文化欄#25 タンザニアで「女子陸上大会」が開催

独立行政法人国際協力機構(JICA)が、タンザニアで女子選手限定の陸上競技大会「レディース・ファースト」が開催されたことを報告している。

当該記事と動画によると、女子陸上競技会「レディース・ファースト(Ladies First)」は、同国の最大都市ダルエスサラームで1月に開催された。

タンザニアでは「スポーツは男性がするもの」という考えが根強く、女性がスポーツに取り組む機会は限られていました。「レディース・ファースト」は、そうした環境や意識を変えるため、スポーツを通じた女性の社会的地位向上やエンパワーメントと選手の発掘・育成を目的に、同国出身の元マラソン選手、ジュマ・イカンガさんが発起人となり、2017年にJICAとタンザニア国家スポーツ評議会が始めた、国内初の女子陸上競技会です。

出所:https://www.jica.go.jp/topics/2023/20230406_01.html

陸上競技というと、ケニア、エチオピアやウガンダ等の東アフリカ諸国が強いというイメージを持ちがちである。
タンザニアにも、2022年オレゴン世界陸上7位入賞でタンザニアマラソン記録保持者のGabriel Geayや、2020年東京五輪7位入賞のAlphonce SIMBUなどの選手がいるが、上記の東アフリカ諸国に比して全体としてはそこまで目立った活躍を残していない。

ただ、今回の「レディース・ファースト」の発起人として名前の挙がっている「ジュマ・イカンガ」氏は1980年代に世界的に活躍し、「アフリカの星」と呼ばれた選手である。瀬古利彦氏とのデッドヒートなど(やおやじギャグ)が記憶に新しい方もおられるのではないだろうか。

その後、イカンガ氏は同国のスポーツ委員会の理事などを務めているようだ。

ところでイカンガ氏は、インタビューで「レディース・ファースト」について、タンザニアで初めて国際大会のメダルを獲得したのが女性であったということから着想を得たという旨の話をしている。

動画版にはそのことについて触れられているが、どうやら「Theresia Dismasという女性が1965年に、やり投げで3位に入った」ということである。
それで少し調べてみたところ、1965年にコンゴ共和国の首都ブラザヴィルで開催された、アフリカ統一機構の陸上競技大会(Athletics at the 1965 All-Africa Games)において、同名の選手が40m24の記録で銀メダルを獲得しているとの記録がある。

ただ、上記の通りイカンガ氏は「3位に入賞した」と発言している模様だが、記録では2位で銀メダルを獲得しており、wikiの記載が間違っているのか、その後の上位選手の不正などで2位に繰り上げられたのかはわからない。

なお、現在の女子やり投げの世界記録はチェコのBarbora Špotákováの72m28、日本記録は北口棒花の66m00となっている。


Athletics games called ”Ladies first” took place in Tanzania in January 2023.

"Ladies first" aim for women's empowerment and gender Equality. It was connected with Theresia Dismas, she was the first Tanzanian woman that won a medal in the international athletic games in 1965 in the Republic of the Congo.
This event was proposed by Juma Ikangaa and jointly held by the Japan International Cooperation Agency (JICA) and the Tanzanian National Sports Council.

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