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[ヨーロッパ旅行 15]🇫🇷パリの二大美術館 ルーブル・オルセー

ついに最後の都市、パリへ来ました。今回の旅行でフランスへは行くか迷っていたのですが、どうしてもルーブルにだけは行っておきたいという願望から、2日間で行きたい美術館を詰め込んできました。

朝方の青いパリ

スイスから夜行バスに乗りまだ日の出前の朝方に到着。人がいないパリは静寂に包まれていました。

クロワッサンとコーヒーを下さい

朝から歩いてお腹はペコペコ。美術館の前に朝ごはんを食べることにしました。フランスと言ったらクロワッサンという単純思考でパン屋へ向かいます。実は大学でフランス語初級だけ取ったことがあるのですが、単位スレスレの劣等生だった私が覚えていたのは軽い挨拶と「Un croissant et un café, s'il vous plaît.」(クロワッサンとコーヒーを下さい)だけ。しかしせっかく使える機会があるのなら私のC評価を食らったフランス語でも通じるのか試してみることに。「アンクワッソンエアンカフェシルボブレ…」何度も呪文のように唱えながら店に入ります。

結果は成功でした。ショーケースからクロワッサンが一つ取り出されるのを見て喜ぶ私。しかしレジのお姉さんに「レシート入りますか?」だけ英語で聞かれたのはやや不服でした。まぁ通じたならいいや。ということでフランス語初級で得た知識はここで使い果たしました。

オルセー美術館

腹ごしらえも済み、まず向かったのはルーブルと並びフランスを代表する美術館、オルセー。ちなみにチケットは「パリ・ミュージアムパス」の2日券を取っていました。パリ市内ほとんどの美術館を網羅できるチケットですが、時間指定券が別に必要で、私のように前日に取ろうとするのはお勧めしません。

オルセー駅を改修して造られたこの美術館。ホームの名残を感じるエントランスが特徴的です。

最初のギャラリーで目に入ったのは、ミレーの『落穂拾い』。最初から名作が目に飛び込んできてびっくり。この絵、祖父の家に複製が飾ってあったので私にとってはどこか懐かしさを感じさせました。

企画展は二つ開催されていて、一つはLouis Janmotという19世紀の画家の展示。この画家は初めて見たのですが、繊細な世界観に惹かれました。

二つ目が、ゴッホ展。今までゴッホの作品は東京の企画展で目にしたことがある程度で、ここまで多くの作品に囲まれるのは初めてでした。間近に見て、改めて唯一無二の作風だなあと感じます。

常設展でも数多くのゴッホ作品が並んでいます。中でも『ローヌ川の星月夜』はずっと眺めていたいほど素敵でした。私はゴッホの絵の青がすごく好きなんです。

そして印象派ギャラリーへ。ここが一番見たかったのですが、長時間歩き回ったせいで正直体力が限界ギリギリでした。しかもカメラのバッテリーも切れてしまってボロボロの状態。それでも見逃す訳にはいかないという気力で足を運びます。

点描画から始まり、マネ、モネ、セザンヌ、ドガ…。大好きな印象派画家達で溢れていました。このギャラリーだけでも何時間かかかりそうです。時間も体力もある最初の方に来るべきだったなと少し後悔。

この有名なルノワールの絵。中学校の廊下に飾ってあって、美術の先生がこの絵が一番好きだと言っていたのを思い出しました。本物が目の前にあるのが信じられない気持ちです。

ルノワール『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』

パリ初日はもう一つ美術館に行く予定が、オルセーだけで一日使ってしまいました。

ルーブル美術館

翌日の昼過ぎ、マルモッタン・モネ美術館を後に急いで向かったのは世界最大の美術館、ルーブル。ガラスのピラミッド(正面入り口)の前には長蛇の列ができていてちょっと焦ったのですが、ミュージアムパスを見せると脇の建物にある小さい入り口に案内されました。指定時間を30分以上オーバーしていましたが入れてもらえました。

エントランスはショッピングモールに来たのかと錯覚するほど広く、人で溢れていました。インフォメーションで館内マップをゲットして、真っ先にモナリザの案内を目指します。時間が限られた中で私は、モナリザ、サモトラケのニケ、ミロのヴィーナスの三大美女を真っ先に攻略する作戦でした。

そして最初に現れたのがサモトラケのニケ。大階段の踊り場に堂々と凛々しい姿で立っていました。よく見ると衣装の作り込みが緻密で、白い彫刻なのに肌が透けて見えるのが凄い。艏に降り立つ瞬間を捉えた作品らしく、まさにその一瞬を閉じ込めた様な躍動感でした。

入り口でオーディオガイドをゲットできるのですが、Nintendoの文字が見えて何だろうって思ったら、まさかの3DSでした。10年ぶりくらいに手にするこの感触、まさかこんな所で出会うとは。しかも作品情報だけじゃなくて位置まで案内してくれるので広大な館内も迷わずに進めました。ゲーム機を使うのは面白い発想ですね。

次は遂にモナリザとの対面。広い廊下に並ぶ一室に人集りができていたので直ぐにそれだと分かりました。世界一人気な絵画に近づくために私も群衆に混ざります。音楽フェスで推しバンドを最前で見ようと詰めてる時の感覚。「中々進まないな」と思っていたら、どうやら絵画をバックに自撮りをしている人が多いようです。前まで進んで初めて絵の全貌を見ることが出来ました。肉眼で見るモナリザは心無しか微笑みが柔らかく、視線は目が合ったまま離れられなくなるような不思議な魅力を持っていました。

ただ殆どの人が目の前の絵を眺めるよりも写真を撮ることに必死のようです。当の私もがっつり写真を撮っていたので何も言えた身ではないんですけど。列を離れて振り返ってみても、スマホをかざし押しかける群れは何とも滑稽な感じがするのでした。

美術館に来るとどうしても写真を撮ることに夢中になってしまうのですが、実際肉眼で見るものと写真では全く受ける印象が違うわけで、それでは美術館にわざわざ足を運ぶ醍醐味を無駄にしているようで勿体無いような。写真も程々にしよう、なんてことをモヤモヤ考えながら次のギャラリーへ進みました。

文字通りスケールの大きい絵画たちが並びます。世界史での教科書で幾度となく見たナポレオンの戴冠式。この絵にはナポレオンの意向で実際は王権に反対し欠席していた母親が描き足されたのだそう。解説の「絵画はルポタージュではない」という言葉がすごく腑に落ちました。

ジャック=ルイ・ダヴィッド『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョゼフィーヌの戴冠式』

フランス革命を象徴する『民衆を導く自由の女神』はメンテナンス中でした。

足早にミロのヴィーナスへと向かいます。地図で探しても見つからないと思ったら、作品の正式名はアフロディーテって言うんですね。私はギリシャ神話に無知なのでその違いを知りませんでした。アフロディーテには、失われた腕がどの様であったかを想像させるロマンがあるみたいです。彼女の左手は何を、もしくは誰を抱いていたのでしょうか。

最後にミケランジェロの奴隷を見に行きました。フィレンツェで先に4体見たのでこれで全奴隷コンプリートです。

ルーブルは主要作品だけ見て回る形になってしまいましたが、中に入れただけでも大満足でした。

同日に訪れたマルモッタン、オランジェリー美術館もとても良かったので別の記事にしました。↓↓↓

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