スーパーで腐った桃を買(わされ)た話

昨日の夕方、最寄りのスーパーへ行きました。この時間に行くと賞味期限が迫っている商品が値引きになるので、生保の私にとっては欠かせないのです。

グルグルと店内を回っているうちに、最初は200円引きのシールが付いていた桃が、いつの間にか半額になっていました。私はこれ幸いとカゴに入れました。桃は単価が高く、半額とはいえ、バナナやキウイといった外国産のものと比較しても高いです。ので半額になって漸くどうにか手が出せる、という状態です。それも極々偶に、という条件付きですが。

桃は2個入りでプラスティックのパックに外装フィルムがかけられており、山梨県産の大玉サイズと福島県産の超大玉サイズとありました。

置いてある時に買わねば次いつ買えるか分かりません。ので思い切ってその両方を取りました。

そうしてまたグルグルと店内を巡った後、会計を済ませ、家路に着きました。

桃は傷み易いことでも有名で、それが見切り品になっていたことからして早く食べた方が良いだろうと思い、私は買ったものを冷蔵庫に収納した後早速山梨県産の桃の外装フィルムを剥がしネットを取りました。すると、ネットで隠れていた部分が丸々と傷んでいたのです。

傷み、というか腐っていて白カビが生えている状態でした。臭いも酸性の酸っぱい臭いで、これは食べられない、と思い、2個目の桃に移りました。するとこちらも同様にネットの部分が腐って白カビが出来ていました。

皆さんもご存知とは思いますが、カビとはカビた部分だけを除去すればいいというものではありません。一箇所でもカビればその個体全体がカビているということなのです。そしてカビは人体に影響を及ぼします。

私は山梨県産の桃を諦め、次に福島県産の桃に手をかけました。こちらは大丈夫だろう、と信じて同じようにフィルムを剥がしネットを取りました。するとやはりこちらもネットに覆われていて見えなかった部分が腐りカビが出来ていました。もう一つは奇跡的に無事でしたがカビの生えたものと同じところに置かれたものを食す気にはなれません。

私はすぐスーパーに電話し、事情を話しました。応対したスタッフさんに「写真を撮りたいから傷んだものを持ってきてほしい」と言われたので、電話を切った後すぐ持っていきました。

サービスカウンターで名前を告げ、買った時のレシートと該当の桃を出して見分し、私の言い分が正しいことを理解してもらいました。返品か交換か尋ねられ、私は交換をお願いしました。然しその時間には既に見切り品の桃は無くなっていたので同一種の通常の桃と交換して頂くことになりました。

ビニールとネットを剥がし4個ともに傷みがないことを確認すると、対応した店員さんは「すみませんでした」と言いました。

私はこの際だからと常々思っていたことを言うことにしました。

「私は以前にお客様の声で指摘したことがあるんです。苺が並んでいた時も今回と同じように、パックの底に敷かれたクッションシートでカビている部分が表から見えないように隠して売られているのを。『見切り品のを苺が落ちないように裏返すと大体のものがカビている。だから気をつけてください』と書きました。数日後に『すみませんでした。気を付けます』と返事がされていたから今回桃を買った。でもやはりこうして表からは見えないように隠して売られていた」そう言うと店員さんは私の言葉を遮って「すみませんでした!青果の者にはこちらから強く言うようにしますので」と言った。まるで私の話は予測済みで聞き飽きているから聞きたくない、という言に聞こえた。

私は負けじと更に続けた。「カビというのはその部分だけを取り除けばいいというものではないんです。無理に食べれば人体に影響が出るものなのです。見切り品とはいえ『食べれるもの』だと信じたから私は買ったんです。それが食べれないものだったなんて…。それはこのご時世です、少しでも高く売りたい気持ちは分かりますよ。ですが食べれないものを売ってお金を得ることは正しいことなんですか?夏場だし足が早いことは分かることじゃないですか。もっと早くに『これ痛みそうだな』というものはどんどん見切り品で出すことは出来ないんですか?消費者としては食べれもしないものにお金を払う気はないんですよ」

そう言うと店員さんはウンザリしたような顔を浮かべて口だけの謝罪を述べ、そこへ別の店員さんが割って入ってきました。まるで邪魔をしに来たような感じで入られたのが気になりました。

私としてはもう少し物申したい気持ちがありましたが店員同士で会話を始められたのでは横入りも出来ません。ので見切りをつけて退散することにしました。

立場が異なる人が見ればたかが桃、それに対して何をムキになるのか、とお思いになるでしょうが、私が指摘したい点は「表からは見えないように巧妙に隠して売り物にならないものを売っている」点です。クッションシートやネットで隠し、そうとは分からないようにして売っているのですから、客を騙していることにもなりますし、考えようによっては悪質とも取れる行為です。

クレームというと反射的に「悪いもの」と捉えられがちな昨今ですが、明らかに言いがかりや意味不明なものを除けば苦情が来ることには何らかの原因や事情があります。そこを改善しない限りはいつまでも変わりません。現にこのスーパーは以前の私の指摘をきっと「あーはいはい、クレームね」とやり過ごし右から左で聞く耳を持たずにいたからまたこうして同じことを繰り返したのでしょう。たかが桃とはいえ、単価で400円超え、それが2個入りで、見切り品で半額でも400円以上。私は単価が350円超えの2個入りのものも併せて買いましたから、そちらも見切り品で半額でも350円以上、併せて750円以上のお金をこのスーパーで捨てることになっていたかもしれなかったのです。これが私以外にも被害者がいて日常的に行われているのだとしたら許されない行為だと思います。

幾ら昨今の世の中で「食品ロス」が叫ばれているからとは言っても、本来食べれるはずのものを食べれない状態にしてから売ることは許していいのでしょうか。あなたならそんな商品にお金を払いますか?嫌でしょう?然も視界からは見えないように安全を装って売っているんです。悪質と言えるのではないでしょうか。

スーパーとは商品という名の信用を売るところだとずっと思ってきました。いつからこんな詐欺紛いの行いをするようになったのでしょうか。私のこの店に対する信用はなくなりました。暫く様子見しますが、再度同じことをされた際には保健所へ通報することも考えております。