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毎日が風船バレー

デイサービスの特徴といえば、レクリエーションがあることではないかな。
3時のおやつの前か後に、利用者さん皆でゲームやら体操をする時間。

これがなかなか、利用さん各々の身体状況の違いを考慮して考えなくてはいけない。

車椅子の方。杖の方。麻痺の方。耳の聞こえない方。目の見えない方。「わー!」って声でてしまう方。認知症の方。

さてクイズです。
皆が参加できて満足できる催しはなんでしょう?

これはどんなクイズよりも難しい。東大出身ママタレでもカズレーザーでも、正解は出せないだろう。

この、レクが苦手な介護職員は結構いる。レクがしたくないという理由で、デイサービスでは働きたくないっていう方もいるくらいだ。

高齢者の前とはいえ、人前に出て進行やらなんやらをしなければならない。盛り上げるために、時には自分を捨ててお調子者を演じなくてはいけない時がある。
そして盛り上がってくれればいいが、高齢者はめんどくさがりの人も多いため、参加してもらうのにひと苦労する。冷ややかな目を向けられることもあるので、その視線に耐えられず、レクをしたくない病にかかってしまう。

ぼくはというと、芸人時代に気絶しそうなくらいスベった経験があるので、そう簡単に心は折れない。
笑わそうと思って舞台に上がって、クスリともないあの地獄。忘れもしない。

いやはや、レクは何のためにやるのか。

娯楽的要素の強い内容で活気をつくり、身体機能の維持や向上のためにレクリエーションはある。

今日は「風船バレー」をやった。
レクリエーションの教科書があれば、1ページ目に乗っている内容かもしれない。

これがですね、意外に盛り上がったりする。

「風船は当たっても痛くない」という大義名分のもと「おいおい!肩外れるで」と言わんばかりに、高齢者が高齢者の顔面を目掛けてアタックをする。
そして負けじとやりかえす。座っている椅子からお尻を浮かせて風船をレシーブしに行く。

なんだろ、沈んでいた闘争心を引っ張りだすような、命の煌めきを拾い上げるような。

そして明日も別の職員が「風船バレー」をする。

レクリエーション考えねば。
毎日がフルーツバスケット、
いや、毎日が風船バレー。

介護は大変。介護職はキツイ。そんなネガティブなイメージを覆したいと思っています。介護職は人間的成長ができるクリエイティブで素晴らしい仕事です。家族介護者の方も支援していけるように、この活動を応援してください!よろしくお願いいたします。