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風景からはじまるうた

言葉がやんわりと浮かんでくる瞬間というのは、私にとっては風景に触れて、何かが響いたときが多い。

心の琴線とは、とても素敵な言葉だと思う。音楽を奏でるかのように、繊細な弦が共振する、震える様子が目に浮かぶようで美しい。

ぽろんぽろんと鳴るような。和音を奏でられるほどできた琴ではないと思うけれど、私の中にもそのようなものが一応は備わっているのでしょうか。拙いなあと思いながら、内側の音に導かれて言葉を紡ぐ日々。

日常の中の一瞬を切り取るように、日常を非日常にする言葉がとても好きです。記憶の中や、目に映る風景がふわりと燻るようなファンタジーも。

小説は書けないけれど、詩という限られた言葉の中にどれだけ景色を乗せられるか。それが読んでくれた方の、それぞれの景色と感情と繋がってくれたら、何か。私にも何か、思いのようなものを伝えられるのではないか。

そんな淡い願いを込めて、世界を見ていられたら本望だなと思います。

音と、言葉は繋がっている。
共に響きあうことができる。

知人であり、大好きなある詩人さんの忘れられない言葉があります。

「声は、一番遠くに届かせることができる身体の一部だと思ってるんだ」

朗読もする彼女はそう伝えてくれました。
そんな彼女との出会いも、言葉をより近くに感じたきっかけでもあります。

心の音と、声という身体と、空間に存在し、空気を動かす身体と。そこにどんな可能性があるのか、今は言葉の面からも、ゆるりゆるりと探っている旅の途中です。

Photo by EyUMika

#エッセイ #のようなもの

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