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ご質問にお答えします!『脚本家として食べられるようになるまでの生活は?』

脚本家志望の方から、こちらのご質問をいただきました。

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ご質問、ありがとうございます!
脚本家として生計を立てられるようになるまでに、私は以下の段階を経てきました。

1)契約社員としてフルタイムで働きながら脚本の教室に通い、自主制作の舞台の台本などを書く。
2)会社勤めをやめて、脚本家専業に。だが、実際はプロットライターとしての仕事が中心。
3)映画、ドラマ、舞台の脚本、書籍の執筆による収入で生活するようになる。

それぞれの段階についてもう少し詳しくご説明します。

1)契約社員としてフルタイムで働きながら脚本の教室に通い、自主制作の舞台の台本などを書く
「生活のための収入を得ること」と、「脚本執筆のための時間を確保すること」のバランスを考えて、週五日のフルタイムではありましたが、契約社員としての仕事を選びました。
当時の勤務先は数日前に申し出ておけば、比較的容易に早退、欠勤ができ、プロデューサーとの日中のうちあわせにも対応できたため、この時期の終盤には映像作品のプロットライターも行っていました。
”二足のわらじ”の状態でしたので、非常に忙しかったです。
「夜は眠気の限界が来るまで原稿を書き続け、朝は、出勤のために家を出る5分前まで書き続ける」という日々でした。

2)会社勤めをやめて、脚本家専業に。だが、実際はプロットライターとしての仕事が中心。
自主制作の舞台の台本やプロットライターとしての仕事の依頼が増えるにつれて、会社に勤めながらこなしていくことに無理が出てきたため、思い切って退職しました。
退職前から多少は執筆による収入があったため、「何とかなるだろう!」と思ってのことでしたが、当初は何とかなってはくれませんでした。(笑)
蓄えを切り崩して不足分を補っていた時期もありますし、執筆スケジュールの合間を縫って、三日限定、一週間のみ、といった単発の派遣事務の仕事をしたこともあります。
長期間の事務仕事を始めたのでは、元の木阿弥ですし、なによりプロデューサーからの急なうちあわせ依頼に対応できないので、「単発の仕事しかできない」という前提で、派遣会社に登録していました。
会社を辞めて二年ぐらいはこの状況だったと思います。

3)映画、ドラマ、舞台の脚本、書籍の執筆による収入で生活するようになる。
自主制作ではなく、商業ベースの映画、ドラマ、舞台の脚本執筆を依頼をしてもらえるようになり、児童書などの書籍執筆もするようになって、「蓄えを切り崩す」「単発の派遣事務仕事をする」という必要はなくなりました。

……ということで、参考になりましたでしょうか?
少し補足しますと、脚本家を目指す人の多くは「脚本家と名乗りつつ、実質的にはプロットライター」という時期(上記2)の状態)を経ることになります。
この段階できちんと原稿料をもらわなかったために、経済的、精神的に行きづまって執筆が続けられなくなる、という例が少なくありません。
これを避けるためのノウハウを下の投稿に書いてありますので、宜しければお読みください。

これからもお互いがんばりましょう!

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