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【仕事編・コピーライター②】 0ポイントと出会う旅

前回は、
デザイン事務所でコピーライターとして働くことになった最初を書いた。

その中に入っていく、ということは、
わたしがそれまで出会うことのなかった雰囲気の人たち、初めての感覚な集団、に出会うことだった。


未経験のわたしは、先輩コピーライターである副社長の、コピーを作るための前段階、資料集めから仕事は始まった。
インターネットで情報が集まる時代じゃなかった。
地元の図書館に調べにいったり、人に会いにいったり、帰ってきてパソコンでまとめたり。

時に、おつかいできるようになるため地元の新聞社に届け物をするのを同行したり。
インターネットでのやり取りじゃなかった。
実際のモノを運ぶことも仕事だった。
写植屋さんというのがあって、そこへ原稿を運んだりもした。
カメラマンの人が会社に来たり、イラストレーターが遊びに寄ったり、いや、遊びなのか仕事の用事なのか、側から話を聞いているだけじゃ全然わかんない。
そういった、ひとりひとり、小さい会社、大きい会社、地元のあちこちがひとつのチームみたいになっていて、いつでも、どこかで、なにかのプロジェクトが同時に動いていた。

新聞広告、企業パンフレット、学校発行物、観光パンフレット、中小企業広告、地元の紙媒体全般がわたしたちの仕事って感じ。

そこに関わっているのは、長年写植を組んでいる職人みたいな人とか、カメラマンやイラストレーターのようなビジュアルに表すプロとか、それらをぜんぶ繋いで人に伝える形を整えていくわたしの会社のコピーライターとデザイナーとか。

なんだろう、あの感じ。

…そうだ、
みんな、ひとりひとり、バラバラな感じがあった。


向かう先は了解している。
そこに向かっているのはみんな共有している。
その上で、バラバラだった。

できたコピーをデザイン部門の2階に持ってあがると、デザイナーの4人が目の前の机に向かって作業をしている。
パソコンでのデザインの時代じゃない。紙だ。
消しゴムがたくさん動いていた。
切ったり貼ったり。手が、目が、めまぐるしく動いている。
まだ依頼が追いつかないくらいたくさんあった時代だった。

わたしは自分が未経験ということもあったし、学歴も経歴も違うし、ちょっと他の人たちとは毛色が違うというか、そういう中途半端な感じの立ち位置にあって。

そういうわたしが見ていた、それまで出会ったことのない人たちの、出会ったことのない雰囲気の職場で、
バラバラなひとりひとりの、ひとつの方向に向かって動いている様子が、好きだった。
側から見ているだけでも、なんか、幸せ感が湧いてくる。


おつかいや資料集めをしているあいだ、会社の様子に慣れていく、そのうちにわたしはコピーを書く仕事をふられるようになってきた。
コピーライターである副社長は、度胸のある人だ。
もしくは、チャレンジャーだ。
いや、どういうつもりだろう。
口数が少なすぎてなにを考えているかまったくわからなかったけど、未経験の、文章が書けるわけでもないわたしを採用したくらいだから、なんというか、いや、ほんとう、どういうつもりなんだろう? 笑

「やってみて」と、渡された案件は、
「はい」と、やってみることになった。
そのコピーが使い物になるかどうかは、もちろん副社長があとで判断する。

広告年鑑は、壁一面の書棚に並んでいて、隙間の時間に目を通していた。
でも、それだからってコピーなんて書けるものじゃないでしょう?と思えるけど、じゃ、専門の学校とかで訓練してコピーライターになれるのか?というと、そういうものでもないかもしれない、という気もしていた。

どうなの。
わたしってそこそこ、図々しいんじゃない?

わたしにできなくなくない?って、根拠もなく、思っていた。

いいよね。
図々しいって。

とにかく、やる、んだから。
すがすがしくさえある。


ただ、自分という個体がそういう状態にあれるっていうのは、それなりの根拠があるような気もしている。
チャレンジできる前提といえるような。

そんなことも、次回に書けるだろうか。
どうだろうか。


※ここまでに出てきた言葉はまとめています。
ひとりよがりな主観の言葉です。

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