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ご質問にお答えします!『人の心を掴む脚本の書き方は?』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

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ご質問、ありがとうございます!
「物語を通して、伝えたいメッセージがある」とのこと。
脚本家というのは、つらい面もたくさんある仕事なのですが、それでも私が書き続けている理由は、「作品を通してメッセージを伝えたい」という思いがあるからではないかと思います。

さて、「人の心を掴む脚本の書き方」も、「脚本を書くにあたって大事にしていること」も、私の答えは一つです。
大切なのは「技術を学ぶこと」です。
書き手が、伝えたいメッセージをどれだけ強く心に抱いていても、「伝えるための技術」がなければ、驚くほど読み手には伝わりません。
ですので、日々技術を高めていこうと心がけています。

「作り手に技術がなければ、思いは伝わらない」
というのは、脚本に限ったことではないはずです。
例えば、音楽の場合を考えてみてください。
「音楽を聴くのは好きだけれど、曲作りの基本を学んだことがなく、譜面を書いたこともない人」がいるとします。
その人が「音楽を通してメッセージを伝えたい!」とどれだけ強く願っていても、人の心を動かすような曲を書くことはおそらく不可能でしょう。

料理も同じだと思います。
質問者さんが「食べる人」の側だとして想像してみてください。
「”人の心を掴む料理を作りたい!”と強く願っているけれど、包丁を握るのは初めてで、料理の基本をまったく知らない人」が作ったものをおいしく食べることはできるでしょうか?

質問者さんは「今まで一度も脚本を書いたことがなく、勉強もしていませんでした」とのこと。
誰もがその状態からスタートを切るわけですが、いざ作品を書き始めて、それを人に読んでみてもらうと、
「自分が作品に込めたメッセージは、こんなにも伝わらないものなのか!」
と驚かれる可能性が高いです。
そんなときはつい、「読み手の読解力が足りないのでは?」と思ってしまうかもしれません。
私にもそういう経験があります。
ですがこの場合、足りないのは読み手の読解力ではなく、書き手の技術です。
脚本術を学ぶための本も、教室も、探せば容易に見つかります。
今後行き詰ったときには、さまざまな方法で「技術を高めること」に力を注いでください。

今の段階でこの回答をお読みになっても、いまひとつピンと来ないかもしれませんね。
今後、実際に作品を書き始めて、
「自分のメッセージが伝わらない! なんで?」
と思われたときに、もう一度この投稿を読み返していただけたら嬉しいなと思います。


これからもお互いがんばりましょう!

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