インカレロードの記事に関するお詫びと訂正・お願い

 先日は私の投稿した記事、「インカレロードの事故を見て・感じ・考えたこと」(以後「前記事」と表記)をお読みいただき、また様々なご意見を下さりありがとうございました。予想をはるかに上回る反響をいただいたことで私自身非常に驚いています。お寄せいただいたご意見については一つ一つに返信することはできないもののすべて目を通させていただき、考えを深める材料とさせていただいております。
 ただその一方で、前記事を読んだ一部の方が記事の内容をもとにして亡くなられた選手のご遺族・関係者の方に対する問い合わせを行い、結果として問い合わせを受けたご遺族・関係者の方を精神的に傷つけてしまうというような事態が発生してしまっているとの報告を受けました。またそうでなくとも私の至らぬ表現により前記事を読んだ一部の方に私の意図したものとは違う解釈のをされてしまっている部分があることも確認しております。よって当記事では前記事の発信により生じた問題に関する私から皆様へのお詫び及び訂正、そしてお願いをさせていただきたいと思います。

お詫び

 まず前記事をお読みくださったすべての皆様に、前記事の内容についてお詫びさせていただこうと思います。前記事は事故後なるべく早く現場にいた人間による情報を発信することで、多くの方の関心が向いているうちに建設的な議論の土台を提供したいとの思いで執筆させていただきましたが、そのため細かい部分の表現に対する推敲が甘く、また私自身が目で見て確認していた情報と伝聞で確認した情報を混ぜて発信してしまったために誤解を生みかねない部分が含まれていました。このような私の短慮、力不足により誤った認識を発生させてしまったことは事故後の議論に対して悪影響を及ぼしかねないものであると認識し、深く反省しております。誠に申し訳ございませんでした。
 また亡くなられた選手のご遺族・関係者の皆様につきましては、私の発信が事故後間もなく、ただでさえ思いがけないことのあった皆様の心の平静をさらに乱してしまう原因となってしまい痛恨の極みであります。私の浅慮のために多大なるご迷惑をおかけしましたことを大変心苦しく思い、お詫びの言葉もございません。
 今後の発信についてはこれまで以上に細部にまで気を配り、今回のようなことが再び起こらないように意識を改めさせていただきます。今回の事態につきまして、重ねてお詫び申し上げます。今後も自転車競技の発展・安全性向上についての発信を続けさせていただきますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

訂正

 上記の通り前記事には訂正、あるいは注記が必要な部分がいくつか含まれています。前記事本文については本記事のアップ後迅速に表現の訂正を行いますが、私が別で訂正、注記するべきであると考えた箇所につきましてはこの記事内で説明させていただきたいと思います。

・当日・事故当時の天候について
 前記事では前提条件の章にて当日の天候について、「レース当日は台風の接近の影響もあり雨が降ったりやんだりの不安定な天候で、特にレース前半にかけては雨粒が痛く感じるほど激しく雨が降る時間帯もありました」と記載していました。この記載より一部の方には、事故当時あるいはレース開始前に非常に激しい雨が降っていたとの誤解が生じているようです。まずこの「雨粒が痛く感じるほど激しく雨が降る時間帯」ですが、これは記載の通りレース前半、具体的に言えば2周目の後半の平坦区間をメイン集団が走っているときのほんの数分のことであり、レースの開始、および大落車が発生した4周目の下りとはそれぞれ1時間ほどの時間差がありました。落車が発生した当時にどの程度雨が降っていたかというのは私自身はっきりと記憶しているわけではないものの、少なくとも前方の視界に大きな問題が出るほどの大雨ではなかったと記憶しています。またレース開始前の天候については確かに雨も降ってはいたものの、全天候型の競技であるロードレースにおいて中止判断をせざるを得ないようなひどい天候(例を挙げるのであれば雷や土砂崩れ、道路の冠水などが想定されるほどのもの)ではなかったように記憶しています。

・事故当時の道路の状況について
 事故当時の状況について私は前記事において、「私自身落車しないように自転車を動かすのに精一杯だったため気付いていませんでしたが、巻き込まれた選手によるとこの時コーナーのイン側には雨水の流れによって川のようになっている箇所があり、これが落車の原因になったのかもしれないとのことでした」と記載しています。この内容にある通り道路に川のような流れができていたというのは伝聞であり私自身が確認していたものではないため、実際の状況や落車の原因等の特定については今後発表されるであろう学連や警察等による報告をお待ちいただきたいと思います。

・亡くなられた選手の落車状況について
 亡くなられた選手の落車時の状況については前記事において、「今回亡くなった選手については落車時に電柱に激突したとの話を聞きました」と記載しました。ただこの話についても、私がレース後に数名のスタッフ、および選手より伝聞で得た情報であり、私自身が確認したものではありません。実際の状況については同じく学連や警察等による報告をお待ちください。

・落車に対する選手の意識について
 前記事に対する反応において一部、自転車競技の選手たちは集団内において落車することや周囲の選手たちを落車させることを受け入れているのではないかとの指摘をする内容のものがありました。おそらく私が前記事において落車の発生自体を防ごうとする議論を飛ばしたことなどがこのような理解を生む原因となってしまったのではないかと思うのですが、結論から言えば大多数の選手たちは自らが落車することも周囲の選手を落車させることも受け入れてなどいません。レース中は多くの選手が常に周囲にいる選手との位置関係を気にかけてなるべく落車が発生しないように努めていますし、実際に落車が発生してしまえばその落車はどのようにすれば防げたのかという議論を繰り返しています。このような議論はもちろん国内のみならず、世界中で行われていることです。私が落車の減少、消滅に向けた議論を避けたのは私自身が競技者として未熟であり、さらに今回の落車については原因がいまだ判明していないからです。このような状況で私が落車について論じても、それは不適切かつ不十分なものにならざるを得なかったでしょう。そのため私が論じなかったということと、自転車競技の選手たちが落車を受け入れているか否かということは全く別の問題であるということをご理解いただきたいと思います。

お願い

 長々とした文章になってしまいましたが、最後にここまでこの文章を読んでくださった皆様に二つほどお願いをしたいと思います。

 まず、前記事やこの記事の内容、およびに事故当時の状況について何かしらの疑問があり、その疑問を早期に解決したいと思われる方はまず私にご連絡ください(本記事の末尾に私のTwitter,facebookのリンクを貼っておきます)。早期の解決を必要としない、あるいは私に連絡したうえで満足に思う回答が得られなかったという方は今回の事故に関する情報が学連や警察といった公式の機関で発表されるまでお待ちください。間違っても私以外の関係者や亡くなられた選手のご遺族等に問い合わせを入れるといったような行為はおやめいただきたいと思います。特に亡くなられた選手のご遺族・関係者の皆様にとって現在は事故からいまだ一週間ほどしかたっておらず、静かに亡くなられた選手を弔いたい時期であると思われます。皆様にはぜひともその心情を理解しようと努め、ご遺族・関係者の方々が平静に時を過ごせるようにご協力していただきたいと思います。

 また前記事は多くの方の目に触れ、私の至らぬところから多くの誤解を生んだことかと思います。そのため前記事で生じた誤解を一つでも多く取り除き、また上記のお願いを一人でも多くの方にお読みいただきたいと考えておりますが、私一人ではとても力不足です。そのため皆様には本記事のSNS等での拡散にご協力をお願いしたいと思います。重ね重ねご迷惑をおかけすることにはなりますが、是非ともよろしくお願い致します。


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