田舎暮らし7年目のフリーランスが天災とコロナ禍を経て考えたこと
私は2014年5月に今の家で暮らし始めました。2018年(平成30年)の集中豪雨と台風、そしてコロナ禍を経験し、改めて田舎暮らしのフリーランスが仕事を続け、田舎で暮らし続けていくためのコツを書くことにします。
田舎に移る前に仕事の実績を作っておく
私が引っ越しをすると決めたのは、それまでの拠点の通信障害がひどくなり、電話もかけられない状況になったという、急なことが理由でした。
その際に、引っ越しを決断できたのは
「ライターとしての仕事や実績がすでにあるので、拠点がどこにあってもやっていけるだろう」
という算段があったからです。
もしもライター、フリーランスとしての仕事が続けられなくなった場合、田舎では都市部に比べて求人が少なく、選択肢が限られてしまいます。その点は十分覚悟をした上で、移住を決めるべきだと考えます。
家電家具の応急処置や虫・動物への対処を習得しておく
家電や家具が壊れたり、虫や動物が侵入してきた場合に、相談に乗ってくれる人はいます。家電製品店やメーカー、害虫駆除の業者さん、市役所などです。
ただ、自然災害に遭って、多くの被害が出ているときは、田舎のほうが復旧までに時間がかかるように思います。また、真夜中など相談相手がいないときもあります。そのような時に備えて、ある程度、自分で何とかできるようにしておいたほうが、安心です。
私も、アライグマが庭に入ってくるようになり、びびって市役所に相談しようと考えたことがあるのですが、Webサイトには「市役所としては駆除しません」という冷たいアナウンスが……仕方なく自分で狩猟免許(わな猟)を取りました。その後、侵入されたことはないのですが、実際に講習でわなに触れたり、狩猟に関する勉強をしたりすると、安心感が違ってきます。
何事にも「代わり」が見つかりにくい
病院やスーパーマーケットなど、郊外では軒数が限られます。そのため1軒の病院や店と相性が悪くても、我慢して通い続けなければいけない場合もあります。
私は定期的に通院している総合病院に、なんとか通える範囲での移住だったので、持病があっても安心感はありました。
そのような場所を選んで移住できる人ばかりではないと思いますので、移住前に周辺環境をよく調べて、どのような生活になるかしっかり想像し、「代わり」が見つかりにくくても大丈夫そうかを考えておきましょう。
何事にも時間がかかる
たとえば、都市部に出かけるために、駅まで行くだけで時間がかかります。災害時にも携帯電話の充電ができる場所に行くと、1か所に人が集中するので時間がかかります。スーパーマーケットや病院が遠方にあるので、時間がかかります。
移住したばかりのときは、時間がかかること、体力を使うことに戸惑うかもしれません。自宅に引きこもりがちなフリーランスなので、時間がかかることを楽しみながら、身体を動かすといいですね。買い物や通院なども、リストを作り、行動計画を立てて実行するといいでしょう。
災害時の復旧に時間がかかった場合に備えて、食料や日用品の備蓄はしておきましょう。
宅配の対象外地域もある
私の住んでいる地域は、ウーバーイーツの対象外です。出前館は対応しているお店もあります。
郵便や宅配便でこのような問題は少ないかもしれませんが、便利なサービスがあっても、利用できるかどうかを確認しておく必要があるでしょう。
田舎という環境が変わることがある
私が移住してから今まで、私の自宅からおおむね2キロの範囲内に、コンビニエンスストアが2軒、ドラッグストアが2軒できました。便利になってありがたいことです。
このようなお店ができるということは、今後人口や、交通量が増えるという見込みがあるのかもしれません。
田舎の環境も変化していくものなので、5年後、10年後のそのエリアの姿を予想して、そこに住み続けるかを決めることも大事ですね。
時代の変化は自分から感じ取りに行く
SNSがここまで普及する以前は、フリーランスの私たちにとって、情報収集がとても大変でした。都市部に住んでいてフットワークが軽く、出版社やWeb制作会社の人と常に接触している人のほうが、仕事を多く得られたものです。
ただ、時代がオンラインへとシフトしていき、人材募集から打合せ、納品、報酬の支払いなど、すべてをオンラインと電話で行い、会ったこともない企業の担当者と、1つの案件を仕上げていくことが、2006年ごろには当たり前になっていました。
そういう下地があったからこそ、フリーランスは田舎へ移住してもなんとかなる、という空気が生まれ、田舎暮らしがブームになったのでしょう。
オンラインでの求職の方法も、人材募集中の企業に直接応募をすることよりも、人材マッチングサイトやSNSを通しての依頼が増えてきています。
都市部で多くの人と出会い、常に情報交換ができる人に比べて、田舎の静かな環境で暮らしていると、どうしても「時代の変化を実感しづらい」という面は出てきます。自分から積極的に「どういう求人が多いのか」を調査して、対応していくことが大切です。
遠方の企業との取引が増えた
これは田舎暮らしそのものよりも、政府による副業推進とコロナ禍の影響が大きいのですが、私は今、四国や中国地方の企業様と契約をして、顧問業務を行っています。SNSや集客戦略、コピーライティングに関するご相談に乗ることが多いです。ZOOMやTeamsなどのオンライン会議システムと、安定したインターネット環境があれば、業務ができます。
ただし、コロナ禍の影響で、現地を訪問して確認したいことができず、企業様の様子を実際に確かめることも難しいです。今後、この点について状況が変わればと強く願っています。それぞれの地域には独特の風土や習慣があり、それを無視して顧問業務を行うことには、限界が出てきてしまうからです。
顧問業務の契約を結ぶ前に、企業の経営者様と面談をするのですが、その時には「田舎暮らし」を評価してくださる経営者様も多いです。
まとめ
改めて田舎での7年の暮らしを振り返ってみて思うことは
「田舎に移る前に、どのくらい仕事やその他の実績を積んだか?」
が、田舎へ移ってからも大事だということです。
また、田舎という環境や、仕事の進め方も時代によって変わりますので、変化を自ら感じ取り、順応していく努力が必要だなと改めて感じます。
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