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全日本選手権 ~頂点を見て~

 6月27日、28日と富士スピードウェイで行われた全日本選手権のU17カテゴリーに出場してきました。学んだこと、感じたことが多くありとても良い2日間でした。

個人タイムトライアル 5位(30人中)

 初日となった27日は個人タイムトライアルでした。個人タイムトライアルを走るのは初めてでしたし平坦巡航もあまり得意ではないですが、前日の試走では登りのパンチも意外とあるコ―スだったのでそれなりに上位は狙えるかなという感覚で当日を迎えました。
 マシンはハルヒルや富士山ヒルクライムと全く同じ仕様のMADONE。ノンアタッチメントでどこまで行けるのかという挑戦でもありました。
 僕より前の選手達が走り出していき、自分の出走が近づいてくるとジワジワと緊張感がこみ上げて来ましたが、今の自分の全力を出しきる以外することはないと自分に言い聞かせてスタート台へ。慣れないタイムトライアルのスタート台で少しもたつきながらも準備を完了させ、9時26分にスタート。僕の全日本選手権が始まりました。

 走り出してしまうと緊張していたのが嘘のように前がハッキリ見えるようになってきて、落ち着いて加速しながら少し笑顔を作る余裕も出てきました。脚の調子は思っていたよりも良く、最初のホ―ムストレート1往復半の区間を練習の時では刻めたことの無いペースでクリアすることができました。その後は少しペースを落ち着かせながら走っていると、前方に前走者の背中が見えて来ました。ちょうどいいのでそれを目標にしばらく走り、残り5km地点でその人をパス。前半飛ばしすぎたのか後半はややペースが落ちてきてしまいましたが、再びサ―キットに合流する地点で2人前にスタートしていた選手の背中を発見。「抜かさなければ」という使命感に駆られてペースを上げ、ホ-ムストレートで追い付いてパスし、そのままゴ―ル。

 順位は5位で1位とは47秒差でした。

ロ―ドレ―ス 8位(78人中)

 ロ―ドレ―スはタイムトライアルからホ-ムストレートの往復を抜いたコ―スで行われました。コ―スレイアウトからしてサバイバルレ―スになることが予想できたので、しっかりと前に残って勝負に絡むことを目標に走りました。
 レ―スでは、1周目に3回ほど目の前で落車に遭遇しましたが運良く巻き込まれずに進行(トンネルの中やキツいコ―ナ―に限って濡れている走りづらいコンディション)。2周目までは登りで前の選手達が仕掛けたり速いペースで登ったりするため先頭集団はどんどん絞られていきました。3周目に入ると先頭集団のメンバーは走れる選手ばかりになり、ペースも落ち着いてきたので後半に向けて脚を溜めるためと自分の下りスキルへの不信感から集団の最後尾付近で5周目までをこなしました。

 レ―スは一時50秒差の逃げができたりもしましたが結局潰されてひとかたまりで最終周に突入。すると残り6km付近から始まる登りで優勝候補の岩田君がアタック。チャレンジロ―ドでの走りを見ても逃がしてはいけない相手でしたが、牽制が発生してしまい追走が纏まらない...。これはマズいと思い残り4.5km地点で先頭に出てペースを上げ、追走を促します。そこでとりあえず回り始めたかと思いましたが、積極的に追走に参加する選手が少なく結局追い付ききれないままラスト1kmへ。7番手ほどで最終ストレートに入り、残り600mほどで最後の登りで飛び出した選手を目標にロングスプリントを開始。登りで疲れた選手を千切っていきたいところでしたが僕にも思っていた以上に脚がなく、ピッタリ張り付かれて残り100m付近から捲られはじめ、結局8位でフィニッシュしました。

 レ―ス後に確認してみると前輪のタイヤの空気が指でへこませられるほどプニプニに((( ;゚Д゚)))。初期不良(?)で空気の抜けが早めなtubolitoでしたが、まさかここまでになっているとは...。もしレ―ス中に抜けきってしまっていたらなんて考えると背筋が凍る思いがします。他の選手に迷惑をかけないためにもしっかりチェックせねば...。

反省

 今回のレ―スでも僕の課題はしっかり浮かび上がってきました。
 まず、初めてだったことも在りますがタイムトライアルのペース配分が上手くできていなかったこと。もっと自分の脚をしっかり把握して最適な走り方を学んでいきたいと思います。
 また、ロ―ドレ―スではゴ―ル前の駆け引きで落ち着きを欠いていました。もっと冷静な判断を下すことを意識していきたいです。

レ―スを終えて

 1年前、僕にとって全日本選手権とはサイトで情報を確認し、「スゴいな~」なんて言ってるものでした。もちろん出てみたいとは思っていましたが、現実的に出られると思うかと問われれば、首をひねるしかなかったでしょう。さらに言えば、2年前の僕は自分がこれから自転車競技をするということ自体想像していませんでした。そんな僕が全日本の舞台で2種目とも一桁順位を取ることができたというのは、少し信じられないとすら思えてきてしまいます。始まりは敗北でした。悔しさが始めさせたトレーニングは確実に僕を強くしてくれました。
 しかし、もちろんここがゴ―ルだなんて微塵も思っていません。どちらの結果も1年前の自分からすれば望外の結果でしたが、今の僕には100%満足したとは言えないものです。今回全日本選手権という大舞台で頂点を見ましたが、そこは途方もないほど遠いと思う所ではありませんでした。だから弱点を克服し、もっと強くなって次こそは表現台へ乗ってみせる。そのためにこれからもコツコツと淡々と、自分に嘘をつかずに努力していこうと思います。

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