芸は身を助ける
30代中盤からはじめたギター。
今、44歳なので10年前くらいになるのか。
まったく触ってない時期もあったし、1日にギターを触る時間は大抵15分ぐらい。
東京西武新宿線野方芸人時代、同期の芸人と4人でルームシェアしていたときのひとりが、ギターができる奴で。
いまだに、東京・熊本・石川で芸人・タレント活動をしている同期で。家族以上に家族みたいな存在で。
当時ぼくは、野狐禅(やこぜん)というアーティストにどハマりしていて、今、竹原ピストルですが。
「ああ、あの人みたいにギター弾いてみてぇ」
そんな衝動にかられ、1万円のギターセットを買ったのがキッカケ。
ルームシェアしてたリビングで、焼酎を飲みながら夜な夜なヘタクソなシンガーソングをしていました。
ただ、好きな歌を酒を飲みながら好きなように歌う。それだけで満足していたんです。対してうまくなることもなく。でもそれでよくて。
時は過ぎ。
介護の仲間を自宅に呼んで、あの頃と同じようにヘタクソなギターを弾いてみた。恥ずかしいけど「ちょっと弾いてよ」って言われたから。
「レクでやってみたら?」
悪魔のひと言に聞こえたが、どうせ聞いてくれないだろうし、耳遠くて聞こえない人もいるし、覚えてないだろうから、まぁ、やってみるか。
30人の前で、ぶっつけ本番でやったのが人前ではじめて弾くギターでした。
「川の流れのように」を弾きました。
芸人時代。スベることには慣れていたのに、手は震え、足は宙に浮き、歌詞はトビ、声はかすれる。
矢沢永吉、言ってました。
一度目、散々な目にあう。
二度目、オトシマエをつける。
三度目、余裕。
だったと思う。
いまでは、介護現場においては人前で弾くことに緊張しなくなったし、なんちゃって音楽療法みたいに楽しめるようになりました。
芸は身を助けるとは、よう言うたもんだ。
介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。