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母の記憶

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アルツハイマー病とわかった母の、過去から未来へのあれこれを記録していきます。
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母の記憶(4)~抵抗する認知症の母に追い詰められていくわたし~

イラストは「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。内容とは関係ないのですが、あまりにも愛らしく美味しそうで選びました。美味しそうという感覚は生きるために必須ですよね。 ひとりで行ける、ヘルパーいらん!すぐキレるようになってきた 他人のことのような見出しですが、 本当のところ、わたしもすぐキレます。 ただ、おばさんになって、 キレても、キレた感情が、 長続きしないんですよ。 これは大発見です。 すぐキレて、すぐ忘れる。 ん? これは今の母です。 あ

母の記憶(3)~頭がもやもやするという夜に~

画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。カラフルな小さなものが飛び出してくる感じが、何が出るのかわからない母の頭の中のような気がしてきたのです。こんなに美しいものではないと思いますけれど。 三人分のおかずが並ぶ気づいたら、いつの頃からか、 母が三人分のおかずを、 テーブルに並べるようになりました。 2年前に他界した父の分を、 また作るようになったのかと、 初めて見た時には驚きました。 でも、これはもっと大きな驚きの、 前触れだったのです。 ねえ

母の記憶(2)~火に覆われた町がとてもきれいだった~

画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。当時、母が毎日見ていた空はこんな感じだったのではないかなと思いました。 昔、日本はアメリカと戦争をしていたという何年前かは忘れたのですが、 街頭インタビューで、 日本とアメリカが戦争をしていたのを、 知っていますか?と、 若者に質問するという企画がありました。 なんてバカな質問かと思っていたら、 知らないという若者がいました。 このことが妙に心に残っています。 知っていても祖父母の時代です。 あの戦争を

母の記憶(1)~アルツハイマー病の診断と共に~

画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました。これ、わたしには夕日に見えるのですが、水面を見ると朝日のようです。どっちかな。 この不思議な場所にいつか行ってみたいと思います。 アルツハイマー病と診断された日にまぶしい陽の光の中を 今日、母の検査結果を聞きに、 電車を乗り継いで出かけました。 遠いのですが、 信頼できる病院を見つけました。 どれだけ遠いかというと、 電車を二度乗り換えるくらいです。 交通費二人分、バカになりません。 でも、いい先生を見つ