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2022明治安田生命J1リーグ第22節京都サンガFCVSサンフレッチェ広島の個人的な見どころを紹介

代表ウィーク前のリーグ戦。今節が終われば2週間の中断期間があり、夏の移籍も含めてリーグ戦の争いがより熾烈になりそうです

21節終了時点では12位のホーム京都サンガFCは今季好調のサンフレッチェ広島をホームに迎えます

紫をクラブカラーに持つ両チームの「紫」ダービー
前回対戦では広島が攻守で圧倒し3-1で勝利。試合後京都のチョウキジェ監督がインタビューの中で「自分たちの現在地をあらためて理解できた。この敗戦を次の試合につなげていかないといけない」と語ってくれた

5月21日の一戦から約2か月。京都はホームで粘り強さと進化を見せる事ができるか?
一方の広島は上位追随に向けて、アウェイの地で勝ち点3を積み重ねる事ができるか?今季2度目の対戦は変化と進化に注目したい一戦になりそうだ

7/16(土)20:58 時点の順位表(Jリーグ公式HPより引用)

土曜日に各地で試合が行われ、日曜日のJ1リーグの試合は2試合のみ。FC東京VS磐田とこの京都VS広島の一戦が行われる

名古屋VS川崎の中止など試合数はチームによってばらつきはあるが、今年はW杯があるため厳しい日程であることは間違いない
お互いタフに走るスタイルは類似しているだけに、この夏場の連戦で誰をチョイスしてどのように戦うのか?両指揮官の采配にも注目が集まる

京都も広島も天皇はラウンド16の試合が水曜日にあったため、中3日での一戦となる。残留争いに巻き込まれないためにしっかりと勝ち点を積みたいホームの京都と、上位争いのために勝ち点3が欲しい広島との一戦は18時30分からサンガスタジアムでキックオフとなる

(J1リーグ 解説:橋本英郎さん リポーター:藤原美佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります。

順位と前節の振り返り(前節終了時点※7/16)

京都サンガFC:6勝6分9敗で勝ち点24の12位(20得点24失点)

京都はリーグ戦前節はアウェイで福岡と対戦。前半6分にアビスパ福岡のCKからのこぼれ球を山岸に決められて失点

その後タフに走り相手ゴールに迫るも、堅守に阻まれて0-1の敗戦となった

この試合は荻原が2試合ぶり、そして武田が川崎戦以来5試合ぶりの先発を飾った。京都は失点後もなかなかゴールに迫る事ができなかったが、サイドへの展開やMFとFWの距離感も良くなり、少しづつゴールをこじ開けるプレーが出るようになる

セットプレーも含めて、決定機をつくるもアビスパ福岡の固い守備の前に得点を奪えず、リーグ戦3試合連続の得点とはならなかった

しかしながらシステムの変更に加え、武田や松田等、戻ってきた選手・交代選手を含めて粘り強い戦いを見せる事ができた。その部分を今節どのように生かしていくか楽しみにしたい

2022明治安田生命J1リーグ第21節の結果(Jリーグ公式HPより引用)

水曜日の天皇杯は栃木と対戦し豊川、そして後半のアディショナルタイムにイスマイラが押し込みリーグ戦で好調の栃木相手に勝利を収めて準々決勝進出を決めた

今季リーグ戦で得点を決めている選手は6名のみ。得点力の解消に応える選手を1人でも多く出すことが重要になる

サンフレッチェ広島:9勝7分5敗で勝ち点34の4位 (28得点21失点)

ACL圏内を目指す広島は前節ホームで湘南と対戦。今季ここまで大きくメンバーの交代をしてこなかったスッキベ監督だが、湘南戦では9名メンバーを入れ替えてフレッシュな面々が並んだ

川村と住吉はJ1リーグ初先発。今津、長沼は今季初先発。また、長く広島を支えてきた青山はJ1出場431試合目と広島でのJ1最多出場記録を更新した

試合は強度の高い両チームが攻守で見ごたえのある場面を見せた。試合が進むにつれて少しずつペースは湘南が握り始めるが、野上や大迫をはじめ守備陣が奮闘し0-0で前半を折り返す

後半メンバー交代をして流れを変えた広島だったが、先制は湘南。スローインから繋いで、最後は池田がコントロールシュートで上手くゴールを射抜き先制に成功する

しかし、広島は佐々木や野津田と今季リーグの躍進を支えている選手らを投入し一気に流れを変える
野津田のCKからサントスが体を張り、最後は野上が今季初ゴールをヘディングシュートで押し込み同点に追いつく

その後も広島が流れを掴み相手ゴールに迫るも得点は奪えず、結果は1-1の引き分け。広島はホームでの連勝は5で止まるも、5/3以来ホーム戦は負けなしと強さを見せた

2022明治安田生命J1リーグ第21節広島VS湘南 Jリーグ公式HPより引用

広島は水曜日に群馬と対戦。塩谷の得点で1-0で勝ち切り京都と同様に準々決勝進出を決めた。天皇杯では全試合無失点を記録
今季もここまで失点は21でリーグ3番目に少ない数値を誇っている

高い強度で奪ってゴールまで推進していく今季の広島はシュート数でもリーグ2番目に多い数値を誇る。中3日の連戦だがどのような選手起用で戦うのか?こちらも注目していきたい

また、広島は日本代表に6名が選出(荒木、大迫、佐々木、野津田、森島、満田)リーグ戦は30日まで約2週間空くが、代表ウィークの中で、チームとしてどのような変化が生まれるか?この部分の長期的な目線も楽しみなポイントでもある

過去の対戦戦績(京都の5勝・広島の23勝・10度の引き分け)リーグ戦のみ

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると京都の5勝、広島の13勝、引き分けが1回

2010年以来、実に12年ぶりの対戦は5月の14節
試合は3-1で広島が勝利
(広島:サントス、満田、ベンカリファの得点 京都:武富の得点)

2010年は広島のホームで3-0(槙野智章、佐藤寿人2得点)
京都のホームでも3-0(槙野智章、李忠成2得点)で広島が勝利

過去に注目すると、京都は2007年の入れ替え戦で広島に勝利をしてJ1昇格を決めました。また、2002年は天皇杯準決勝で広島に勝利し、決勝へ進み、鹿島を破ってタイトルも手にしています

しかしながら対広島戦のリーグでの勝利は2009年の6月27日以来なし
約13年ぶりの勝利をホームの地で狙います

京都に所属の選手では、過去広島に2人の選手が在籍経験
ウタカが2016年に在籍して33試合19得点で得点王を記録
宮吉も2016年~17年の2年間プレー

前回対戦から広島は永井、仙波が移籍。京都は鳥栖から流通経済大学からの新卒で満田と同級生の佐藤響を期限付きで獲得し今節から出場可能となる

5/21の対戦から約2か月。お互いの変化が見える90分間に期待したい

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)21節終了時点

京都サンガFC:6勝6分9敗で勝ち点24の12位(20得点24失点)

先制試合:8試合 5勝3分0敗(先制すれば負けなし)
先制された試合:12試合1勝2分9敗(6節神戸戦は先制を許すも3-1で逆転勝利)
スコアレスドロー:13節の清水戦でスコアレスドロー

ホーム: 4勝2分4敗  勝ち点14  9得点  10失点 得失点-1
アウェイ: 2勝4分5敗  勝ち点10 11得点 14失点 得失点-3

リーグでは6人が得点(ウタカが9得点。武富3得点、荻原、宮吉、山田が2得点、川崎1得点)カップ戦や天皇杯で活躍している選手の奮起が待たれる

複数得点:5試合  
複数失点:4試合(3節の磐田,14節広島,15節横浜FM,20節浦和)
無失点:4試合(開幕節浦和戦,9節柏戦,13節清水戦,16節川崎戦)
無得点:8試合

<得点>前半に8得点 後半に12得点  
<失点>前半に8失点 後半に16失点

セットプレーからの得点は6/20で30.0%(松田のFKとCK、福岡や大前のCKから得点)
24失点中セットプレーからの失点は9点(37.5%)でCKから4失点,FKから2失点、PKから2失点等

前半、後半共に立ち上がりに強い(前半開始15分までに4得点、後半開始15分までに8得点)後半開始15分以内の失点も多く7失点(全体の3割近く)

ウタカが得点ランキング3位につける9得点も、ストライカー以外の選手の得点が期待される。将来性豊かな山田やアシストも得点もできる大前。更には豊川やイスマイラ等のリーグ初ゴールにも期待したい

サンフレッチェ広島:9勝7分5敗で勝ち点34の4位 (28得点21失点)

先制試合:9試合 8勝0分1敗(11節の柏戦で初の逆転負け)
先制された試合:10試合 1勝5分4敗(17節のセレッソ大阪戦は逆転勝利)
スコアレスドロー:2試合(開幕節の鳥栖戦と前節13節の浦和戦)

ホーム: 7勝3分2敗 勝ち点24  18得点  8失点 得失点+10
アウェイ: 2勝4分3敗 勝ち点10 10得点  13失点 得失-3

リーグ戦では12名が得点(満田,森島5得点、柏、ドウグラスヴィエイラが3得点。ジュニオールサントス、野津田、佐々木2得点。荒木、野上、ベンカリファ、柴崎、鮎川が得点)

複数得点:8試合  
複数失点:7試合
無失点:8試合
無得点:5試合(開幕節、5節川崎戦、13節浦和戦,15節G大阪、20節横浜FM)
最多得点は12節鹿島戦、14節の京都戦、18節福岡戦、19節磐田戦で3得点。
最多失点は20節の横浜FM戦で3失点

<得点>前半に7得点 後半に21得点 
<失点>前半は9失点 後半は12失点 後半に強い

今季は28得点中セットプレーでの得点は9点の32.1%
野津田のFKとCK。ドウグラスヴィエイラのPKでも2得点。21失点中セットプレーからの失点は3で割合は14.3%と安定した守備(FKとCKから1失点ずつ:FC東京戦でFKから失点、川崎F戦はCKからオウンゴール等)

後半にひっくり返せる地力もある広島は多彩な攻撃を持ち合わせている。リーグ中盤からはセットプレーからの得点も増え、野津田や満田ら精度の高いキッカーがいて、佐々木や荒木と空中戦が強い選手も多い

試合の運び方という点では先制点を取り、しっかりとゲームコントロールができるかどうか?お互い守備の強度も高く、大崩れしないだけにどこでこじ開けにいくか楽しみでもある

個人的な見どころ

今季2度目の対戦となる両チーム。前回対戦時は広島がボールをコントロールし、京都もカウンターから得点を奪うも、広島が京都の倍近くのシュートを打ち3-1で勝利を飾った試合だった

両チームの今季の得点と失点に目を向けると
京都が20得点、24失点で得失点差は-4
広島が28得点、21失点で得失点差は+7

どちらも失点数は1試合平均で1点近くと大崩れしない戦いを見せている。その中で得点という部分に目を向けると「8点」の差が現状ある

また、京都はリーグ戦で得点を取っている選手が6名に対し、広島は12人
絶対的なスコアラーはいないものの、多彩な攻撃と全員がゴールに向かう意識がしっかりと体現されている

1試合あたりのシュートの平均数は
京都が約7本(リーグ3番目に少ない)に対し、広島は12.9本(リーグ2番目に多い)
京都はウタカがチーム全体のシュート数の1/3を占める52本を打っていて、結果も残している(ここまで9得点)

勝つためには得点が必要であり、得点のためにはシュートを打たなければいけない。その姿勢を、アグレッシブに戦うお互いのスタイルをリスペクトちながらも意識を高く持って臨めるかどうか?そして、シュートへ運ぶプロセスにも大いに期待したい

お互いに天皇杯はホームグラウンドではなく遠征からの中3日の対戦となる。中断前に勝ち点を1点でも多く積み上げるために最後まで走りたい

また、鳥栖から流通経済大学から大卒ルーキーで加入した佐藤が今節から試合にも出場できる。鳥栖では公式戦10試合をプレー。Jデビューが対広島戦でもあった

流通経済大学のキャプテンとしてチームを率いていた満田、共に戦った佐藤、そしてチョウキジェ監督もコーチとして彼らを指導した経験を持つ

大学から環境を変えてプロの現場で、選手だけではなく指導者としての変化や進化にも注目したい

夕方のナイトゲームだが、蒸し暑さも残る京都でタフな一戦となる事は間違いない。メンバー全員で、未来に繋がる一戦を見せる事ができるか。今季2度目の対戦から各選手、チームとしての成長が楽しみな一戦だ

試合は18時30分からサンガスタジアムでキックオフ!是非スタジアム、またはDAZNにてお楽しみください!


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