闇の中で

いつからだろう。
夜が過ぎるのを待つようになったのは。

函館の街の色は光る宝石のように美しいけれど、
白黒の漆黒の闇と光のコントラストも美しい。

人は光ばかりを追い求め
光に惹かれて集まるけれど。

この世の中には漆黒の暗闇に
一人佇む誰かがいて、
その人は毎晩一人涙し、
この夜が過ぎるのを待っている。

夜が明け、明るさが戻った街の中に
一人佇むその人はどんな日々を送るのだろうか。

日が暮れて、また夜の闇に包まれた時、
人が集まる光の中にある闇の中で
一人佇むその人に、そっとコトバを
届けたい。

悲しみは愛しみでもあることを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?