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ご質問にお答えします!『地方在住では脚本家になれないのでしょうか?』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

ご質問ありがとうございます。

現在、映画やドラマの脚本家のほとんどは首都圏在住だろうと思います。
ただ、地方在住の人がゼロというわけでもなく、有名なところでは倉本聰さんは富良野にお住まいですし、渡辺あやさんもインタビュー記事などによると、島根県にお住まいのようです。

なぜ大半の人が首都圏在住なのかといえば、地方にいると、プロデューサーや監督との打ち合わせに対応できないからです。
私は映像作品のほかに書籍の仕事もしており、そちらでは、打合せは基本的に担当編集者と一対一で行います。
これに対して映画やドラマの打ち合わせは複数名が集まるのが一般的ですし、書籍に比べて打ち合わせの頻度が非常に高いです。
映像作品の脚本は、「面白いかどうか」はもちろんのこと、撮影に必要となる予算、撮影スケジュール等々、さまざまな観点から「実現可能であるか?」を精査しなくてはならず、必然的に打ち合わせの回数も、出席者も多くなります。
日時が直前に決まったり、予定が急遽前後したりということも珍しくないので、地方在住の脚本家が打ち合わせの度に上京するというのは現実的ではありません。

では、倉本聰さんや渡辺あやさんの場合は?というと、インタビュー映像やネットの記事によると、プロデューサー陣が倉本さん、渡辺さんがお住まいの地域まで出向いているようです。
毎回なのかどうかは分かりませんし、電話やネットを使ってのやり取りもされているかもしれませんが、いずれにせよ、プロデューサー側からすれば首都圏在住の脚本家と仕事をするときに比べてコストがかかるはずです。
「それでも尚、この人に脚本を依頼したい!」と思われる方々だ、ということなのでしょう。

つまり、「2022年現在の状況として、脚本家は首都圏在住が原則。ただし、例外的な人もいる」ということになります。
ここまで、私が知っている範囲の情報をお伝えしてきましたが、「今後どうなっていくか」までは私には予測しきれません。
ひとつの可能性として、「コロナ禍で、職種を問わず、Zoom等を使ったオンライン打合せを行う人が増えたので、今後は映画・ドラマ制作の世界でも、地方在住の人が脚本家になるチャンスが増える」ということが起きるかもしれません。
仮にこれが現実となるにしても、地方在住のまま脚本家を目指すには、「自分が新しい道を切り拓くのだ」という気概は必要だと思います。

私からお伝えできるのは、ここまでです。
突き放すような言い方に聞こえたら申し訳ないのですが、今後の道を決めるのは、あくまでも質問者さんご自身です。
良ければ、上記のことも参考にしてみてください。
尚、上記の内容はすべて「質問者さんが映画・ドラマの脚本家を目指している」という前提で書いています。
ゲームシナリオの世界においては、地方在住であることは特にネックにはならないようです。

これからもお互いがんばりましょう!

ご質問のある方はこちらからどうぞ。
※シナリオコンクールの規定、審査基準に関してはお答えできませんので、その点はご了承ください。


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