四季の中の晩秋とゆう
まだ冬には未完成の風景の中で
ちいさな花は
わずかにからだを
揺らせてみせるけれど
近い人も遠い人も
語ることなく触れもせず
花の周りを
ひそかに漂いながら
ほんのあいさつ代わりにと
円らかなものを
よろしければどうぞと
差し出しました

近い人も遠い人も
ただそのままに
愛すがよかろうと
おっしゃるので
円らかなものを
なぞっていたところ
すくすくと育ち
育って育って
育ったのちの風景を
わたしはずいぶんと
気に入ったのでした
浪漫、とゆうそれは
それはちいさな花ですが

*****

ちいさな浪漫。
いちかたまりのうた。
秋桜のうた、おしまいです。
重ねて読んで下さって
ありがとうございます。

あなたにすてきな
浪漫がひろがりますように。
いつもこゝろに浪漫を抱いて
いられますように。

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