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未来を見据えた支援がしたい。お菓子残し問題。

2022.12.14 音声配信より
Nottaを活用して文字起こし。

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買ったことあるよね?おもちゃ付きお菓子

今回は何かの提言とかそういうことではなくて、問題提起に近いかな。
いつの世もですね…
例えば、プロ野球チップスやJリーグチップスの
カード欲しさでポテチを捨てちゃうとか。
ビックリマンチョコも、みんなビックリマンシールが欲しくて
ウエハースを捨てちゃうとか。
結構社会問題に昔なったかなと思うんです。


これは、私が放課後等デイサービスに勤務しているときに起きたことなんです。
私が勤めている放課後デイではおやつを自分で選べるんですね。
自分で1日で決められた施設内の仮想通貨で、予算の中で選んで食べることができるんです。「今日はこれだけ食べて、あとは貯金しとこうかな」っていうこともできるので、表に書いて、だんだん貯金貯めていくってこともできるんです。

放課後デイサービスで、この場面。

そのちょっと貯めてた予算で、10円単位じゃなくて100円200円単位のね、ちょっと豪華なおやつを買って食べるみたいなお楽しみもあったりするんですけど、あるお子さんがチョコエッグみたいなのを買ったんですよね。

そのチョコエッグの卵を割っておもちゃを取り出して、楽しそうにしている。
けれども、チョコを食べ残して
そのお皿に乗っかったチョコを私に入って渡してくるんです。

“どうしたの?”って私が聞いたら「はい」としか言わないのね。
“うん。チョコ食べたら?”って言ったら
いや、チョコがあんまり得意じゃないみたいなことを言っていて。

結局おもちゃだけおもちゃが欲しかったんでしょう。
“残したんだよね。食べられないんだったら、買って欲しくなかったな”
って言ったんですけど
さあこのチョコエッグチョコ残し問題。皆さんならどうしますか。

どうしても引っかかるんだよねえ

私は、週に1回しか行かない店舗で起きたことなのですが。
他のスタッフさんだったら「はい、わかった」って言って
そのまま処分しちゃうっていうこともあると思うし
今までそのパターンでお咎めなしだった経験が
あるんだろうな、っていうのがわかったんですよね。

ある程度、ことばが話せる子なんだけれども
「捨ててください」とか、そういうことも言わずに
「はい」って、お皿を渡してきただけだったので
それもどうかなってと思ったし。

わたしは、どういう対応したらよかったですか?っていうのを
常勤のスタッフさんに問いかけたんですけど「うーん」と言うだけで
これという答えが返ってこないの。
「検討して教えてくださいますか。
もし、次回以降こういうことが起こった場合にどうしたらいいですか」って
立ち去ってきたんですけどね。

言語聴覚士が思う「お菓子残し」のカラクリ

脳みそマニアであるわたくし、言語聴覚士の立場からすると
この【目先の誘惑にやられる】っていう、このチョコエッグのチョコ残し。
これは何で起きるのかな?っていうのを考えてみます。

まずは目先の誘惑に、捉われやすいっていうことですよね。
目の前に楽しそうなことがあったらそこに飛びつきやすい。
それはお子さんだったら当たり前だなと思うんですけど
これは、やはり前頭葉が未熟だからなんだなって思うんです。

というのも、その子はチョコがあんまり好きじゃないって言ってたんですよね。
例えばおうちで、「俺チョコいらないよ」って言ったら
親御さんが、しょうがないわねって周りのチョコを食べてくれるかもしれない。
別に家庭でそれをやる分には、しょうがないのかなとは思うのですが
放課後デイの店舗でそれをやった場合には
代わりに食べてくれる人は、いないわけです。

そして、そこから先の場面を
お子さんは見越すことが難しいんだろうなと思われます。
その場その場の楽しみを優先してしまい、その先のことを考えられない。
これは「計画性」とか、もっと専門用語で言うと、「遂行機能」といわれるもの。
【ちょっと先の見通しを立てて行動する。】
それが難しかったんだろうなというふうに、私は分析しました。

じゃ、どうしたら良かったんだろう。

例えば…
チョコエッグの、おもちゃが欲しいなと思った。
だけど俺はチョコがあんまり好きじゃないから、きっとチョコ残しちゃうな。
捨てちゃえばいっか。ていうふうに思ったかもしれない。
そこまで思えたら偉いんだけど。
そしたら「捨ててください」とか、「代わりに食べていいよ」って
言ってくれたと思うんだけど、多分そうじゃないんですよね。

そこまでの段階を踏んで考えられてはいなくて…
ただ、おもちゃが欲しい。
自分の仮想通貨の貯金表を見た。お金がありそうだ。
買う!
で終わりなんだと思うんです。

言われるがままにスタッフがお菓子を渡しちゃったっていうのが
もしかしたら改善の余地ありかなと思ったんですね。
というのは、おまけ付きお菓子のお菓子残し。今日が初めてではないんです。
業務日誌を必ず私は確認してるんですけど、過去にもそういうことあったし
多分日誌に書いていないときでも
そういうことはあったんだろうなと推測するんですよね。

なので、このお子さんがチョコが苦手だっていうのは、
お子さんと長く接している、正社員のスタッフさんは
わかるんじゃないかと思うんですよね。
普段チョコのお菓子をあまり食べない彼が、チョコエッグを買おうとした。
そうすると、おもちゃが欲しいから頼んでんだなっていうのはわかりますよね。
っていうときに…

“今の残高だったら買えるね。これが欲しいのは分かるよ。
最後までチョコレート🍫このお菓子の部分、1人で食べられる?”
“おうちだったら、お父さんやお母さんが食べてくれるかもしんないけど
ここだと、代わりに食べてくれる人いないよ。どうする?”
“チョコの部分を食べられるっていうんだったら、どうぞ買ってください。
自分ひとりで食べられないかなって思ったら
お父さんお母さんに買ってもらったら?ここでは別の食べられるお菓子にしない?”

っていうふうにその選択肢を与えるっていうことは
ひとつアリなのかなっていう気はしました。

お子さんは「おもちゃが欲しい!」って思って
その後どんな結末が待っているか…
自分はそのチョコが食べられないからきっと残しちゃうだろうな。っていう
その先のその見通しが立てられないまま
その目先の楽しいことに飛びついているという状況だと私は感じました。
だとしたら、こういうふうになる可能性があるよ
それができるんだったらどうぞお渡ししますが
もし難しいかなっていう場合には、おうちで買ってもらってください。
ここでは食べられるお菓子を買ってください。
おもちゃだけが欲しいなお菓子食べ物は残すよって
それはこの場所ではやめてほしいかな!っていうことを
ちゃんと伝えるべきでしたよね。

私なりに、このように考えたのですが、皆さんどうでしょうか?

未来を見据えて今なにを育てるか。

やはりね、好き勝手させてあげなさいよっていうこともあるとは思うんですけど、
この短絡的といいますか、今このときが楽しければいいって
それでいいのでしょうか?

そのお子さんは小学校、まだ高学年にはならないんですけれども
だんだんね、物事をひとつひとつ考えて行動するっていうことが
少し上手になってきて欲しいかなっていうお子さんではあったので、
そういった日々の取り組みの中で

【自分で判断して行動する】

そこを繰り返していくっていうのは、日常というか
預かり型の放課後等デイサービスでできる、
大切な療育的な関わりのひとつなんじゃないかなと思います。

それらしい教材を出してお勉強チックなことをやる。それが療育ではなくて
お子さん同士で遊んでるときに「それ貸して」「いいよ」とか
順番に使おうね!っていうような
言葉を使って自分の気持ちを伝える体験を
日常的にできるっていうことは、大事なことだと思う。

その1個1個、自分で判断して動く、この【判断する】ていう部分を
奪ってる支援者って多いんですよ。
自分で考えて動くっていうことは、経験を繰り返し積まないと
自然に身につけることは難しいことだなって
様々なお子さんの経過を見ていて思っています。

さあこのチョコエッグチョコ残し問題
プロ野球チップスチップス残し問題
ビックリマンチョコウエハース残し問題、とでも言いましょうか?
皆様はどのようにお考えになりますか?

お子さんお持ちのママさん。
教員免許を持ってらっしゃる方とか。発達支援を行っていらっしゃる方
保育関係の仕事を目指してらっしゃる方、どのようにお考えになりますか。

もしよろしければコメントなどでお聞かせいただければと思います。
私にしては珍しく、この問題提起の会でございました。

私の中でもまだこれは答えは出ていないですし、
周りの方がどう感じるかっていうのをちょっと聞いてみたいかなと思います。
ということで、皆さんのお力をお借りしたく、今日はここまでにしたいと思います。

また次回お会いしましょう。ありがとうございました。

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