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外見に関する不自由を経験した人・している人に思いを届けたい 「歪んでしまったこの顔に幸せの笑顔を咲かせよう」

かつて、私の右耳(メニエール病)の手術をしてくださった先生が
「あなたが仕事で成功したり、何かの活躍をしたりすることで、同じ病気の人の1つの光になることができる
とおっしゃったことがありました。まだ学生だった私は、その意味を深くは理解していませんでした。

ただ、インターネット上で同じ病気の患者さんの相談に乗ることは、細々と続けていました。手術までの心構えや手術後の生活について、自分の経験をお話しするためです。

私は健康上の問題で一般的な就職活動ができず、フリーランスとして社会に出ました。初めのうちは、仕事を獲得すること、そしてクライアントにご満足いただける仕事をすることで手一杯で、
「こんな私が、本当に誰かの光になれるのかなあ?」
と思っていました。

時間が流れ、36歳になった私は顔面神経麻痺になりました。乳腺の手術が決まっており、入院まであと2週間ほどの時期でした。
でも、かつて耳鼻科に入院していた時期に、顔面神経麻痺の患者さんが快方に向かい、表情を取り戻していく道のりを、すぐそばで見ていました。だから、ほとんど不安や恐怖はありませんでした。時間は必要だけれど、私もきちんと治療に取り組めば良い方に向かうと分かっていたからです。

そして、胸の手術までには、かなり良い状態に戻ることができました。私の様子を見た乳腺外科の先生は、後にほかの先生に
「発想がユニークで独特な発言があり、おもしろい。病気や手術に対して落ち着き払っていて、空元気を出している様子でもない。こういうタイプの人に出会ったことがなく、未知の生き物という感じ」
と話していたと聞きました。

この経験を経てようやく、
「同じ経験をした人が、良い状況になっている」
という情報が得られることそのものが、誰かにとって希望の光
なのだと気づきました。

私は、耳のほかにも病気があり、諦めたこと、できないと思っていたことも数知れずありました。その時点での選択を後悔してはいません。

ただ、もしも私が自分にできる方法を考えて、人より時間がかかったとしても、そのことを成し遂げていれば、自分にとってその経験は宝となるでしょう。また、成し遂げた人がいるという事実が、誰かにとっての光となるかもしれません。

そう考えを変えた私は、「やりたいけど、きっと無理だ」と考えていたことに、少しずつ挑戦するようになりました。

メニエール病で乗り物酔いが激しく、自動車の運転免許を持っていない私が、小型船舶操縦士免許を取得し、体重を増やしてディンギーヨットに乗れるようになったのも、その考えに基づいてのことです。

対人恐怖症でパニック障害で、とても人前で話すなんてできないと思っていた私が、2018年ごろからセミナー開催をして人前で話せるようになり、やがてはほかの地域で行われるセミナーに登壇したり、全国の方に向けたオンラインセミナーで話す機会もいただけました。

私は、先に書いたようにハント症候群を経験しています。そして、幼少時からのアトピー性皮膚炎で、皮膚科の先生にはさんざんお世話になりました。また10代に差し掛かるころまで、髪の毛が抜けて、500円玉より大きな脱毛巣ができていたことがあります。アレルギーを抑える飲み薬、塗り薬は症状に応じて様々な種類を使い分け、製造中止になった薬のために、追悼の祈りをささげたこともありました。スポーツ中に顔面を打ったことも3度ほどあります。

でも、今の私の顔を見た人のほとんどは、そんな過去があることに気づかないでしょう。アレルギー体質でほとんど化粧もできず、ヨットやボートに乗って日焼け三昧ですが、それでも、自分に合う基礎化粧品を見つけること、たとえ顔の歪みがあっても怯むことなく心から生まれる笑顔を作ること、良い声を響かせてゆっくり話すことを心掛けて、自分の顔を好きになれました。

私が、多くの方の前に、笑って姿を見せることで、同じように顔面神経麻痺やアトピー体質、外傷などの外見に関する悩みがある方にとって、なにかのヒントや参考になれるのであれば、私は嬉しいです。たとえ、直接的に「顔面神経麻痺に負けるな!」とか、「対人恐怖症に負けるな!」というメッセージを言葉にするのではなくても、こういう人間が存在するという事実が、誰かに伝わること自体に、意味があるかもしれないと考えています。

そのような考えを心に秘めながら、コンサルタントとして全国の経営者の方と面談して、コンサルティングのご提案をしているなかで
「外見に関する不自由を経験されているあなたに、仕事をお願いしたい」
という言葉を、2023年には頂戴することができました。


今後も、外見のことやパニック障害、そのほか同じ病気や悩みの真っ只中にいる方にとって、1つのヒントとなるような生き方を続けたいです。そのために、さまざまな仕事に取り組んで、人と出会う機会を増やしていきます。

仕事の幅を広げて、人の役に立つ機会を増やそうとする私の取り組みの根源には、ここまで書いたような思いがあります。また、脱毛に悩む方のためのヘアドネーションもこれまで3回行いました。これからも、できる限り続けます。

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