苦しみの答えは自分の中に
まだ現実に取り組んでもいないのに、不安ばかりが頭をよぎり、心が圧迫されて苦しんでいる人がいます。
明らかに超えられないハードルではないのに、出来ないと決めつけてしまう人がいます。
心をコントロールできず抜け出せない苦しみを感じて、閉塞感に苛まれています。
読んでいただいている方の中で、私のことのよう。と感じる方もおられるのではないでしょうか。
今日は、例をあげて、苦しんでいる現実は外にあるように感じますが、実は、自分の心の中で起こっているということを、書いてみようと思います。
Aさんという苦しみを抱えた方がいるとします。
Aさんは幼少期、父親が、母との関係が悪くなり何も言わずに家を出て行きました。
Aさんは、何も聞かされていません。
そしてある意味づけをします。
「私のことなんてどうでもいいんだ。」
「私を捨てたんだ。」
Aさんは心にそんなガムテープを貼り付けました。
5大ネガティブの「無価値観」のガムテープです。
母は、そのことで、今までに増して、精神的に落ち込み、家事もままならず、Aさんの身支度や食事なども出来ないほどになり、家の中はゴミだらけ、小学生高学年には、精神病院に入院して、Aさんは施設へ預けられました。
Aさんは更にガムテープを貼り付けます。
「私はひとりぼっち。」
5大ネガティブの「寂しさ」のガムテープです。
これらのガムテープは人生の中で更に思い込みを強化していきます。
「私は、愛されない人間。」
「私は、価値がない人間。」
人生の出来事の中で次々とネガティヴな思い込み(ガムテープ)が派生して作られていきます。
Aさんはやがて施設を出て、仕事に就くことになります。
ガムテープは貼られたままです。
Aさんは、仕事中思います。
「あの人はなんでこんなにできるんだろう。」
「なんで私は、あの人と比べてこんなに出来ないんだろう。」
Aさんには、会社に行けば行くほど苦しみが増してきます。
苦しい原因を見いだせないAさんは、私が苦しいのは、会社のBさんが悪いからだと思うようになります。そしてBさんの持ち物を隠したり、捨てたりするようになります。やった瞬間はスッキリしました。しかし、また苦しみはやってきて、また悪いことをしようとします。やがてその行為がバレてしまい、会社を辞めることになってしまいました。
「自分は何てダメな人間だ。」
「生きていない方が楽だ。」
と死にたいと思うようになります。
Aさんはなぜ、このような人生を送ることになったのか。
それは明白です。
機能不全家庭で育ち、貼り付けたガムテープに気づかないまま、社会に出て、苦しんでいる原因が自分の外にあると思い込んだからです。
苦しみからの解放を目指すとき、それは、心に貼り付けたガムテープに向き合うしかありません。
苦しみは心の中で起こっています。
答えは自分の中にある。
ガムテープが見えてきた時、Aさんは、何にも悪くなかったことに気づきます。
幼かったAさんに悪いことなどあるわけもないのです。
今日もお読みいただきありがとうございました。