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過去投稿『新人クリエイターのバイトするかどうか問題…』に関するご質問にお答えします

以前の投稿『新人クリエイターの「バイトするかどうか問題」に私はこう立ち向かった』を読んでくださった方から質問をいただいたので、内容をご紹介します。

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ご質問、ありがとうございます!
投稿をとても真剣に読んでくださったことが伝わって来て、私の方こそお礼を言いたいです!

さて、ご質問への回答ですが、脚本家志望者にとっての「目指す道に関連のある仕事」というと、私はまず以下の二つが思い浮かびます。

1)ある程度のボリュームの原稿を、指定された期間内で完成させる仕事2)ドラマ、映画、舞台作品等の制作スタッフ
それぞれ、具体的にご説明します。

1)ある程度のボリュームの原稿を、指定された期間内で完成させる仕事
「原稿」とひと口に言っても、さまざまなものがありますが、やはり脚本に近い物、つまりは「フィクションのストーリー執筆」の類がより良いでしょう。
ですが一般に、その種の仕事は見つけるのが難しいと思います。
仮に「インタビュー記事」のような、脚本とは畑違いに思える原稿であっても、指定の期限内に、クライアントの求めるレベルまで仕上げるという経験は、脚本家志望の人にとって重要な経験になるはずです。

脅かすわけないのですが、脚本家として仕事を受けた場合、
「必死で頑張ったのだけれど、どうしてもアイデアが浮かばなかったので、締め切りまでに決定稿を書き上げることができませんでした」
ということは許されません。
映画もドラマも、制作には多大な費用がかかります。
もし仮に脚本の遅れが原因で予定通りに撮影ができなければ、被害は甚大です。
金銭面だけでなく、多くのキャスト、スタッフのスケジュールも狂わせることになり、謝って済む問題ではありません。
その点を考えると、脚本ではないとしても、「ある程度のボリュームのある原稿を、納期内に確実に仕上げる」という経験を積むことは、必ず将来の糧になるはずです。
「心身の不調等を言い訳にせず、確実に書き上げる力」は、経験からしか身に付かないものだと私は思います。

2)ドラマ、映画、舞台作品等の制作スタッフ
私自身は、脚本家になる前にこの種の経験はないのですが、どういう形であれ、エンターテイメントの制作現場に身を置くことは、何らかの形で脚本執筆に役立つと思います。
ただ、制作スタッフはハードな職種も多く、仕事内容によっては脚本を書く時間を捻出できなくなる可能性があるので、その点はご注意を。


【補足】
念の為、補足もさせてください。
ここまで書いてきた事をくつがえすようで申し訳ないのですが、仮に上記の2つのような仕事が見つからなくても、気に病む必要はありません!
なぜなら脚本家というのは、「あらゆる経験を糧にすることができる、特殊な職業」だからです。
どんな職業でも、「そこでしかできない人間観察」ができますし、観察したあらゆること、経験したすべてのことは、この先あなたが書く作品のどこかで、きっと活かせるはずです。
脚本家は人間を描く仕事であり、自分以外のすべての人が、何らかのヒントを与えてくれる存在です。
新たな経験を積めば積むほど、自分の中に”作品の種”が増えていきます。
この観点から考えれば、「どんな仕事も、脚本の執筆に関連付けられる」とも言えるでしょう。

さらに言えば、上記1)、2)のような仕事も、「中川が思い浮かんだ脚本家に関連のある仕事」ということに過ぎず、これらと全く違う職種であっても、質問者さんご自身が関連性を見出すことができ、「脚本家への道の糧になる」と感じられることが重要だと思います。

これからもお互いがんばりましょう!

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