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本当はピストルを弾きたい

1弦は切れていて、
弦は錆びていて、
チューニングも合っていない。(弦、張り替えろや!)

この音色じゃぁ、
「瀬戸の花嫁」は、島を捨てて出ていきました。ありゃま。

Bmがきちんと押さえられていないしテンポも不安定。
一応毎日弾いてはいるけれど。もっと練習しよ。

それでも、利用者さんの前で弾き語りしているのだから。そして「上手ね」と言われるものだから、ついつい調子に乗ってやってしまう。

下手くそだろうが関係ない。とりあえず思い切ってやってみて、恥を掻いてから考えよう。そう思えるようになったのはつい最近の話。
お笑いをやっていた時にそう思っていたのなら、きっともうちょい売れてたな。スベるのが嫌過ぎてチャレンジしなかったから。人も芸人も介護職も失敗からしか学べない。

ギターは35歳過ぎてから始めたので、未だに簡単なコードしか弾けないし、もともとぼくは好きなアーティストのギターを真似したくて始めたわけで、まさか介護施設でギターを弾くなんて思ってもみなかった。

「倉庫にギターあるよ。弾いてみたら?」職場の人の何気ない一言。

「ここでやらなかったら、一生やらないかもな」と、思い切って30人の利用者さんの前で弾き語りしたことでデビューした。それまでは自室で酒のアテに弾いてたくらい。

「川の流れのように」を練習して、間違えてもやり切った。

めっちゃ緊張したし、久々に足がフワッとした。
スタッフ数人でレクリエーションや体操をやる機会があっても、全くひとりで何かやるって、それもぶっつけ本番で。

でも、一回やってしまえばこっちのもんで。

楽しかったことも反省点もいろいろ見えてきて。

今じゃ、利用者さんと一緒になって歌っている。

芸は身を助ける。
高齢者の前で「よーそこのわけーの」と歌ったらシュールすぎるしなぁ。

人生なにがあるかわかりませんね。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。