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「投票に行こうと言わない」のは是ですか?...投票率について考える3つのこと

今日は、共通の知人のいる市議会議員の方(当選おめでとうございます!)から、投票率について質問をしたいとリクエストをいただき、あれこれ話をしました。
「選挙のことてん」アプリ制作。ユニークなことをしていると、思わぬところからご縁が広がるものですね。

最初に、今回の市議選について、市のデータをみると…

投票率 38.78%
有権者総数 1,091,147人
投票した人 423,118人
投票しなかった人 668,029人

でした。
約66万人が投票していません。そう考えるとすごい数字です。
前回  38.16%、前々回  40.39%、その前が43.60%と、じわじわ減ってもいます。


私も長く投票に行っていなかった時期があり、選挙に関心もありませんでした。そこから、ひょんなご縁で、選挙ボランティアに参加したり、調べ物をしたりして、今、思うことについてお伝えしました。

1 いろんな候補者がいること、候補者が身近になること
2 投票へのアクセス、投票のための情報へのアクセスの向上
3 (若者の…と言うのなら)子どもの頃から、日頃から声をきかれる、尊重される、反映される体験が積み重なること

1.いろんな候補者がいること、候補者が身近になること


今回の市議選で、初めて、候補者の応援に参加しました。普通にいろんな話ができて、自分にとっての選挙や政治がぐっと身近になりました。
政治家のイメージもかわりました。
(勝手なイメージですが… 偉そうな政治家先生、おじいさん、おじさんが多い、近寄り難いイメージがありました。)

「推しの候補者」がいると選挙が身近になるし、ちょっとわくわくします。そのためには、いろんな候補者がいることが大事だと思います。応援したくなる人、近い属性の人、ほんとに、いろいろいたらいいなと。

》統一地方選“前半戦”が告示も565人が無投票当選! 選ぶ余地のない選挙にSNSでは「日本はもうダメかも」

SmartFLASH 2023/4/4 17:35配信

↑ですが、政治家の成り手不足が深刻な状況のようなのです。

若者、女性、いろんなバックグラウンドをもつ人たちが、立候補しやすくなるように

  • 被選挙権の年齢条件(←下がったらいいと思う)

  • 昭和の24時間働けますか?のような選挙運動スタイル(←仕事や子育て、家族のケア、地域活動などとの両立が難しい! 当選しないと無職になるなど、立候補のリスクが大きい!)

  • そして選挙運動期間が短い(←だから、上のような選挙スタイルになるし、名前・顔が売れてる人が選ばれやすいし、無所属、新人は不利だし…)

  • 地盤や組織票の大きな壁(←無所属や新人で挑む難しさもあるし、組織のなかで次の世代にバトンが渡らない問題もある)

  • 供託金の問題

ちょっとのぞいただけでも、いろんな高いハードルを感じました。この先、制度として見直していくことが必要だと思います。
定年制やクオータ制(女性の割合が一定になるようにする制度)も検討が必要ではないでしょうか。
(そして、そんな高いハードルのなかで、立候補されたみなさんへ、リスペクトします。)
選挙運動についても時代にアップデートの必要性を感じました。

》FIFTYS PROJECT
統一地方選での2,30代女性・Xジェンダー・ノンバイナリー等の方の立候補を呼びかけ一緒に支援するムーブメント
参加していた候補者から24名の議員が生まれています


2.投票へのアクセス、投票のための情報へのアクセスの向上


投票へのアクセスがよくなる情報は、「選挙のことてん」作りのきっかけでもあります。投票の方法、期日前投票、不在者投票、障がいがあるときの合理的配慮など。地道な課題ですが、周知も、投票へのハードルを実際に取り除いていくことも大事だと思います。アクセスしやすい会場、時間、不在者投票の手続きの効率化など。
投票所への移動サポートの取り組みを行なっている自治体もでてきています。

“動く”投票所 バスで期日前投票を

NHK NEWS WEB 2023年3月26日

そして…
ネット投票が実現しないだろうか、と思います。
(どうなんでしょう…詳しい方、現状どうなんでしょうか?)

こんな記事も

》荻上チキが「どうすれば選挙で投票する?」の回答を見て思ったこと

FRaU 2021.10.12


「投票のための情報へのアクセス」は…
手持ちの情報で投票する人を選ぶのが難しい、という意味です。
立候補が少なくて無投票になったり、投票したい人がいないという悲しい事態もあれば、60人から1人選ぶ、といった大変な事態もあります。
選挙公報をみてもイメージがわかないし、選挙の前になるとみんな同じようなことを訴えているように見えるし、日頃の活動はわからないし…

市民団体のアンケートやボートマッチ(投票マッチング)など、取り組んでいる地域もありますね。杉並区議選ドラフト会議は目をひきました。

私のまわりでも、次の選挙に向けて、なにかやろうという動きもあるので、ひきつづき、投票のための情報へのアクセス向上について考えていきます。

3.子どもの頃から、日頃から、声をきかれる、尊重される、反映される体験が積み重なること


3つ目に、選挙とは直接関係がありませんが、若者の投票率、若者の政治参加、主権者教育といったことを言うのであれば、まずは、子どもの頃から、日頃から、声をきかれる、尊重される、反映される体験が積み重なることが大事なのではと思っています。授業の知識でなく、実生活の中で。
むしろそうではない体験を重ねていないでしょうか。それを作ったのは社会の構造、仕組みで、それはこれまで、私もふくめて大人たちが選んだきた政治の結果でもあります。


今の自分が感じることを書きました。素人目線なので、これからいろいろ体験していくうちに変わるかもしれません。


「選挙に行こうと言わない」のは是か?


最初に浮かんだ「選挙のことてん」のキャッチコピーです。
行ってほしい、投票率があがったらいい、という想いはありつつも、選挙に行こうと言われて行くだろうか(自分は行っただろうか?)という疑問もありますし、ことてんの役割は情報を粛々と載せることで、行くかどうかはその人が決めること、と思って作ってきました。


直球の、選挙に行こう、のメッセージはかっこいいと思いました。たぶん、だれが、何を実践しながら、どう言うかも大きいんだろうと思います。結果として、前回より22000人が投票した、の数字もすごい。
キャッチコピーの是非は、まだ答えがまとまりません。

そうそう、投票率の話題では「投票率よりも投票の質が大事」という言葉も目にしました。これもひっかかっている言葉です。

質?
投票の質ってなに?

正直、わかりません。この先、なにか自分なりのイメージが湧くようになるのか… これも進みながら考えます。


何か特別な話ではないと思う

おわりに。
今日は、地元のコミュニティカフェで、途中から初当選した議員さんも加わって、こんな話をしていたわけですが、その場に居合わせた方たち、だれかがだれかの知り合いだったりとつながりがあったこともありますが、自然に、選挙や政治の話がひろがっていました。
そうだよな、別になにか特別な話ではないよなー。と思いました。
議員さんのことを先生と呼んだりしませんしね。
率直な意見をきいてくれるのも、すごくいいですよね。

「政治家ってなにをしているのですか?」
「市民にこうして欲しいということがありますか?」 
「選挙のあとも応援しつづけるにはどんなことができますか?」
そんなことも話題になりましたので、リサーチを続けながらまとめていきます。


》「選挙のことてん」事典アプリ
iOS版/無料/投票履歴のメモが残せる

エルワイス


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