界に拘らず広い視野で自分の能力を求めている場所、適切に発揮できる場所を探ることです。
このご時世デザイナーは広告業界以外にも様々な領域で必要とされています。
どうせ働くなら自分のことを必要としてくれる組織に行くほうがいいです。
そして業界選びも広告業界だけでなく、全ての業界の中から今ベストな場所に向かうべきだと思います。

僕自身も転職を経て今は社畜としてプライベートも仕事も充実しています。
会社員として生きるにはこれが自分の最適解だったと思います。

クリエイターとして

さらに自分の能力を必要としている場所は会社以外にも存在します。

会社の枠組みを超えて、世の中に人々に必要とされる存在となることでクリエイターとしてとても充実することができます。

僕はYouTubeで動画投稿をしていますが、誰かに自分の動画が届いて視聴していただけることに喜びを感じています。


こんな僕でも誰かに必要とされることができている。
これはクリエイター冥利に尽きます。

個人の活動であっても目指す場所は変わりません。
「誰かが求めていることをする」それだけです。

YouTube活動によって、「誰かの要望に応える」それが僕にとって生き甲斐だと気づくことができました。
そのことに気づいてからは「広告のデザイン」だけにこだわることは減りました。

これからも僕の能力を必要してくれる場所で、能力を発揮して期待に応え続けようと思います。
そうすることでのびのび活動でき、成長し続けてそうです。

僕のYoutubeチャンネルです↓


終わりに

広告業界は激務で思い通りにならないことも多いと思います。
その中で思い悩みながら働いている人を何人も見てきました。
その悩みを自力で解消できる人はいいのですが、中には心を病んで働けなくなったり、命を脅かすレベルの大病を患ったりする人もいます。
生きるための仕事は、いつしか命をも脅かします。

そんな生き方をするくらいなら外に向かって行動することで、活路を見出してみてほしいです。
この記事が誰かのヒントになって、みんなのベストな生き方が見つけるきっかけになると幸いです。

睡眠時間は毎日8時間しっかりとって、運動も週3回はしましょう。
それさえできれば健やかに生きていけます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?