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マネジメントを未来に託す。

これまで自分なりに企業風土を調べたり、マネジメントを学んできて分かってきたこと。

それは、日本企業において、マネジメントが定着しない理由がある、ということ。

いやむしろ、社員はマネジメントに興味が向かないように育成されてしまっている、と言えるだろう。

そのような人たち(管理職)が、今さらマネジメントに興味を示し自ら学ぶようになるのは、もはや期待できないだろう。

学ばないのであれば、当然実践もされないだろう。正に絶望的・・

もちろん、自らの意思で学ぶ人もいる。しかし私の知る限り、ほんのわずかである。


マネジメントが定着しない理由は何だろう。

まず原因のひとつとして考えられるのが、マネージャー登用の時期(年齢)が遅い、という点である。

小林 祐児著『早期退職時代のサバイバル術』によると、日本においてはおおよそ40歳代前半ごろにマネージャー登用の白黒がはっきりする、と書かれてる。

つまり、40歳代にマネジメントの立場になり(昇格し)、そこから初めてマネージャーとしての教育と実践がはじまる、ということだ。

そしてもう一つの原因として考えられるのが、マネジメントを意識し始めるのが遅い、という点である。

日本企業の多くは、マネージャー登用(つまり出世)を目標に掲げさせられ、それをキャリア目標として頑張ることを暗黙のうちに強制させられる、という側面がある。

一方欧米に目を向けると、国によって差があるものの、概ね20歳代~30歳前半で、自分は将来マネジメントのポストに就くか否かの白黒がはっきりする。

つまり若いころからマネジメントを意識し、その前提で育成が始まる。

マネージャーに登用されるまで(出世が決まるまで)、マネジメントを意識することはほとんどなく、がむしゃらに自分の成果を上げ続けざるを得ない日本と、若いころに将来のマネジメントの立場が早々に確定し育成がはじまる欧米とでは、そりゃ差がついてしまって当然だろう。

ドラッカーが言うように、マネジメントには基本と原則がある。

基本と原則に反するものは破綻する、とまで言っている。

実際、破綻してしまっている日本企業は後を絶たない。

破綻してないまでも、長年業績向上に苦しんでいる企業が多いのはご承知の通りだ。

私はこれまで、働く社員が活き活きと輝きを取り戻し、日本企業が再び成長軌道にのるためには、マネジメントの理解促進と実践が必要だと思い活動してきた。

しかし、一部理解を示す管理職がいるものの、その数はわずかだ。

そして、これは自分自身の経験からも感じることだが、直属上司がマネジメントを理解していないと、部下であるマネージャがマネジメントを実践するのは極めて難しい。理解もされないし評価もされない。

そう、マネジメントは、組織全体で学び、組織全体で実践する必要があるのだ。

よって、既存の管理職に向けてマネジメントの必要性を訴えるのはもう辞めにしようと思う。

その代わり、非管理職の若い世代の方々に、マネジメントの必要性を伝えていこうと思う。

実際、若い世代の人たちにマネジメントのエッセンスを紹介すると、ものすごく興味を示してくれる。

恐らく、マネジメントを知らない上司の対応・態度に日々疑問を感じており、そのモヤモヤが晴れる思いがするからだろう。

特にパワハラ系の上司に苦しめられている人からすると、明らかにその上司はマネジメントを知らない(全くできていない)と確信が持てるからだろう。

そして、決死で自分に原因があって苦しんでいるのではないと分かり、安心できるからだろう。

マネジメントを知らない上司に育たられた部下は、当然マネジメントを知らぬまま昇格をしていく。

実際私もそうだった。昇格できたのは、業績を上げることができたためにご褒美としてそのポストを与えて貰ったに等しい。

 

が、しかし。。

マネージャとして出社した初日、大きな不安を感じながら出社したのを強烈に覚えている。

なんらガイダンスも、オリエンテーションも、研修もないままその日を迎えたからだ。

いったい、私は今日からマネージャとして何をすれば良いのだろうかと・・・


結局、自力で試行錯誤を繰り返していくしかなかったのだが、そこから私のマネジメントに対する探究がはじまった。

マネジメントとは何か?を考えれば考えるほど、この会社に存在する問題点は全てマネジメントに帰結するのではないか、と思うようになった。

その仮説は今、確信をもってそうである、と言い切れる。

この会社ではマネジメントが機能していない。

マネジメントを実践している管理職、さらには役員もほとんどいない。

だからマネジメントが定着しないし、マネジメントをできる人が育たない。

マネジメントを知らない人が、マネジメントを知らない人を引き上げてしまうから、当然の結果だ。


この負のサイクルは簡単には断ち切れない。

上司に向かって、あなたマネジメントできてないですね、なんて言おうものなら嫌われてしまう。

一方、人材育成を担う部門の人間もマネジメントを知らない。だから研修も行われない(※)。

※1on1を導入したり新しい目標管理制度を変えて、マネジメントを強化したと勘違いしている


残念ながらこの負のサイクルには簡単には抗えない。ボトムアップでは到底無理だろう。

なのであれば、「今」よりも「未来」に託すしかないのでは、と思い立った。

マネジメントを知らぬまま年を重ねてしまい手遅れになる前に、負のマネジメントサイクルに陥ってしまう前に、若者たちにマネジメントとは何か、を知ってもらおう。

少なくとも、マネジメントに興味を持ってもらおう。


マネジメントを教えるに長けた人は世の中に山ほどいる。

実際の深い学びについてはそういう人たちに託すとして、私としては学ぶきっかけをつくることに注力しようかと思う。


もともと、ものごとをかみ砕いて分かりやすく説明することは得意な方なので、これまで独学ながら学んできた内容をベースに、自分の経験談も織り交ぜながら、若者向けのエッセンス資料をつくって公開したり説明したりしていこう。

実際に若本たちの反応、フィードバックを得て、ブラッシュアップをしていこう。

そんな中で、本格的にマネジメントを学びたい人がでてきたら、プロの講師の方々に繋いでいく。

または、プロの講師を巻き込んで、イベント的に学びの場を展開していってもいい。


ということで、まずは、コンテンツをつくっていこう。

2024年、新たなチャレンジをはじめます。


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