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人生はオルゴールのピンを刻むようなもの

人生を歩むことは、オルゴールのピンを刻んでいく作業のようなものかもしれない。

例えるなら、オルゴールのシリンダーは「時間」の象徴で、そこに刻まれるピンは、人や物との出会いなどの「出来事」。シリンダーは時の流れとともにゆっくりと回っていて、そこにピンが刻まれていく。刻まれたピンで琴が振動し、音が鳴る。

現在進行形では、出来事があるたびに「音」がポロンと鳴っているだけなのだが、時々、僕たちはネジを巻き戻すことで、過去を振り返り、今まで歩んできた道のりをメロディー(=出来事の連なり)として聴くことができる。

巻き戻したネジ分、歯車が回り終えると、シリンダーは時の流れと同様の速度になり今に接続する。メロディーを聞いて、今までやってきたことを反省し、これから進むべき道を決めて、より良いメロディーにすべくピンを刻んでいく。

行動的に色々な経験をすれば、ピンの数が多くなり、リズミカルなメロディーを奏でるだろう。逆にピンの密度が低ければ、ゆったりとした安らぐメロディーとなる。

音域が多彩であれば、ビックバンドのような豪華でキャッチーなメロディーとなり、音域は少なくても素朴で素敵なメロディーを奏でる場合もある。
メロディーとして考えれば、どちらが優れているかは決してない。

人生の終わりに、最後の走馬灯でネジが巻き戻り、歩んできた道のりがメロディーとなり流れて止まる。この後、シリンダーは完全に停止し、これ以上ピンを刻むことはない。オルゴールはそこで完成形となるのだ。

僕のオルゴールは、最終的にどのようなメロディーになるのだろうか。不器用なので音域は少なく、ゆっくりしているかもしれない。でも聴いていると心に響くような素敵なメロディーになったらいいなと思う。着実にピンを刻んでいこう。


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