はなまめ

誰かに聞いてもらいたい時、小さな「あっ」に 出会った時、綴ります。自然と家族のいる場所…

はなまめ

誰かに聞いてもらいたい時、小さな「あっ」に 出会った時、綴ります。自然と家族のいる場所が好きです。 豆粒のようにちまちま、ころころと 暮らしています。

最近の記事

花水木の長く続く道を歩きながら

春の暮れの日差しが新緑をますます健やかに 木々を喜びに湧かせ輝きを放ち始めました。 日に透けるような頼りない若葉も 次第に緑を深め力強い姿でそこにあります。 見頃を迎えた花水木。 花名は根から水を吸い上げる力が強く 枝には滴るほどの水を含んでいることから 名付けられたとゆう、水の木。 水を飲む人のように、そして人と関わるように。 赤や白く花のように見えるのは色づいた苞葉。 花は苞葉に守られて中心に小さく可憐に咲いています。 花水木は葉脈を愛おしみ苞葉を楽しめる樹木です。

    • 花  -吾子のうるはししをり-

      道を通って道を曲がって 見つけたはるの贈り物 さくらの散る音に耳をすませて ぽろぽろ思いだすことがある 遠いむかしへ渡るように いつでもそばにあるように 見えない目にひかりをともしたい こゝろがしずまるころ さくらはほとほとほとり ふくらかないくつもの ひかりの珠を降らせてくれる しあわせの重さは花びらくらい 沁みるほどにやさしくて 手を伸ばして触れたくなるのは こゝろに傷があってのこと 散りゆくことも花のひと日。 花見送ることも人のひと日。 ***** 出遅れたけ

      • 手のひらの小石

        空や花、風景や人たち。目がくらむような朝日。 雨の降りしきる夜明けにも。 どこを切りとっても美しくこゝろに響くものが わたしを囲むように近くにあります。 仰いでみても見下ろしてみても感情とともに 一瞬とゆう奇跡がそこにあって それは記憶に刻まれる一瞬でもあるのです。  ○○○ 小石を集めて遊んでいた子どもの頃 かじかむ手で握りしめていた小石が わたしのからだと同じ温度になりました。 冷たいものがあのようにこゝろある姿に 変わったのです。 小石をポケットに入れて時々手のひら

        • 泣いている子どものように 布団の中で丸まっていても季節のたよりが 届きました。外の風にさくらに触れたい…。 感染症で弱っていたからだに 別のウイルスにも感染しこゝろもからだも ほろほろ。 ご心配をおかけし申し訳ございません。 少しずつになりますが 息づいてまいりたいと思います。

        花水木の長く続く道を歩きながら

        • 花  -吾子のうるはししをり-

        • 手のひらの小石

        • 泣いている子どものように 布団の中で丸まっていても季節のたよりが 届きました。外の風にさくらに触れたい…。 感染症で弱っていたからだに 別のウイルスにも感染しこゝろもからだも ほろほろ。 ご心配をおかけし申し訳ございません。 少しずつになりますが 息づいてまいりたいと思います。

          こゝろ弾みます

          拝啓  お元気ですか  お変わりございませんか  寒さが日に日に  ゆるんできたように思います  ふゆの寒さの価値を  ぬくもりのありがたさを忘れはしません  凍える地中で静かに眠ることの意味も  わかっています    けれども  わけもなく うれしくて  わけもなく しあわせで  こゝろもからだも  ふわふわしてくるのです  深く息をすると風の中に  ちいさな なにか が  うふふ うふふふ と  笑っているように聞こえます  なにか に なにか が   たくさん

          こゝろ弾みます

          いつもの場所のネコヤナギ。午後の光を浴び これから花が咲こうとしていました。 ごめんねごめんねと小声で言いながら 触りまくってしまいました。 シルクのような柔らかさに やさしい光を透き通すような、わたしも そんな部分を持っていたいな。 もふもふと。 これは・・雄猫なのですよ^^

          いつもの場所のネコヤナギ。午後の光を浴び これから花が咲こうとしていました。 ごめんねごめんねと小声で言いながら 触りまくってしまいました。 シルクのような柔らかさに やさしい光を透き通すような、わたしも そんな部分を持っていたいな。 もふもふと。 これは・・雄猫なのですよ^^

          吾子のかわゆしひいな

          おとこの子は夢を見ていた おんなの子は夢を守っていた 巡りくる早春のその日 眠っていた桐箱から そろってお出になった 薄紅のほほが上がって 柳のような眉がのびて 広く厚い胸が膨らむ ここに笑みが立ち込めた とてもとても自然に ***** 桃月三月を迎えました。 ついこの前 春の産声を聞いたかと 思っていましたが まだ寒い日が続いていますね。 明日は上巳の節句 おひな祭りの日です。 わたしのふるさとでは 四月三日にお祝いをします。 母から譲られたおひなさまは 実家に

          吾子のかわゆしひいな

          独り言みたいに

          やさしくあろう と 言う 遠くを見るように 目をほそめ ひとりで見るには 広すぎるはる空を 思ったりして ただ無性に てがみを書きたくなる いま少し 待っていて ほほえむから 花のふるこの空から ほほえむから わかつもののない この空から 花と空をわたる ほほえみを *****   独り言、聞こえてしまいましたか。 独り言でしたけど 聞こえちゃいましたよね。 聞いてほしい独り言って あるみたいですよ。

          独り言みたいに

          スゥアンクゥアンスゥイウォン

          ふた月前に切った髪が少し伸びた。 癖のないまっすぐな髪に 生まれてそう時間がたっていない日が当たると 疑いもなく春を感じる。 ある日、わけあって名乗れないがと言いながら 使いらしき者がやってきた。 聞き慣れた声に和んでいたら 早々にお帰りになってしまった。 さりげなく触れたつもりであったけれど などと思っていたら使いらしき者は振り返り 嗅ぎなれたにおいを漂わせてうふふとお笑いになって ふたたび背を向けてお帰りになった。 なんとゆうか懐かしみのある風来坊のようなお方。 がしっ

          スゥアンクゥアンスゥイウォン

          カスタードクリームも好きだけれど

          やわらかな ほら貝のようなパンには チョコレートクリームが入っていて いつもどちら側から 食べようかと悩むけれど チョコレートクリームが見える 頭の方からおしりの方へと 指の腹でそれはそれはていねいに チョコレートクリームを押してゆき ほら貝のようなパンの 先っぽの方にも チョコレートクリームをゆき渡らせたら ひとくちずつちぎって チョコレートクリームを 絡め取るように口に運ぶのが チョコレートクリームへの 愛だと思うのです   Happy Valentine's Day

          カスタードクリームも好きだけれど

          嫌わないでください

          ひとつの容器に かたちを保たれながら なかよくもたれ合っています ねぎは思い出のことばを懐かしみ どこか儚く舞うかつおは もっそりもっそりひとりごとを 放つのでした 焼き含められた熱々の球の 鼻先をかすめる甘辛い匂いと 忘れかけていたときめきに頬は赤らみ さびしさが入る隙間なんて ないくらい こゝろは花が咲くように 満たされたのでした 「青のりもマヨネーズもたっぷりかけてね」 ***** 青のりは、どうされますか? お店の方に尋ねられました。 かけてください。 そうい

          嫌わないでください

          まめまめま~め。はなまめが 節分五目豆を煮ました。 ―五目豆レシピ― (材料) お豆・・歳の数+1粒 幸運・・ひとつまみ 愛情・・たっぷり  美味しく作りたい気持ち・・お好みで (ポイント) ころころとした気持ちで煮ましょう。 それが隠し味です。 皆さまに福が訪れますように^^

          まめまめま~め。はなまめが 節分五目豆を煮ました。 ―五目豆レシピ― (材料) お豆・・歳の数+1粒 幸運・・ひとつまみ 愛情・・たっぷり  美味しく作りたい気持ち・・お好みで (ポイント) ころころとした気持ちで煮ましょう。 それが隠し味です。 皆さまに福が訪れますように^^

          かをりふうわりはつみそか

          木のみきに 手を当ててごらん こくん こくん お水をのむ音が 聞こえるよ 木の周りを 回ってごらん くすくす くすくす 笑っている声が 聞こえるよ 梅林でふうわり 鼻をかすめたのは いまにも ほころぼうとしている ちいさな花 今日かもしれないし 明日かもしれないし 予告はないけれど わたしのこゝろが うれしいと言う ***** 梅はわずか一輪でも ふうわり香ります。 寒さをくるみこむような やわらかくて 甘い香りです。 今日は始まりの年の初晦日。 この頁がふうわり

          かをりふうわりはつみそか

          冬のお隣さん

          「あなたくらいの歳には、思いもしないような こゝろ持ちだったのよ」 かつて、母はわたしの歳を気にかける毎に そうつぶやいていた。 じゃあどんな風だったのと聞き返すと 「布に包むように所作を大切にするとゆうこと 所作には季節があり記憶があり、そして時があり こゝろがあるの。 派手な見格好もよいけれど すべてを見せてしまわぬように、布の中のものは 使える自分に達したら開きなさい」 祖母から母に譲られたことば、母はわたしへ渡すために たびたび繰り返し話してくれたのだろう。 母は

          冬のお隣さん

          ころんころん

          みっつあると なんだかあたたかい ころころ ころん みっつならぶと なんだかたのしい ころん ころころ それだけで それだけで しあわせそうで うれしくなる ころん こ  ころ こん  ころ  あれれ ときどき うまく  ころんできない ころん がんばってみる こ こん こ  こん  ころん ころん ころん   ころん   ○○○ 。。。○○○ ちまたの事件は遠いこだまのよう。 静かすぎるほどのここ おだやかな部屋で 豊潤なみかんを家族でいただく。

          ころんころん

          互い違いに、最後は結んで

          くるりと身をかわした日。つまづいて転んだ日。 疲れてふにゃっとなって しなびたお顔になってしまったけれど あなたにもこゝろに留まる思い出が あったろうと思います。 数々の古物語とともに小ぎれいな布にていねいに包み 人であふれているところへ「いってらっしゃい」と 年の暮れ、履き慣れた一足の靴にお別れをしました。 少し長く歩くかもしれない、そう思ったので 新しい靴を買いました。 どこまでも歩いてゆける靴。 足元がぐらつくことなく痛みも起きない。 素朴で挿し色もなく、わたしの足

          互い違いに、最後は結んで