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「知らないほうが、幸せに生きられたかもしれない」

タイトルの言葉は

  原 貫太 著『あなたとSDGsをつなぐ「世界を正しく見る」習慣』

の「はじめに」の文頭に書かれているものです。
確かに、読了してみて、そうなかもしれません。遠い国、ほとんど何も知らない国の問題が自分自身に繋がっていることに気づいてしまうからです。それでも、読んで良かった本の一冊となりました。


この本は、以前「ぼくたちの日々の暮らしは豊かだった…」で紹介した本の続きとして読みました。近頃、耳目に触れる機会の多い SDGs(持続可能な開発目標)に少しでも興味があるなら気になる本だと思います。

その SDGs がアフリカとどう関係するのか気になると思うので、目次を列挙してみます:

    第1章 アフリカはなぜ今も経済的自立ができないのか
    第2章 「衣服ロス」から考える大量破棄社会
    第3章 肉食が水不足に繋がる「不都合な真実」
    第4章 世界最悪の紛争とスマートフォン
    第5章 データをもとに「アフリカ」を正しく読み解く
    第6章 なぜ近年、日本で貧困が叫ばれるのか


SDGs の17の目標を知っている人には関係が見えるのかもしれません。
SDGs の17の目標も列挙します:

      1.貧困をなくそう
      2.飢餓をゼロに
      3.すべての人に健康と福祉を
      4.質の高い教育をみんなに
      5.ジェンダー平等を実現しよう
      6.安全な水とトイレを世界中に
      7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
      8.働きがいも経済成長も
      9.農業と技術革新の基盤をつくろう
      10.人や国の不平等をなくそう
      11.住み続けられるまちづくりを
      12.つくる責任 つかう責任
      13.気候変動に具体的な対策を
      14.海の豊かさを守ろう
      15.陸の豊かさを守ろう
      16.平和と公正をすべての人に
      17.パートナーシップで目標を達成しよう


読了ししばらく経った現在、矛盾を抱えている怪しげな目標にしか見えません。日本で見てみると リニア も TSMC も SDGs とのことですが、悪い冗談でしょうか。


本は、はじめに,  おわりに,  謝辞 と読んでから 6,1,3,4,5,2の順で読みました。それぞれに興味深いことが書かれています。著者の原さんが述べられていますが、ご自身のYouTubeチャンネルで反響の大きかったものを選ばれたそうです。
ただ、第4章は刺戟の強い内容が含まれているので、中高校生には読み切れないと思います。(第4章に注意書きされています)


ところでアフリカ (表現として妥当ではありませんが) のことはどれくらいご存じでしょうか。

  小川真吾著『ぼくらのアフリカに戦争がなくならないのはなぜ?』
  ひすいこたろう,  SHOGEN 共著『今日、誰のために生きる?』

に続いて3冊目のアフリカ関係の本でしたが知らないことばかりでした。
SHOGENさんの本はアフリカとは別と見るべきかもしれません。

アフリカを知らない頃には

       「なぜ貧しいのに子供をたくさん産むのか」

と思っていました。驚くことに、この答えが第5章に記されていました。私のために書かれたのかと思ったくらいです。


最後に、「おわりに」で原さんはこう書かれています:

  数多ある問題のうち、最も深刻なものはいったい何なのか。全人類
  が一丸となって取り組まなくてはいけない。真に脅威のある問題は
  何なのか。

  そのような質問をされたとしたら、私はこう答えます。

  「最も深刻な社会問題は、人々の無関心です」

  ・・・・・・(略)

  社会問題というのは、多くの方にとっては難解で、そして退屈なテ
  ーマです。それにもかかわらず、あなたは「おわりに」まで読み進
  めてくださいました。本を書いた筆者としては、この上ない喜びで
  す。

  ・・・・・・(略)

  私も、「私たちの未来」が少しでも良い場所になるよう、そして
  「世界を無視しない大人」であり続けられるよう、これからも伝え
  続けていきます。(引用終)


重い内容の本だと思いますが、少しでも興味をもたれたのなら、どの章でもいいので目を通してみてください。著者である原さんの語り口にはやさしさがあります。事実を淡々と述べていますが、決して人を責めたり、強要したりはしていません。読む前に原貫太さんの動画(※)を視聴してみてもいいかと思います。▢
※動画タイトル【知らないとダマされる】SDGsの不都合な真実を暴露します

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