Bリーグ2023-24シーズン第12節大阪エヴェッサ対秋田ノーザンハピネッツの個人的な試合展望
水曜日には天皇杯、そして年末に向けて高校生年代のウィンターカップや年明けのオールスターなどバスケットボールの話題には事欠かない
それくらい日常にバスケットボールが溶け込んできている部分もあるかもしれません
この波や熱をより高めていくためには、レギュラーシーズンの1試合1試合がタフで見応えのある一戦であることが必要です
年末まで試合が続く両チーム。今月の成績はやや対照的になっている
大阪はホームで秋田を4季ぶりに迎えて戦います
現在9連敗。良い時間帯もあるが、勝ち切れない。カロイアロの離脱の影響はもちろん小さくないが、それでも全員で勝ち切る強い気持ちで臨みたい一戦
一方の秋田はシーズン序盤に外国籍選手の再編成を決断。その結果が功を奏して12月負けなしの5連勝と波に乗る
秋田らしいハードな守備と切り替えの早さ。新加入選手の溶け込みもあり、秋田は上昇気流に乘っている
年末までこの勢いを維持できるかどうか?アウェーの地で躍動を見せ続けるか注目したい一戦です
西地区は熾烈な争いが続く。だからこそホームで連敗を止めて上昇気流のきっかけを掴みたいホーム大阪。冷え込む週末に熱い試合を期待したい
解説:内海慎吾さん
実況:能政夕介
※加執・修正の可能性もあります
両チームの今季と前節について(12/15時点)11節終了時点
大阪エヴェッサ【平均78.1得点(リーグ12位)平均79.5失点(リーグ14位)】9勝10敗で西地区7位(現在9連敗中)
開幕7連勝と過去最高のスタートダッシュを切った大阪エヴェッサ
しかしながら、11月4日の琉球戦での勝利以降苦しい9連敗中
この連敗中は司令塔の鈴木、そしてカロイアロが欠場の試合もありました
※鈴木は佐賀戦から復帰。カロイアロについてはリリースも
左足の足底筋膜炎で治療・リハビリ中のカロイアロ
月内での復帰を目指して取り組んでいるだけに、どのタイミングで戻ってくるかも大阪にとっては大事な部分となる
前節は渋谷と対戦しGAME1は56-79、GAME2は65-77だった
GAME1は立ち上がりから苦しい時間が続いたが、翌日は修正しスタートからハードにプレーした
だが、その時間も長く続かず終盤に流れを掴む事が難しい試合になった
カロイアロ欠場後、大阪の得点力は大きく減少(直近5試合の平均得点は63.6得点)カロイアロは今季平均19.1得点を記録。代わりに起用されているハマーが今季平均6.7得点という事で計算すると、その平均差分約12.4得点がそのまま反映されてしまっている
ロングへの負担も大きくなっている中で、ロング自身は奮闘。ステップアップを期待したい日本人選手に加えて、チームとして方向性をぶれずにやり続けるのであればハマーや竹内にかかるプレッシャーもあるかもしれない
ただ、今季は橋本、直近の飯尾など3Pの成功率は33.8%でリーグ8位
FTの試投数も1試合平均で19.6回とリーグ3位の数値だが、この成功数を伸ばしたい(現状66.2%でリーグ最下位)
あとはリバウンドへの意識をより高めていきたい。ロングは平均11.4回でリーグ3位の素晴らしい数値だが、チームとしては36.8回でリーグ18位
今回対する秋田はリバウンドを日本人選手も積極的に狙ってくる
その競り合いに負けず、少しでも自分たちのポゼッションをつくり、まずは本来の得点力、そのリズムをつくっていきたい
渋谷戦のGAME2で見せた序盤の入り、その修正力を秋田戦では長い時間より集中力を持って継続していきたい
秋田ノーザンハピネッツ【平均71.3得点(リーグ24位)平均76.4失点(リーグ8位)】8勝11敗で東地区6位(現在5連勝中)
強い秋田が戻ってきた。タフなディフェンス、攻守の切り替え
チーム全員でタフに勝利向かうプレーで12月は負けなしの5連勝を飾っている
開幕戦は勝利を飾るもそこから波に乗り切れなかった
11月12日、バイウィーク前のラストゲームを終えて3勝11敗と大きく負け越してしまっていた
その秋田は外国籍選手の再編成を敢行
ライスナー、ハビエル・カーターがバイウィークが空けた12月の信州戦からプレー
連勝中5試合の平均得点は79.4得点。積極的なアウトサイドシュートは今季シーズン通じてでははるが、1番の変化はリバウンドかもしれない
この5試合の平均リバウンド数は46.8回
前節の横浜戦GAME1が53回と突出していたが、その他の試合は45回平均と高い水準を誇っている
だからこそ積極的にシュートを打ち、自分たちの流れをつくることができている
元々ハードワークできるプレイヤーが揃っている中で、そのリズムを引き続き継続できればチームとしても大きい
前節の横浜戦は2試合とも接戦だった
特にGAME2は際の部分で諦めずにプレーした結果得たFTを中山が冷静に決めて勝利を飾った
泥臭さ、粘り強さ、それらが勝利に結びついている
完成度を高めながら、より秋田は高みを目指していきたい
両チームのメンバー編成
大阪エヴェッサ
HC:マティアス・フィッシャーHC(2年目)
■選手(継続)
橋本拓哉
竹内譲次
合田怜
飯尾文哉(過去特別指定選手でプレー今季からプロとしてプレー)
木下誠
鈴木達也
■新加入(IN)
ショーン・ロング(北海道から加入)
西川貴之(佐賀から加入)
アンジェロ・カロイアロ(トルコのクラブから加入)
イアン・ハマー(ギリシャのクラブから加入)
土屋アリスター時生(三遠から加入)
多嶋朝飛(茨城から加入)
■他チームへ移籍
エリエット・ドンリー(信州へ移籍)
星野零志(岩手へ移籍)
ショーン・オマラ(FE名古屋へ移籍)
アイラ・ブラウン(千葉Jへ移籍)
ディージェイ・ニュービル(宇都宮へ移籍)
カイル・ハント(新潟へ移籍)
アジア特別枠を有する事なく、今季戦っている大阪。スタートは絶好調で連勝を飾ったが、負傷者が出てからチームシナジーを生み出せない部分もあり現在苦しい9連敗中
バイウィーク前の鈴木、そして現在も療養中のカロイアロとその影響は大きかった。それでも、カロイアロの復帰は2023年の年内を想定しており、チームとしてこの状況を全員で戦い打開したい
先週水曜日の琉球戦は非常にタフな接戦を見せ、前節もGAME2の入りは非常に良いものを見せた。勢いに乗る秋田との一戦はまさにチーム一丸で戦いきりたい
■秋田ノーザンハピネッツ
HC:前田顕蔵(5季目)2016シーズンからACとして秋田に加入。大阪出身
■継続
スティーブ・ザック(2季目)
王偉嘉(4季目)
田口成浩(通算10季目)
中山拓哉(8季目)秋田一筋
小栗瑛哉(2季目)
長谷川暢(6季目)
保岡龍斗(8季目)秋田一筋
古川孝敏(5季目)
■新加入
熊谷航(信州から加入)
赤穂雷太(横浜BCから加入)
藤永佳昭(A東京から加入)
ジェフリー・クロケット(フィンランドのクラブから加入)
→契約解除
ロバート・ベイカー(プエルトリコのクラブから加入)
→契約解除
ジェロウム・ティルマン→契約解除
タナーライスナー(スペインのクラブから加入
ハビエル・カーター(3季ぶりに復帰)昨季山形でプレー
■他チームへ移籍
川嶋勇人(FE名古屋へ移籍)
多田武史(福島へ移籍)
伊藤駿(富山へ移籍)
大浦颯太(三遠へ移籍)
スタントン・キッド(信州へ移籍)
ケレム・カンター
秋田はバイウィーク中に外国籍選手を再編成。12月から加入しているライスナー、ハビエル・カーター選手の活躍もあり12月は負けなしの5連勝と復調
先日入団会見も行い、年末に向けてまずは勝率5割復帰を目指す
今季加入の熊谷、赤穂は存在感を見せており、チーム内の競争力もある。秋田在籍が長い選手も多いが、今季のメンバー編成でよりチームとして上に登っていくのか注目したい
過去の対戦成績(大阪6勝 秋田6勝)Bリーグレギュラーシーズンのみ
2016-17シーズン(大阪2勝)
大阪 71-67 秋田 2017.01.21
大阪 78-71 秋田 2017.01.22
2017-18シーズン(対戦なし)
2018-19シーズン(大阪1勝 秋田1勝)
秋田 70-55 大阪 2019.03.02
秋田 73-88 大阪 2019.03.03
2019-20シーズン(大阪2勝 秋田2勝)
秋田 81-58 大阪 2019.10.05
秋田 70-77 大阪 2019.10.06
大阪 76-72 秋田 2020.02.08
大阪 64-88 秋田 2020.02.09
2020-21シーズン(秋田2勝)
秋田 80-72 大阪 2020.11.07
秋田 73-72 大阪 2020.11.08
2021-22シーズン(対戦なし)
2022-23シーズン(大阪1勝 秋田1勝)
秋田 85-79 大阪 2023.01.21
秋田 79-83 大阪 2023.01.22
過去の対戦成績はBリーグでのレギュラーシーズンで見るとお互いに6勝ずつ
昨季はお互いに1勝ずつ、そして点差は1桁点差という接戦でした
昨季のGAME1は古川が26得点、ザックが18得点13リバウンド5アシストの活躍もあり後半で逆転し勝利
大阪も橋本と鈴木が3Pを要所で決めて2桁得点をマークしたが、勝ち切る事はできなかった
GAME2はより接戦に。前半で2点リードした大阪が、後半も粘り強く戦い勝利。大阪は鈴木が3Pを5/7決めて17得点を記録(3P成功数5本はキャリアハイに並ぶ数値)
秋田も古川は連日の20点越えの23得点。長谷川、中山も3Pを複数成功させ、日本人選手の活躍も光った
大阪のホームで秋田が試合をするのは、2019-20シーズン以来となるので実に4季ぶりとなる。(その時はお互いに1勝ずつ)
連敗中の大阪だが、ホームで連敗を止めたい。秋田は外国籍選手のメンバー再編成後しっかりと勝利を積み上げてきている
今季どんな戦いを見せてくれるか注目したい
個人的な見どころ
今季初対戦となる大阪VS秋田
西地区は今季本当に混戦となっている。だからこそ大阪は他地区との対戦でしっかりと勝利を飾っていきたい
秋田は現在絶好調の5連勝。この勢いをどこまで継続していくか
前節から両チーム約1週間が空いた中で少しでもリフレッシュして臨む事ができるか。個人的な注目点は
①ロングの状況は?大阪のラインナップ
②ニュー秋田の強み。リバウンドへの執着心
③誰がステップアップ?ペースを握るために「流れ」をどうつくるか
を挙げたいと思う。まずは①ロングの状況は?大阪のラインナップから
大阪はカロイアロの欠場が続く中、ショーン・ロングへの負担は大きくなっている
前節の渋谷戦では足首を気にする部分もあり、大きな怪我などではない事を祈るばかりだ
直近の5試合は平均得点が63.6得点。今季の大阪は総得点のうち2Pの割合が54%(リーグ4位)ペイントエリアでの得点割合が47.4%でリーグ3位とインサイドに強みを誇っているチームだ
また、相手のTOからもしっかりと得点を重ねる事ができていた
ただ、ロングとカロイアロというコンビネーションの強み以外の要素をどのように生かしていくのか?
飯尾や橋本、合田に木下とアウトサイドシュートが上手い選手もいる
外なのか、中なのか。そして外を活かすための中へのプレーができているのか?自分たちのやりたいバスケット要素に加え、現状のメンバーでできるベストなアタックが何か?
スターティング5を少し変更していく中で、その模索と、試合の中でのアップデートに注目したい
②ニュー秋田の強み。リバウンドへの執着心
12月の秋田はリバウンドへの気持ちがどのチームよりも強い
前述したが、連勝中は5試合平均で46.8回
三遠が平均リバウント数今季通じて43.1回と高水準でリーグ1位
ただ、この5試合だけ見ると秋田はその数字を上回っている
これがスタンダードになれば、より勝利の可能性も高まっていく
秋田の凄い部分はこのリバウントが誰かに依存していない部分だ
ザックの平均8.8回はリーグ10位と高水準だが、あとはカーターの8回に、ライスナーの7.2回
赤穂・熊谷といった新加入プレイヤーのリバウント意識、そして中山も今季ここまで平均3.6回を記録している
日本人プレーヤーが高いリバウント意識を持っている部分は大きな強みになっている
大阪はもちろんリバウントの立ち位置やシュートタイミングなど技術的な部分ももちろんだが、高い意識でこのリバウントに対して臨みたい
そして秋田はアグレッシブなプレーと引き換えにややファウルの数が多くなっている(1試合平均20.8回でリーグ21位)直近5試合でも1試合平均20回を超えている
秋田は不要なファウルは避けつつ、アグレッシブなプレーの継続を1試合通じて図っていきたい
③誰がステップアップ?ペースを握るために「流れ」をどうつくるか
大阪は直近3試合好調の若きプレーヤー飯尾の活躍が光った
秋田はGAME1では保岡、そしてGAME2では中山が今季最多得点で勝利に貢献した
特に苦しい状況の大阪はメンバー編成次第だが、得点・リバウントで中心のロングはもちろんですが、それ以外のプレイヤーが自分の良さを存分に出せるかどうか注目したい
そして試合には様々な流れがある。良い流れ、悪い流れ。それを断ち切るのが良い攻守やFT、そして要所のTOだと思う
大阪は今季FTの成功数が芳しくない。チームとして誰を中心にどのようにクリエイトしていくのか楽しみにしたい
そして秋田もFTは大阪と並び1試合の平均本数は18.8回(リーグ4位)と多いが成功率は68.2%と決して高くない
両チームFTに関する意識をより高めて、コツコツと加点していきたい
また、直近5試合で平均約16のTOを喫している大阪はミスに対する意識を切り替えて臨みたい。高い集中力を持ってホームで戦い切る事ができるかどうか
GAME1そしてGAME2の両日が熱い試合になる事を楽しみにして臨みます
大阪エヴェッサのホームゲーム。おおきにアリーナ舞洲で行われる一戦は2023年12月16日・17日の両日14時5分からティップオフ
現地または、バスケットLIVEをはじめとした中継で是非お楽しみください!
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