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豊か過ぎる「POPS生活」

今どきのアーティストさんの歌の上手さが、
「一聴して既に素人には歌えなさそうでやっぱ歌えない」上手さなのに対し、
かつての歌謡曲の歌手のみなさんのって
「素人にも歌えそう……だけどやってみると同じようには歌えない(口ずさめはするけど)」
みたいな上手さだったかも。
(まあ、演歌はやっぱ一聴して「歌えなさそう」だけどね。笑)


いや、どっちがいいとか好きとかいう話ではなく。
――むしろどっちも大好きだし、どっちも簡単に選べる今時って、流行歌聴くのが、今までで一番楽しい時代かも?


例えば、Official髭男dismとか、すごく好きで聴くのだが。
――うん、「憶えられない」、というか「憶えてみようかな?」という気にすらならない。(笑)

いや、ボーカルの技術が高すぎて真似できない、っていうのがまずあるにはあるけれど、それ以前に、旋律自体がすごぉーーく「憶えにくい」?

これって、わざと意識的に、捻って捻って複雑にしているのかな??なんてはじめは思っていたんだけど。

でも、もしかすると、これまでの長年に渡る「POPS界の歴史上の楽曲」の旋律をうまく避けようとすると、捻りに捻るしかないのではないか?なんてことも思う。
(つまり「前にあった何かの楽曲に似せないようにするために、旋律を複雑にするしかない」みたいなこと?)

その旋律に加えて、アレンジもめちゃ凝っているし。

いや、コードもすごいことになっているよなあ。
たとえばこの「Cry Baby」とか、コードが自由に進行し過ぎて、面白過ぎるんだよなあ。
(これがシングルカットされている上に、「アニメの」主題歌だというから、恐ろしい時代になったもんです。笑)
(そしてちゃんと大衆がこれについていけて、ヒット曲になるのが、これまたすごいよね?昨今の人の耳。――時代はまたもや変わった感。笑)
(MISIAさんとか宇多田さんとか平井堅さんとかあたりが「ヒットソングの真ん中」に来た2000年前後辺りにも「時代は変わった」を感じたが……「こういうのって20年周期なのか?」なんて思わなくもない。)


で、まあ、やっぱり何度聴いても口ずさめないわけですけど。
(「単なる老化」説もあるが。笑)


ちなみに、ストリーミングでの現在のナンバー1ヒット曲がこちら、YOASOBIの「アイドル」で、この曲も面白くて好きでよく聴いてはいるんだけど。

――何百回聴いても、憶えられないし、歌えないよ、こんなの。(笑)

(至極余談だけど、かつてのスターと違って、最近のアーティストさんって、大人気になってこうしてアリーナなんかで歌っていても、「地に足つけて浮足立ってない」というか「正気の自分をいずれ見失ったりしなさそう」で、清々しいというか、安心して見てられるんですよね、なんか。)
(話し戻して、)


でもその代わり(と言っては何だが)、「旋律どころか歌詞まで暗記しきって忘れようもない楽曲が、これまでウン十年の間に、何千曲と脳内に蓄積されている」我々ですもの。

こういうのって、豊かな「流行歌生活」だと思いますです。

ホント、楽しいです。