見出し画像

プロ脚本家直伝!「映像作品、小説の企画書の書き方」

【執筆者自己紹介】

脚本家の中川千英子と申します。
映画、テレビドラマ等の脚本を書いている現役のプロ脚本家です。
主な作品は以下の通りです。
―主な作品歴―
・映画「10万分の1」(配給:ポニーキャニオン、主演:EXILE白濱亜嵐、平祐奈)
・映画「きょうのキラ君」(配給:ショウゲート、主演:中川大志)
・映画「兄友」(配給:T-JOY、主演:横浜流星)
・テレビドラマ「ホテルコンシェルジュ」(TBS)
(プロフィールはこちらです。)

noteでは、脚本家志望のみなさんのさまざまなご質問にお答えするという投稿もしており、「勉強になる」「役立った」「面白い!」との感想を多数いただいています。
これまでにいただいたご質問と回答はこちらのマガジンにまとめてあります。
中でも特に好評だったのは、以下の投稿です。


【はじめに】

脚本家としての活動と並行して、2023年の春からは、脚本家や小説家を目指す方々を対象にオンラインコンサルを始めました。

脚本形式、小説形式の原稿の他に、企画書のコンサルも受け付けているのですが、「そもそも映像作品や小説の企画書とはどんなものなのか、何を書くべきなのか、よく分からない」と、よく耳にします。
映画やドラマであれ、小説であれ、企画書がうまく書けるようになると、自作の映像化、出版の確率がグッと上がるのですが、企画書の書き方を教わることができる場は非常に限られているようです。
プロの書き手であっても、自分以外の人が書いた企画書を目にする機会はそれほどありません。
大抵の人は、実践経験を通して試行錯誤しながら自分のスタイルを見つけているのではないかと思います。

私も、企画書の書き方についてはシナリオ講座などで学んだわけではなく、プロデューサーとやり取りをしながら大量に書き続けることで、”ツボ”を掴んできました。
自分のオリジナル作品の提案時はもちろん、新人の頃はプロデューサーからの依頼で、原作モノの映像化のための企画書をひたすら書き続けていた時期もあります。
当時の私には企画書執筆の依頼が次々に来ていたのですが、これは私が書く企画書を評価してもらえていたということなのでしょうし、一般に非常に狭き門であるテレビドラマや劇場公開映画の企画成立に繋がった実績もあります。

このnoteでは、私が体得してきた”企画書のツボ”を、実例を挙げながら解説していきます。
ぜひ、単行本1冊分の金額でライバルにググッと差をつけてください!

【企画書を書く上で、最初に認識すべきこと】

企画書を書く際に、最初に認識すべきことがあります。
それは、「これから自分は、何のために企画書を書くのか?」ということ

これをしっかりと認識することが、「採択される企画書」を作るための第一歩です。
試しに、あなたの言葉で「企画書を書く目的」を言い表してみてください。
どんな答えが思い浮かびましたか?

では、私が「企画書を書く目的」をどう定義づけているかお伝えしましょう。
それは……

ここから先は

7,936字

¥ 1,500

noteで全文無料公開中の小説『すずシネマパラダイス』は映画化を目指しています。 https://note.mu/kotoritori/n/nff436c3aef64 サポートいただきましたら、映画化に向けての活動費用に遣わせていただきます!