テックエンタメに付随する過剰期待

誰にも伝える気のない雑記.

クリエイターの想像力と技術力全てを利用して作られるものが作品だとすると,今世の中にあり社会の人々に影響を与えている作品は人類の最高到達点だ.しかし,映像の世紀と呼ばれた20世紀にグラフィックがアカデミックやミリタリーの領域を飛び出し,経済的影響力を持ったエンタメコンテンツとなった.グラフィックによる質量のない情報共有が最大のエンタメコンテンツとなった現在において,一般人(非クリエイター)の質量世界にたいして適応される自身の予測にグラフィカルな華やかさを過剰に持ってしまっている.しかもそれは想像の曖昧さを過去に体験した優良コンテンツに付随する色褪せた感情で補強され,言語化できないのにも関わらず会話の中で違和感が生じ得ない状況を生み出している.

個体の時間と環境に付随する唯一無二の体験性がコンピュータネットワークによるプラットフォームで提供され,それらの利点を他者に共有する際自分の体験を具体例としてあげてもそこに共感性がないため抽象化せざるを得ないが,抽象化して伝えられるのはただの景色に過ぎず,前述した予測によって共有者たちに目立たない齟齬を生じ,言語化する機会が与えられぬまま地に足のつかない議論によって非建設的結果に収束している.

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