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放課後デイでの胸キュンエピソード

2022.11/9 音声配信より 
summary fmを利用して。

放課後等デイサービスと言語聴覚士

私は、放課後等デイサービスという障がい児さんの学童保育のような療育の施設に勤務をしています。言語聴覚士の立場で、お子さんのことば・発音の指導や、会話が苦手なお子さんの会話練習などに携わっています。

関わっているのは、ASD(自閉スペクトラム症)のお子さん、ADHD(注意欠陥性多動症)や言語発達遅滞と言われる言葉の遅れのお子さんや、ダウン症のお子さんなどです。
私自身には子どもがいませんが、みなさん本当に可愛くて愛おしい存在です。

ただ、自分がやりたいことは一生懸命やるけれども、新しい課題や新しい遊びに取り組んでいただけるようにするには、いろんな工夫が必要です。
私はお子さんと一緒に手作りのおもちゃを作って、それを使って遊ぶこともあります。
お子さんのリクエストを取り入れながら「1個はさとうさんのお願いを聞いてね。もう1個はあなたのお願いも聞くよ」というような感じで課題を決めたりしています。

音声配信はこちらから、押せば飛べます💁

胸キュンエピソード その1
「おまたせ」

この間、お子さんたちが学校が終わる時間が学年によって様々なんです。
1年生、2年生だったら早く終わって、2時半とか2時ごろに終わるという学校もありますし、小学校の4、5、6年生になってくると6時間授業とか、曜日によってはあるので、そうすると放課後とデイサービスに着くのは4時過ぎということになります。

ある男の子がいまして、毎週私も対応して数年の付き合いなんですよ。
私がその時、フロアに出て他のお子さんと遊んでたんですよね。
そしたら、その子がたまたまいつもよりも10分、15分くらい道路が混んでいたのか、送迎車の都合か、いつもよりちょっと遅かったんですよ、お部屋に入ってくるのが。
そしたら、「さとうさんこんにちは」って、本人が挨拶してくれて、
はいって言って、私が振り返ったら
「なんとか間に合いました、お待たせしました」って言うんです。
「お待たせしました、やっと来れました」
みたいな感じで言ったので、よかったね、お疲れさん、みたいな感じだったんですけど。

まさかそんなこと言うお子さんだと思わなかったので、
なんかちょっとびっくりっていう感じでした。
その「やっと来られました、お待たせしました」っていう言葉の中に、遅刻しちゃってごめんね、みたいな感じのニュアンスもあるし
"あなたにいち早く会いたかったんだ"
"やっと来られた" みたいな
そういう軽く口説かれたような感じもあるし
そういう気持ちがすごく伝わって、本当に胸キュンのエピソードでしたね。

胸キュンエピソード その2
「なでなで」

もう一つの話は、別のお子さんの話です。

とある女の子とトランプの数比べ遊びをやってたんです。トランプを二人でめくって、数が多い方が勝ち。引いたカードの数が多かった方にトランプをあげるっていうゲーム。

どこにどんな数があるかわからないので、
ハンデがないような年齢とか知的機能とかそういうの関係なく、子どもも大人も関係なくできる、ハンデのない遊びとしてそれをやってて。
そして、私がトランプで負けちゃったんですね。

「あーまた泣けちゃったー」ってオーバーリアクションで悔しがっていたら(わざと🤭)

ちょっと遠くにいた男の子が
タタタタッと私のところに来て
「なでなで」って言いながら
優しく私の頭を撫でてくれたんです。
もうキュンとなってしまって♡
「ありがとう」って
もうそれしか言葉が出なかったんですけどね。

そのお子さんは
ずーっと窓の外の走る車やバスを見て
「発車します」「なんとか線発車します、なんとか行き発車します」とか、ずーっと一人ごとを言っていて、基本的に1人遊び。
積極的に他者に関わっていこうという姿勢があまりなく、人に興味がない、というようお子さんだったんですよ。数年前までは。

だけど私が悔しがっているのを見て
「よしよし、なでなで」
「次は勝てるように頑張ろうね」みたいなことも言ってくれた気がします。

私の心境を察して
そういうふうに声をかけてくれたんですよ!
胸キュンですよね♡

なのでねちょっとしたことなんですけど
"お子さんの成長"、"今その瞬間"って
いうだけではなくて
その数年間そのお子さんの成長を見ていて

"こういうことができるようになった"
"こんなふうに、自分の気持ちを伝えられるようになったんだ"
"私のことを心配してくれたんだ"

っていうふうに感じる瞬間が何度もあります。
お子さんってすごいですよね。成長なさっていきますよね。

それが言葉の力✨
そのお子さんの言葉の力で、私もポッと癒されたりキュンとしたりするっていうことがあって。
また頑張ろうっていうふうに思わせてもらっています。私もできることをやっていきたいなというふうに思っています。

今回はお子さんと言葉の仕事の現場からっていう感じで、雑談になりましたけれども非常にやりがいがある仕事です。
ぜひ
言語聴覚士=ことばのしごとを
皆さんに、知っていただければと思います。

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