皆さんこんにちは✨

本日も読書記録です📚

蜜蜂と遠雷 https://amzn.asia/d/geOk7fB

①『蜜蜂と遠雷』のあらすじ

少々ネタバレになってしまいますが、私の方から少し簡単なあらすじを説明します。

この物語は、世界最高峰のピアノコンクールに向けて成長していく4人のピアニストたちの物語です。

1人目のピアニストは、

栄伝亜夜（えいでんあや）

20歳の少女で、かつて天才ピアニストとして活躍していましたが、母親の突然の死をきっかけにピアノが弾けなくなり、音楽界から離れてしまいますが、芳ヶ江国際ピアノコンクールをきっかけに復活を目指そうとします。

2人目のピアニストは、

高島明石（たかしまあかし）

若手の出場者が多い中、28歳という年齢で芳ヶ江国際ピアノコンクールに挑戦します。
音楽大学を卒業しましたが、演奏家になることはなく楽器店に勤務するサラリーマン。そして妻子持ちです。力試しという形、そしてこれが最後だという気持ちでコンクールに挑みます。

3人目のピアニストは、

マサル・カルロス・レヴィ・アナトール

音楽学校の名門、ジュリアード音楽院に在学しており、アイドルのようなルックスから「ジュリアードの王子様」と呼ばれるほど、人気者なピアニストです。ピアノの才能も多くの人から認められています。日系三世のペルー人の母とフランス人血筋の父の元に生まれたマサルは、幼少期に日本に一時在住しており、そこで栄伝亜夜と同じピアノ教室に通っており、栄伝亜夜と幼なじみの関係です。

そして4人目のピアニストは、

風間塵（かざまじん）

16歳と非常に若く、芳ヶ江国際ピアノコンクールが初のコンクール出場。演奏歴やコンクール歴もなく驚くことに家にもピアノがないという風間塵。しかし、ピアノ界の大巨匠、故 ユウジ・フォン=ホフマンに師事という経歴に加え、ホフマン氏が亡くなる前の計らいで、パリ国立高等音楽院の特別聴講生となっています。独特な奏法、異例なステージマナーにより始めは審査員達の評判は良くないが徐々に人々の心を掴んでいきます。また、父親が養蜂家のため、「蜜蜂王子」というあだ名が付けられています。

この4人のピアニスト、1人1人に密着したまるでドキュメンタリー番組を見ているような物語でした。

亜夜は、再度舞台に立つことの恐怖と戦う場面

明石は、年齢や環境に対する不安と戦う場面

マサルは、新しいクラシックを成し遂げたいという希望を叶えるために戦う場面

風間塵は、ピアノを買ってもらうために頑張る（？！）

というそれぞれの思いが色濃く書かれています。

②読んだ感想

先程も述べた通り、これはかなり臨場感が感じられる作品で、特に小説に感情移入してしまう私にとってはめくるページが止まらずドキドキしながら読み進めていました、、🥲

私もピアニストかつ音大生という立場なので舞台に立った際のあの空気や雰囲気など、作者の

恩田陸さんはピアニストなのかー？！😬

って思ってしまうくらいかなりリアルに書かれていました。。

そして同情する部分も多くありました。特に高島明石さん。28歳という年齢、妻子持ちにサラリーマン。決して良いとは言えない環境でピアノを表現しようとする部分はとても胸が熱くなりました🔥

明石の音楽に対する思いを読んでいると、

環境を言い訳にせずひたすら頑張ること

というメッセージを受けたように感じました。

また、マサルと亜夜の音楽に対する思いも私は参考になることばかりでした。普段、私もコンクールに出る時は（みんな当たり前ですが）ピリピリしたり、切羽詰まってしまいます。

しかし、この2人は純粋に他の出場者の演奏を聞いたり、感想を言うシーンがあり、

私もこれくらい余裕をもってコンクールに挑めたらと思ってしまいましたが、

ああ、本当に音楽が好きなんだな〜

と、しみじみ感じてしまいました😌

そしてなんと言っても風間塵。謎の少年として取り上げられていますが、私は結構風間塵に対して親近感が湧きました。純粋に音楽を楽しんでいる様子や、感じ方がとても繊細で特殊な感じ。そしてピアノを前にすると野性的な演奏。
（友人に風間塵みたいだねと言われたことがあり、少し嬉しく思いました😁）

そんな風間塵が作中述べた言葉がとても印象的でした。それは、

『今の世界は、いろんな音に溢れているけど、音楽は箱の中に閉じ込められている。だから、閉じ込められた音楽を元いた場所に返そうって話してたの。』

という言葉。この考え方、が率直に心に刺さりました。

私たちピアニストにはこのような使命があるような気がして、この言葉を読んだ後にピアノの練習する気持ちが変わりました。

③作中に登場する曲

第1次予選
編集
指定曲から3曲、20分以内。

ジェニファ・チャン
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ 第21番「ワルトシュタイン」ハ長調」第1楽章
ショパン「ポロネーズ第6番 英雄 変イ長調」
高島明石
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2番 前奏曲、フーガ ハ短調」
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調」
ショパン「バラード 第2番 ヘ長調」
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第6番前奏曲、フーガ ニ短調」
モーツァルト「ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調」K.333 第1楽章
リスト「メフィスト・ワルツ 第1番 村の居酒屋での踊り」
風間塵
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第1番 前奏曲、フーガ ハ長調」
モーツァルト「ピアノ・ソナタ 第12番 ヘ長調」K.332 第1楽章
バラキレフ「東洋風幻想曲イスラメイ」（第1稿）
栄伝亜夜
J.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第5番 前奏曲、フーガ ニ長調」
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ 第26番 告別 変ホ長調」第1楽章
リスト「メフィスト・ワルツ 第1番 村の居酒屋での踊り」
第2次予選
編集
指定曲から3曲以上と、コンクール用作曲架空課題曲「春と修羅」（自作するカデンツァ部分もある）[注 1]、40分以内。

高島明石
ショパン「練習曲 第5番 黒鍵 変ト長調」
リスト「パガニーニによる大練習曲集 第6番 主題と変奏 イ短調」
シューマン「アラベスク ハ長調」
ストラヴィンスキー「ペトルーシュカからの3楽章」
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
ラフマニノフ「エチュード 音の絵 第6番」Op.39-6
ドビュッシー「12の練習曲 第5番 オクターヴのために」
ブラームス「パガニーニの主題による変奏曲」Op.35
風間塵
ドビュッシー「12の練習曲 第1番 5本の指のために（チェルニー氏による）」
バルトーク「ミクロコスモス」Sz. 107 第6巻より「ブルガリアのリズムによる6つの舞曲」
リスト「2つの伝説」より第1曲「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」
ショパン「スケルツォ 第3番 嬰ハ短調」
栄伝亜夜
ラフマニノフ「エチュード 音の絵 第5番」Op.39-5
リスト「超絶技巧練習曲 第5番 鬼火 変ロ長調」
ラヴェル「ソナチネ 嬰ヘ短調」
メンデルスゾーン「厳格な変奏曲」Op.54
第3次予選
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1次・2次予選で演奏した曲以外の任意の曲で自由に構成、60分以内[注 2]。

アレクセイ・ザカーエフ
ムソルグスキー 「組曲 展覧会の絵」
韓国人出場者
ラヴェル「ラ・ヴァルス ニ長調」（ピアノソロ）
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
バルトーク 「ピアノ・ソナタ」Sz.80
シベリウス「5つのロマンティックな小品」op.101
リスト「ピアノ・ソナタ ロ短調」
ショパン「ワルツ 第14番 ホ短調」
風間塵
サティ「あなたが欲しい（ジュ・トゥ・ヴー）」
メンデルスゾーン「無言歌集」第5巻 より「春の歌 イ長調」
ブラームス「8つのピアノ小品」より 第2番「奇想曲 ロ短調」
ドビュッシー「版画」より 「塔」、「グラナダの夕べ」、「雨の庭」
ラヴェル「鏡」より 「蛾」、「悲しい鳥たち」、「海原の小舟」、「道化師の朝の歌」、「鐘の谷」
ショパン「即興曲 第3番 変ト長調」
サン・サーンス、風間塵編曲「アフリカ幻想曲」Op89
栄伝亜夜
ショパン「バラード 第1番 ト短調」
シューマン「ノヴェレッテ 第2番」
ブラームス「ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調」
ドビュッシー「喜びの島 イ長調」
本選
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指定のピアノ協奏曲からオーケストラと演奏。

キム・スジョン（韓国）
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調」
フレデリック・ドゥミ（フランス）
ショパン「ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調」
マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
プロコフィエフ、「ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調」[注 3]
チョ・ハンサン（韓国）
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調」
風間塵
バルトーク「ピアノ協奏曲第3番 ホ長調」
栄伝亜夜
プロコフィエフ「ピアノ協奏曲 第2番 ト短調」

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