未来の自分は他人

過去の自分は別人だ。
経験は知恵となり、記憶は思い出になる。
それらは体や心、頭の中に残っていく。
けれど、過去の自分がもっていた感情だけは思い出せない。

どんなことを思っていたかは思い出せても、
頭に血が上るような怒りが湧き上がることもなく、
胸が締め付けられるような悲しみが押し寄せることもなく、
叫びたくなるような喜びがやってくることもない。
ただ怒り、悲しみ、喜びの出来事を思い出すだけで、
そのときと同じような感覚を呼び戻すことは出来ない。

過去は自分のものでありながら、
美化して何とかごまかそうとするが、
事実は曲がらず、
時に頼んで忘れさせてもらうしかない。

今だけが自分自身でいられる時だ。
だからといって「今を精一杯生きろ」などと熱いことは言わない。
ただそれを知っているかどうかで随分変るのではないかと思う。


今の自分が嫌なら、
変る努力をすればいい。
今の自分が好きなら、
明日からもっと大事にすればいい。
それらが希望を持つ力となる。

過去の自分も別人だ。
そしてまた、
未来の自分もまた別人。
希望は未来にしか存在しない。
過去を支えになるが今の真実ではない。

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