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脇目のススメ

会社員時代は、「細かい仕事をいくつも抱えている状態が苦手」と思っていました。
案件Aを進めている時に、つい案件Bの事が気になり、そっちに着手すると、今度は案件Cについて考え始めてしまって……という状況に陥りがちで、「Aをやってる時はAにだけ集中!」と、よく自分に言い聞かせていたんですよね。

でも今は、複数案件が同時に動いている状態も悪くないなと感じています。
案件Aについて考えたことや調べたことが、ふと案件Bの問題解決のヒントになったりする。
複数案件抱えていれば、その分忙しくなるわけですが、「エンジンが温まった状態」をキープできるためか、1案件に集中している時よりも、案外仕事がはかどるようにも思うんです。

『スラムダンク』の作者・井上雄彦さんはネームを考える時はいつもカフェなどに行かれるそうですし、脚本家で「スタバでしか書かない」という人もいるそうです。
家と違って、ノイズを避けきれない場所の方が仕事が進むのは、そのノイズがいい具合に刺激になるからかもしれない。
周りの会話が薄く聞こえていたり、誰かがちょっと変わった行動をしているのがふと目に留まったり……。
そういう小さな刺激が、凝り固まった頭をほぐしてくれるのかもしれませんね。

……と、ここまで書いたところで『すべてがFになる』の著者・ 森博嗣さんも、どこかにこういう感じのことを書いてた気がするぞ、と思い、確認してみました。

論理的な思考というのは、それに集中し、「脇目もふらず」突き進む感じのものだが、発想するときの思考は、「どれだけ脇目をふるか」が重要になる。これは、明らかに「集中」とは逆の頭の使い方に思えるのだ。

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』という新書からの引用です。
ということで、私もどんどん脇目をふって行こうと思います!

#日記 #エッセイ #コラム
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