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なぜカンニングはいけないのか?

学生・生徒時代も含めて様々な試験を受けてきて、カンニングに関する話題に触れることもあった。

今、もしも「なぜカンニングはいけないのか?」の答えを求められたら、次のように私は答える。

「いけない」を倫理や正義の問題ではなく、ルールの問題だと考えるとわかりやすい。たとえば資料の持ち込み、試験中の資料の確認などを認めている試験もあるし、集団面接やグループディスカッションの様子を評価する試験もある。試験中に資料を確認することが「倫理や正義の観点からいけないこと」なのであれば、どの試験でもやってはいけないはずだが、実際はそうでなく、「試験中にやってはいけない行為」は試験によって違う。

試験は主催者側がなんらかの意図をもって行うもので、
「こういう人を合格させたい」
という条件があり、それを「合格のためのルール」として定めている。私たちは、主催者が定めたルールのもとで合格を勝ち取るために受験するのだ。

合格のためのルールの定め方も色々あって、たとえば点数で合格水準を定めて「これ以上の得点ができる人」というやり方もあるだろうし、「面接でよい印象を与える人」「実技試験で一定の行動ができる人」というやり方もあるだろう。

主催者の意図のなかに「カンニングをしない人を合格させたい」というものがあるなら、カンニングをしたら不合格になるのは当然だ。


昔、友人がどうも不正な行為をしているみたいだ、と第三者から指摘されて、「証拠がないし、友人だから信じたいし……」と迷っているうちに、何も言えなくなったことがある。

今ならば、「あなたカンニングをしているでしょ?」という言い方ではなく、他の言い方ができたかもしれない、と思う。

「学校内の試験で、悪いことをして点を取ったとしても、受験本番や就職試験ではカンニングができないから、やっぱり勉強はしておかなくちゃね」のような言い方ができたかも……

カンニングは自分も周囲の人も不幸にするのでやめておこう。

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