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第1回の読書会をしました。

当読書会のコンセプト

 お久しぶりです。言繰錬です。

 先日noteで告知した読書会を開催致しました。メンバーを集めたところ、物書きの人が集まってきたのでこの読書会の軸となる観点として、一創作者として作品をどう見るか?というのを設定しました。

 単純にここが面白かった、ここは気に入らなかったという話に留まらず、文体や構成、人称や登場人物の描写の仕方に目を向けてみるというコンセプトになります。

 それに伴い、本会の名称を『青行燈』としました。怪談の百物語をした時、百話目の話を始めた時、もしくは終えた時に出てくる妖怪だそうです。100回まで出来ればいいのですが…。

 課題図書は文芸作品全般、ジャンルは問わないという形にしています。基本的にはフィクション作品を扱うつもりです。

青行燈第一夜

 さて、雰囲気の都合で第1回ではなく第一夜と銘打ってみました読書会、先日、12月13日に開催させて頂きました。興味を持ってくれる人はそれなりに集まってdiscordのサーバーには人がいるものの、都合の合わないメンバーが多く、当日は私とあと1人だけでの開催でした。次回以降は増えてくれる事を期待します。

 今回の課題図書は私の尊敬する小野不由美先生の著書、『黒祠の島』でした。ミステリー作品ですが非常にしっかりと構成されていて、正直つけ入る隙はあまりありませんでした。それでも事前に資料を用意していた甲斐もあり、会での話題としては困る事もなく話せたので良かったです。

話し合ったことと発見

 今回話し合ったことの中で幾つか発見する事がありました。全てを書くことは出来ませんが、そのうち1つを記録したいと思います。

 私が小野不由美作品全体に持っていた印象でもあり疑問であった文体の問題について話しました。断定系や「〜た。」で終わる文が多い硬い文体、そして内容としては写実的に細かく説明する部分がしばしば見られる文章です。
 それでいてくどい文章だという印象にならないのは不思議に思っていたのですが、以下のような理由があるのではないかという話になりました。

・聴覚や触覚などで感じられる有機的な情報の描写が多い。
・登場人物の目線に沿った描写で、説明だけのようで登場人物の動きが見えてくる描写になっている。

 恐らく、こうした工夫なしに説明的な細かい文章を書くと「くどい」と感じるのでしょう。逆に言えば我々が自分の説明的な文章をくどいと感じる時はこれを意識すれば改善されるのではないでしょうか。

資料

 今回の資料は私、言繰のもの1つでした。本会では参加者の任意で資料を作成してきてもらえれば、その内容に沿って進行することにしています。何人が作って来てもいいものですが、今回はこの1つで充分話せました。実はこれでも作成途中に力尽きて書きたかったことの全てが書けたわけではないものですが、参考までに添付しておきます。※小野不由美著『黒祠の島』のネタバレを含みます。

参加者と感想

今回の参加者は2名
・言繰錬
・冬空曇
でした(敬称略)。

冬空曇さん感想
『黒祠の島』を筆頭に小野不由美の文章は読みやすかった。その理由を話しあった。言操錬さんが引用している文章から私は、視点が式部に固定されていること。彼の見る世界の描写に僅かな温度が感じられた。

参加について

 当読書会のメンバーを募集しています。参加希望の方は私のTwitter( @Kotoguri_Ren )のDMにてご連絡ください。創作者(物書きに限らない)であれば大丈夫です。

 日程は毎月どこかの日曜日14時~4時間程度を想定しています。なるべく1ヶ月前には課題図書と日程を確定させて告知する予定です。
開催はオンラインdiscordアプリを使用します。

 よろしくお願いいたします。

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