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なんて言っていいのかわからないから、いまはもう何も言えへん。

「もういい、わかったから何度も言うな。俺に喋りかけるな」って、50代の女性介護職員が利用者さんからキレられている。

昼食時、食事の進みが遅く手付かずのおかずがあり「食べないんですか?頑張って食べてくださいね」と何度も声をかけたから。
昼食の時間は12時から13時までの1時間。現在時計の針は40分を指している。まだまだ時間はあるし、時間内の全量食べられなくても、その人なりの事情があるので、まずはその理由に耳を傾けてからでも話は遅くない。そういったことをすっ飛ばして食事の催促を40分間で5回もすれば誰だって怒る。これはもうケアではなくお節介。お節介とは、他人の事情を無視して、自分の主張や意見を押し通そうとすること。
たとえば人生初めてのバンジージャンプ。ハーネスをつけてジャンプ台の際に立つ。確かに自らジャンプを志願したのだが、いざジャンプ直前になると掛け声通りに飛ぼうと思っても飛べない。「恐怖に打ち勝って自信がつく」なんてもっともらしい謳い文句に騙されてしまったとは、後戻りできないこの地点では言葉とともに体ごと谷底へ吸い込まれていくだろう。「3,2,1バンジー!」じゃねーよ!背中をちょんちょん押してくるんじゃねぇ。ちょんてすなよ。先輩じゃねーがこちとら客だぞ。お節介にも程がある。
こんなことではないだろうか。お節介とは。

その職員は、キレられてもなにも動ずることなく颯爽とべつの方のところへ。後ろ姿を追っていると、行った先でも「わかったから。もういい」と言われている。なんやろ、もうこれは性癖?わざとやってんの?って。

「その人はそーゆー人だからしょうがない」

では、もちろんいけない。だって利用者さんは「不快」を感じているから。

「もう少しこうして、あーして、こうしたらね、いいと思いますよ」って言いたいのはグッと堪えて。

つくづく、人を変えることって難しいと思った。いや、人を変えようなんて思うこと自体が傲りで傲慢なのだと思い知る。

ここはともかく反面教師にして、ぼくが利用者さんに怒られないようにするだけ。解決策はもう少し時間をかけて考えよう。

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