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流人道中記(浅田次郎)上下巻を読んで荒ぶった


タイトル通り「流人道中記」を読んで色々考えてしまってツイッターにいっぱい書きなぐっちゃったので、こっちにコピペしてまとめとく

あらすじ面白そうなので買ってみた
夜から読む〜
"流人道中記(上) (中公文庫)"(浅田次郎 著)a.co/2ujNIfW

読み始めて、主人公1人称で話が進むようだが、地の文が「僕」なのが時代小説っぽくなくて面白いと思ったけど、話し言葉はちゃんと時代劇しててますます面白い😄

小説は幕末は全然得意じゃないしドラマも薩摩絡まなかったらいまいち見ないけど、ここ何年か読んでる小説や漫画案外幕末あるな
いわゆる幕末物とは違うのも多いけど
無尽が現在進行形で次が待ち遠しい
いちげきはまさかの推しがかっこよくご登場で泣いた
幕末相棒伝の原作も面白かった

絵金闇を塗るも時代的には幕末だよね
あれはなんとも言えない文章から匂い立つようなエロチシズムがたまらん
今読んでる途中の流人道中記が文中でも書かれてるように幕末の動乱なぞ遠い世界の出来事のような感じで話が進んでる
まだ上巻途中なんでこの先何がどうなるかわからんけど面白い一路も同じくらいの時代だけどいわゆる幕末物とは雰囲気が違う
南国太平記は文体が古いのがちょっと読みづらいけど途中で止まっちゃってるからちゃんと読み直したい
今これ再び実写化せんかなあ

上巻いいところで終わったのでお楽しみ!!!
"流人道中記(下) (中公文庫)"(浅田次郎 著)

読み終わった瞬間にそんな終わり方なの!!!ってなんかポロポロ涙が出ちゃって!


主人公の新米与力の石川乙次郎がマア完全に私と性格が同じ考えすぎる質で、長い旅の相棒である元大身旗本青山玄蕃に対する印象の変化がわかりすぎて最後の最後に悲しくなっちゃった😭

最初から話の先が読めぬと思いながら進んで乙さんが余りにも自分と同じ思考でせつなくて往路の終着点で突然話は終わってしまって乙さんはこの先どんな気持ちで一人江戸へ帰るのかとか、無事家に帰った後幼い妻との関係はどうなるんだろうかとか、出自故に辛い立場で過ごす職場でのこととか乙さんのことばかり本に描かれなかった先のことが気になって気になって

玄蕃の先の身の上も気にはなるけどこれは当人が自分で選んだ道なのだからまあよかろ
でもその矜持に寄って巻き添えに家や暮らしを失った一族郎党のことを思うと玄蕃のことを単なる好漢とも思えないし、何よりあっけらかんとしてるようで、武士の体面だの歴史の重みだの一人で背負ったような気になってる玄蕃に腹が立つし

でも長い旅の果にそんな玄蕃に最後は心許す乙さんがあまりにも可哀想で本当に彼の先々が案じられてならない
時代は幕末だから数年もしないうちに世の中が変わって自由に行き来できて再び会ったりするのかな

私はあっけらかんと明るく楽しいワクワクする話が好きなので、時代劇でも時代小説でもイデオロギーを感じさせるようなめんどくさいのは嫌いなんだけど、今作は色々考えさせられながらも最後まで「この話の落とし所は一体何なんだ?」と考えながら、それは各章で玄蕃が引き起こす騒動に対しても、この話全体に対してもずっと感じながら読んでいて、玄蕃の魅力的で鷹揚でいて先の読めない性格に乙さんと同じようにイライラしながらも最後まで惹き込まれて読んでしまった

私は時代劇が好きで武士とか武家社会とかいうものをかっこいいと思ってるのでそれを否定されたような話にはちょっと苛つくがそれを上回って引き込まれる面白さがあった

できるならば主人公の数え十九の新米与力、石川乙次郎のその後を知りたい
続きは出ないのかな


流人道中記いま検索してみたらもとは新聞連載だったのね
20代前半ぐらいまでは真面目に新聞隅々まで読んでたけど新聞連載小説ってどうも苦手で
記憶力が人並外れて弱すぎる私は細切れに話を毎日読まされるのは本当に向いてなかった
昨日の筋書きも忘れるしうっかり読み飛ばすこともあるし

浅田次郎の時代小説読むのこれで3作目
一路はNHK版が好きで読み始めたらドラマ以上の面白さキャストそのままでドラマで描かれなかった部分もやってほしいと思った
次は大名倒産、浅田次郎で他に面白そうなのないかなとアマゾンであらすじやレビュー見て買った
面白いんだけどちょっと余計な味付けというか、これいらないなーと思った部分があって、でもそれをなくしてしまったらこの作品の面白さは半減するかもしれないとも思ったり今年映画化も控えてるから楽しみ
そして今日読んだ流人道中記で3作目
アマゾンのお薦めに出てきたあらすじ読んで身分差バディ物面白そうぐらいの感じで読むの決めたら単純に面白いで片付けられる作品じゃなかった
きっと読んだ人の多くは青山玄蕃の方に惹き付けられるのだろうけど私はひたすら石川乙次郎が案じられてならなかった

一路も流人道中記も時期的に幕末真っ只中なんだけどそういうのはどこか遠くの空の下といった感じで話が進むし、あと何年かしたら大政奉還なんだよなあ。その頃彼らはどうしてるんだろなあと作者の頭の中にしか答えがないだろうことに思いを巡らせてしまう

主人公のその後が気になりすぎ


彼自身にある問題は作中で何一つ解決してないんだよな
でもこの旅の中で何かしらの成長や変化はあっただろう

玄蕃に文句を言う→浅慮を嗜められる→「僕はなんて浅慮だったのだろう」の繰り返しだったので乙次郎もっと自信持て!ってなった😄

大名倒産原作ではしっかり薩摩藩のふみたお(´ρ`*)ゲフンゲフン
もとい薩摩藩の財政については詳細に説明されております💰
映画でも出るかな😁
同じ浅田次郎原作の流人道中記でも大藩の石高の話で薩摩藩も引き合いにだされるので「籾高」を知ってる方はその前後の話で思わず苦笑いできます😁

「大名倒産」で薩摩藩のことが引合いに出されるの図

気に入った時代小説いつもなら何度も繰り返し読むんだけど流人道中記は主人公乙次郎に完全に感情シンクロしてしまってとてもしんどかったので、もう一度あの感覚を味わいたいと思いつつも、あまりにも読んでてしんどかったので手に取る気になれない

それでも面白かったんだよねー

そもそもドラマも映画も小説もちょっとでもしんどい話が嫌いで、すぐ「もういいです」ってなる自分が、わぁしんどいわこれ、って思いながらも最後まで読んじゃったんだからよほどだよねえ
物語としての最後に突き放された感がすごいので乙次郎は最後にしっかり顔を上げて進んでいこうとしてるのに、わたしは

「え?ここで終わり?そりゃないよこの先乙次郎どうなったのさ〜!!」

ってなって、前向きになれた主人公を最後の最後に自分に投影できなくてもうなんか泣いちゃったよね

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