土のうの振動低減効果について

土のうは、交通振動や建設工事に伴って発生する振動を遮断・吸収するために使われています。
今回の騒音対策工事において、低周波音対策として、防音壁内側にて盛り土の代用として土のうを採用した経緯があり、以下の二つのレポートから、土のう振動低減効果に関する記述があるため、当該箇所について引用、紹介させていただきます。

・土のう活用した工法に関するレポート

土のうを活用した地盤の環境振動低減法
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscej1984/2004/764/2004_764_235/_pdf


https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscej1984/2004/764/2004_764_235/_pdf
まとめ土のうは特異な振動伝播特性 を持っている. 鉛
直振動 による, 土 のう自体の幅の微小な拡大や縮小(リ バ ウン ド) 運動 とそれに伴 う中詰め材の摩擦 などによって振動エ ネルギーを吸収すると共に, 土のう間の不連続面によってそ の減衰 された振動 を隣接する土 のうへ伝えにくくしていると考えられる. この ことは, 土の うの持つ"し なやかさ"の 利点 の1つ と言えよう.
2)土 の う積層体 を発振源での振動対策工 とす る場合, 発生 した振動の大部分を, 直接土 のう積層体 に伝える ことができ, 1)で 述べた土 のうの振動減衰特性を十分 に発揮で きるため. 振動抑制効果の高い防振工とする ことができる.
3)中 間遮断を目的として土のう積層体 を用 いる場合, 土 のう積層休の周囲の地盤を伝わる振動 を考慮する必要が ある. 土-のうは施工形状を自由に変え られるため, 振動の伝搬経路に土のうが配置されるよう, 現場 にあわせて施工することによ り, 大 きな防振効果が得 られた.
4)受 振点での振動対策工では, 土のう積層体 を建
物基礎に用 いた場合について検 討した. 近隣の道路か ら発生する交通振動の伝搬は, 土のう積層体を介する ことにより, 建物 内では大きく減衰する。また,人が感 じやす い10Hz以 下 の周波数帯域の振 動を,よく減衰 させるという興味深い結果が得 られた.

・土のうの振動低減効果に関するレポート

土のうの振動低減効果に関する数値シミュレーション
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgs/4/1/4_1_71/_pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgs/4/1/4_1_71/_pdf
概 要
交通振動や建設工事に伴って発生する振動を,遮断・吸収するために土のうが用いられている。これまで,現場での振動計測などにより,土のうの振動対策工としての有用性は実証されているが,振動減衰のメカニズムを評価する数値解析手法に関する研究はほとんど行われていない。本研究では,実物大の土のうで作製したフィールドテストによる実験結果と,適切な土の構成式に基づいた動的弾塑性有限要素法解析による数値解析結果を比較し,土のうの振動減衰特性の評価手法を提案すると同時に,解析手法の有効性も検討する。

結論
土のう積層体を防振工として用いる場合,振源が土のうの積層体に近いほど,振動低減効果は高くなる。この実験事実が本研究で提案された動的弾塑性有限要素法解析手法を用いた数値シミュレーションにおいても確認され,現象解明と同時に,解析手法の有効性も確認された。


土のうが、交通振動や建設工事に伴って発生する振動に対して効果があるとのレポートが存在していることが複数確認されたことから、ガスヒートポンプ室外機から発生する振動についても土のうは効果があると判断します。
最後に、盛り土の代わりに土のう採用についてご提案いただいた、現場責任者の方にお礼申し上げます。

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