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香港で財布をスラれる。詰みかけた彼女の話。

こんにちはKosukeです。
つい先日、私の彼女が香港1人旅をした際にスリにあい、財布を盗られて詰みかけたので、その話を共有します。香港旅行の参考になれば。

スリは突然に

香港に到着した彼女は入国審査を終えるとすぐ電車で中心部へ向かい、電車から見える香港の高層ビルが連なる景色を私にWhatsAppで送ってきました。
彼女が興奮しているのもそのはず、彼女は「恋する惑星」や「花様年華」で有名なウォン・カーウァイ監督の作品に魅せられて香港に憧れており、彼女にとってはついに念願の聖地巡礼なのです。「夢見ていたウォン・カーウァイ監督の世界に行けてめっちゃ嬉しんだろうな」と思っていた1時間後、私の元に一件のボイスメッセージが届くのです。興奮を抑えきれないのかなと思い、開いてみると
「I'm having breakdown now because my wallet is gone and I'm like here in rush hour and I don't know where to go Why the fuck this happened to me Literally everything was in there(財布が消えて完全に詰んでしまった。しかも帰宅ラッシュでどこ行けばいいかも分からないし、なんでこんなことが私に起こったん、、財布に全部入ってたのに)」と彼女が泣き叫んでいるのです。
彼女がこんなに泣いているのは初めてで、状況的にもかなり詰んでいる様子だったため、こちらも大パニックになり、ここ(夕方)から深夜まで私は彼女救出大作戦を行うことになるのです。

スリが発覚してからとった行動

彼女が財布が盗まれていることに気づいてから、彼女と私それぞれ取った行動を紹介します。

彼女(現地)の行動

まず彼女は駅のスタッフがいる所に駆けつけ状況を説明しに行きました。流石は国際都市香港、英語が通じます。ひとまずスタッフは彼女を改札から出し、駅に隣接する交番へと連れて行きます。そこで状況を説明しや財布の特徴、クレジットカードの番号(財布を発見した際に確認するための大まかな番号)など事細かに伝えます。警察も色々と質問したようで1時間ほどかかったようです。
結果的には中央警察の方に行ってもらい被害届を出せとのこと。交番での時間はなんだったんだと拍子抜けする感じですが、中央警察署へ行くことになります。そしてまた中央警察でも同じ様に状況を説明し、色々と質問攻めにされて1〜2時間ほどかかった模様です。
彼女の話をでは、被害届を申請するという点以外では中央警察も交番と同様のことをしており、早急に駅の監視カメラを確認するなどスリに対して積極的な行動をとってはくれません。ですが、現金もカードも全くお金が無い彼女が次のフライトまでどのように滞在するのかはとても心配していたようで、夕食をくれ、また香港の知り合いがいるかどうか、その人の電話番号や今から迎えに来れるか等を聞いてきました。

ちなみにクレジットカードについては、スリ発覚後即座に銀行に電話をかけ、凍結したため、被害を防ぐことが出来ました。一方で財布に入っていた現金や身分証明書等は戻ってきませんでした。その後、犯人はマクドナルドでカードを使おうとした様です。

私(日本から)の行動

一方で、大パニック中の私はある切り札があることを思い出します。
そうです!私にはヨーロッパ交換留学中に出会った香港人の友人が沢山おり、なかには日本で一緒に旅行した親友もいるのです!
急いで親友①に「今何してる?今日空いてる?」と連絡すると、運よく即座に返信があり、ざっと今の状況を説明し、私、彼女、香港人の親友①で緊急グループチャットを作成し、情報共有を開始します。親友①がクレカ凍結の話や、香港の公共交通機関の仕組み、ApplePayが使える話などをしてくれ、また警察にも親友①の連絡先を共有します。また、このトラブルが今日だけで解決せず、親友①の予定が合わない際のバックアップとして、香港人の親友②にも助けを求めます。
そうこうしているうちに、彼女は中央警察署へと行くことになり、彼女が警察と話している間に、私と親友①はプランを練りました。まず前提として彼女はホテルを既に予約しており、パスポートは無事なため、とりあえず今夜彼女が必要なものはホテルまでの移動と食事です。したがって、親友①が彼女のために警察署からホテルまでUberを送り、またホテルに食事のデリバリーを届け、翌日に親友①が現金を貸しに行くという案が出ました。また親友②も必要ならば彼女に現金を貸してくれるとのことで、全ては上手くいきそうでした。

救世主 香港の親友①

しかし、そう上手くはいかないのが人生です。よくよく確認してみると彼女はホテルを予約しているものの、現地支払いにしていることが分かりました。私達が考えたプランはあくまで今晩彼女自身が支払いをする必要がないように親友①がアプリを通して移動や食事を彼女に提供するというものであり、ホテルのチェックインの支払いは予想外であり、またリモートで対応することが出来ません。完全に詰みです。Uberで彼女をホテルまで運び、フードデリバリーで食べ物を届けても肝心の宿がありません。
もうこうなったら残る方法は一つです。私は親友①に更に頭を下げ、彼女を迎えに行くようにお願いしました。親友①も腹を括り、すっぴんにマスクで往復2時間以上かけて彼女を中央警察署まで迎えに来てくれ、コンビニで彼女の分の食べ物を買い、4日分のホテルの支払いをし、更に現金を2万円ほど彼女に貸してくれました。(彼女はPayPalで即座に親友①に返金)こうして夕方から深夜にまで及ぶ彼女救出大作戦は無事終了しました。

まとめ

今回の件で改めて海外旅行、特に一人旅におけるスリの怖さを実感しました。これが仮に全く言葉が通じない国で、知り合いも全くいない、スマホも取られていたらと想像すると恐ろしいです。
一方で、今回の件を防ぐために彼女側が出来たこととして、①財布を複数持ち現金やカードを分散させ、仮に財布を1つスられても耐えれるようにする。②エスカレーターや階段などでは荷物を手前に持ち、後ろから鞄を開けられないようにする。などが考えられます。
①については私も一人旅をする際には財布二つに現金やカードを分けて、また携帯を取られた際の手段としてパソコンor予備の携帯を持っていました。また②については彼女は恐らくエスカレーターに乗ってた際に取られた様で、このような後ろが無防備になる状況下では荷物を前に持ったり、鍵をつけることをお勧めします。

余談

ちなみにいくらお金持ちの香港人と言えども、あくまで学生、急に大金は持っていなかった様で親にお金を借りたそうですが、その際に親に「会ったこともない人に大金を貸すのは危ないんじゃない?」と言われたそうです。しかし、親友①は私との仲の良さを説明し、親も納得したとのことです。改めて考えてみると、いくらスリで絶望的な状況に陥っていると言えども、あくまで「会ったこともない友達の彼女」のために夜に往復2時間もかけて迎えに来て、6〜7万円ものお金を貸す。そのくらい互いに信頼している親友が香港にいたことに本当に感謝しています。今回の一件は海外1人旅でのスリの怖さを実感するのと同じくらい、現地の親友がいることの重要性を改めて考えさせてくれました。そして今回、親友に大きな恩が出来たため、次回会う際には私がこき使われることが確定しました笑


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