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春秋左氏伝

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『春秋左氏伝』に関する記事をまとめています。
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記事一覧

理解できない相手からは離れて、自分の理解者との時間を大切にしよう(『春秋左氏伝』襄公三十一年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』襄公三十一年からの言葉。 人の心がそれぞれ異なっているのは、人の顔が一人ひとり違うのと同じようなものだ、という意味。 つまり、人の心はそれぞれ異なっているのだから、それを踏まえて行動しなさい、ということですね。 この言葉は子産という、春秋時代を代表する政治家の言葉になります。 孔子よりも一世代くらい前の人物です。 子産のことは孔子も高く評価しており、「子産には君子に相応しい行いが四つあった」と語るほどでした。 ちなみに、その4つは以

「挑戦」と「失敗」が歓迎される時代は目の前に来ている(『春秋左氏伝』定公十三年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』定公十三年からの言葉。 医者たるもの、三回は肘を折るような失敗と経験を積み重ねなければ、良い医者にはなれない、という意味。 医者というのは、今も昔も経験が重要な職業です。 たとえ知識や資格があっても、手術の経験が一切ないような医者には、重要な手術を依頼したくないですよね。 大切な人の手術になればなるほど、経験豊富なお医者様に依頼したくなるのが人情というもの。 つまり、人から信頼されるほどの専門性を身につけるには、何度も挑戦をして失敗と

大人の学びは人生を実り豊かなものにする(『春秋左氏伝』昭公十八年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』昭公十八年からの言葉。 学問とは、草木を植えて繁殖させるようなものだ、という意味。 学ぶことの重要性について語られた言葉です。 つまり、学問は人を育み、草木が生い茂るようにその人の人生を豊かにする、ということですね。 大人が何のために学ぶのか、という議論を時々見かけます。 子供の時に散々学校で学んできて、ようやく大人になって自由になれたのに、どうして貴重な時間を使って学ばなければならないか、と。 言わんとするところは私も理解できます

2600年を経ても、やっぱり基本が一番大事(『春秋左氏伝』襄公二十四年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』襄公二十四年からの言葉。 何事も基礎がしっかりしていれば失敗することはない、という意味。 春秋時代の著名な政治家、子産(しさん)の言葉です。 つまり、何事も基礎・基本が大事ということですね。 子産は、時期としては孔子の一世代前に活躍した人物で、孔子にも大きな影響を与えました。 孔子は以下のように子産について語っています。 孔子先生が子産を評価して仰った、「子産には君子に相応しい行いが四つある」と。 という意味。 具体的には以下の

自分の力が及ばないことの成否はあまり気にしない方が良い(『春秋左氏伝』僖公二十三年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』僖公二十三年からの言葉。 天命が成し遂げようとしていることについては、人の身ではどうすることもできない、という意味。 啓くとは運命を切り開くということ。 つまり、自分の意思や行動でどうすることもできないことは気にしても仕方がない、ということですね。 日々を過ごしていると色々なことがあるものです。 運の良い日もあれば悪い日もありますし、うまくいくこともあればうまくいかないこともあります。 不運やミスが続くと気持ちも落ち込んでしまうかも

気にしない習慣を身につけると人生が生きやすくなる(『春秋左氏伝』僖公九年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』僖公九年からの言葉。 他人を忌み嫌えば、必ずその人から恨まれる、という意味。 「人を呪わば穴二つ」という言葉もありますが、誰かに対する負の感情は巡り巡って自分に返ってくる、ということですね。 私のnoteを読んでくださっている皆様は優しい方々ばかりなので、こちらから自発的に負の感情を向けることは少ないと思うのですが、社会で生きていると色々な方に出会う機会があります。 ちょっと相性が合わないだけならまだ良いのですが、時としてそうではない場

トラブル中に嫌な予感を感じた場合は、放置せずに対応すべし(『春秋左氏伝』荘公二十年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』荘公二十年からの言葉。 災難に直面しているときに心配事を忘れてしまうと、その心配事は必ず後で禍いとなってやってくる、という意味。 つまり、トラブルの最中に感じた不安をそのままにしておくと、後で別のトラブルとして表面化してしまう、ということですね。 仕事でもプライベートでもそうですが、トラブルが起こると人は大なり小なり焦ってしまいます。 そもそもトラブル自体が嫌なものですし、急いで対処しないと被害が拡大してしまうかもしれないからです。

何事も早めの対応が大事(『春秋左氏伝』隠公元年)

今回取り上げるのは『春秋左氏伝』隠公元年からの言葉。 悪いものは、蔓草のように伸びないうちに対処しなければならない、という意味。 蔓草や雑草が茂ってしまうと、後始末が大変になります。 そうならないように、悪いものや気になることは早いうちに対処しておきなさい、ということですね。 仕事や用事でもそうですが、何事も早めに済ませてしまった方が気持ちがすっきりします。 後回しにしていると、いざという時に体調を崩したり、天気が悪くなって外に出るのが大変になったりするものです。