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事業立ち上げを経験した社会人4年目がすごく濃かったという話

社会人5年目になった!
学生の頃は社会人5年目を迎えた自分なんて想像できなかったし、すごく遠い存在に感じていた。
でも、なってみたらなんてことはなかった。

4年目の1年間はすごく濃かった。
それまでの3年間もそれぞれ濃かったのだが、この1年はなんか違った。
だからそれを記しておく。



なぜ濃かったかって、それはきっと自ら事業部長になり、事業を立ち上げたからだ。
事業をマネジメントするマネージャーと、事業以外をマネジメントするマネージャーでは、必要とされるものがまったく違った。
「今まで通用していたことが通用しない」という経験をたくさんした。

このような貴重な機会を与えてくれて、サポートしてくれた会社に感謝しかない。

「立場が人を作る」とはよく言われるが、自身の経験を通じてそれは本当だと言える。
誰しも新しいことに挑戦するときは、考え方もスキルも人間性も、たぶん何もかもが足りていない。
しかし、本気で何かに挑戦したいとき、それらは自然とついてくる。
わたしは「カラッとペーパー」という商品を企画し、開発し、販売している。
たったひとつの商品をつくりあげて世の中に出すというだけでも知るべきこと、やるべきことはたくさんあった。

・食品に使える紙はどれぐらいの種類あるのか
・特許はどうやったら取れるのか
・まったく新しいものを製造してもらう工場探しの苦労
・食品に使うものなので安全性をどう担保するのか
・いかに原価を抑えるか
・安全性を担保するうえで、一次情報に触れるため厚労省に問い合わせを入れてみる(社長に「役人の気持ちをトレースできるかい?」と聞かれて意味がわからなかった)
・唐揚げ屋さんの月商や利益率
・全国に唐揚げ屋さんはどのぐらいあるのか
・唐揚げ屋の店主さんの特性を知る
・唐揚げ屋さんに飛び込みしてニーズ調査をする
・そして「こんなものいらないよ」と言われる
・日本唐揚協会にアプローチしてみる
・飲食業界の方に相談してみる
・社内で発明された「局地戦シート」をもとに戦略を考える
・カラッとペーパーの価値って?
・メディアにコンタクトをとる
・いろんなお店の唐揚げで実験して効果を確かめる
・・・・・エトセトラ・・・・・

キリがないくらいたくさんあった。

実は、高校生の頃から「商品開発の仕事をやってみたい!」と思っていて、福岡大学の商学部に進学した。
それで、ゼミ活動の一環で化粧品通販企業と一緒に商品開発プロジェクトを行うことができた。
当時は当時で大変だったのだが、今思うとそれはぜんぜんヒヨッコだったなと思う。。

社会人になり、いわば憧れの仕事をイチからできたのだし、楽しかったし、やりがいももちろんあったのだが、それと同じぐらい不安も大きかった。
商品開発を進めながらも、ずっと「本当に売れるのだろうか」と思っていた。
売れない理由ばかり探していたような気がする。

そのたびに社長から「例えば車を1台売るのとカラッとペーパーを1パック売るの、どっちか選んでいいよって言われたらどっち選ぶ?」と聞かれたり、「1個1000円もする歯ブラシが売れた事例とかあるよ」と教えてもらったりして自信を取り戻していた。
(このようなやり取りを何度社長と繰り返したことか。もはや数え切れない)

まあ、とにかくいろんなことがあったのだが、この1年間で1番印象的だったのは東京出張中に大号泣したことだ。

4年目がスタートしてすぐ、つまり事業部長になってすぐの頃、ふとした出来事がきっかけで「わたしは本当に事業部長なんてやりたいのだろうか?そんな大きな責任背負えるのだろうか?」と思い悩んだのだ。

今となっては「そんなことで悩んでたの?ウケる」という感じである。
(実際、このとき一緒に出張に行っていた社長からは「原口っちゃんは結局事業部長やるんよ。今悩みたいだけやけんw」と言われていた)

事業部長になってすぐ、スキルも人間性も、何もかもが全然足りていないことに気付き、それを埋めるには相当の覚悟と努力がいることを悟った。

これまでもコウダプロで覚悟を持ってプロとして仕事をしてきた。

だが、このとき気付いたのは「プロにもレベルがある」ということだ。

野球選手で考えてみよう。
プロ野球選手としてどこかの球団に所属し活躍している選手がいたとする。
その人が実力を認められてメジャーリーグへ行った。
たぶんそのとき、その人は求められるものが変わるのではないだろうか。

モデルや俳優でも同じだろう。
日本でその職として活躍できることと、パリやハリウッドで活躍できることは全然違う。

そういうことを、実際に感じた。

覚悟を決めるというのは、その瞬間には大変なことである。
あとから振り返ってみればなんてことはないし、覚悟を決めて挑戦する人生のほうが楽しくて豊かなのだ。
でも、その瞬間は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

ではなぜわたしは逃げなかったのか?
それを今から振り返ってみる。


うーん・・・。


1つは「易きに流れてはいけない」と思っているからだ。
昔から2つの道のいずれかを選べるとき、わたしはなんとなく大変そうな道を選んできた。
易きに流れてはいけないと直感的に思っているのだろう。
負けず嫌いなので、もし簡単なほうを選んだら、たぶん自分に腹が立つ。

もう1つは、やっぱりどうしてもやりたいからだ。
唐揚げが好きで、それを仕事にできる。こんなチャンスはない。
新卒4年目で事業の立ち上げを任せてもらえる。こんなチャンスはない。
チャンスを逃したくないのだ。

リクルートの創業理念であり、ゼミのスローガンでもあった「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉がとても好きだ。
ゼミでこの言葉を知り、この言葉通りに大学4年間を過ごしたら、とても楽しかったし成長の実感を得ることができた。
そういう経験があるので、自らの行動指針となっている。

だから、どんなときでもチャンスに飛び込みたい。
やはり帰結するのは「せっかく生きているんだったらとことん楽しみ尽くしたい」という自身の生きる目的だ。

生きる目的に照らしたとき、「わたしは本当に事業部長なんてやりたいのだろうか?そんな大きな責任背負えるのだろうか?」という自身の疑問に対し、「バーーーーカ!!!」と自分で言えたのだ。




うん。そんな4年目だった。

5年目は何が待っているだろう?
どんな景色を見れるだろう?
自分はどう変わるのだろう?

とにかく楽しみだ!!!


2023年4月5日(水) 唐揚げ大好きな原口水月 拝
(ヘッダーは好きな地元の中華料理屋の唐揚げ)


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